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水しか使えない最強生物  作者: 猫宮るな
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4話

 さてと、これからの予定なのだが、森の方を見渡してみても道らしきものはないので適当に森の中を進んで行くしかない。


 この場所は砂浜が森に囲まれているようになっていて、どの方角に進もうとしても森に入らないといけないのだ。


 森を適当に進んで、道を探すしかないのだろうな。


 誰も来ないからであろうか、何かで進む方向の枝などを切っていかないと歩くことも出来ない様子だ。


 悩んでも仕方がないし、やるしかないので早速行動するとしますか。


 細かいことは歩きながら考えればいいし、街にも早く行ってみたいしな。


 森に入ってみても、全く人が来ないのかとても歩きにくく、予想通り草や枝を切りながらじゃないと進むことも出来ないような感じだった。


 とりあえず、刃の形にして水を飛ばしながら切り開いて行けばいいかな。


 水の中でずっと遊び、じゃなくて練習していたおかげか、この水が周りにない環境でも問題なく使うことが出来た。


 俺の魔力を使って刃の形で水を生み出して飛ばすというもので、なぜか魔力のことは自然と理解していたから、今の俺の身体で生きていくにはその魔力のことは必須のものらしい。


 実際、この身体や服なんかも魔力を使って、形を作っているので魔力を使えないと実体化することも出来ないことを考えると、魔力の使い方がわかるというのもうなずけることだろう。


 しかし、水中とは違って少しの抵抗感というか水中の時よりかは、水を生み出したり、形を変えたりすることに使う魔力量も増えているので、まだまだ練習をしていかないといけないと感じさせられるな。


 水中と変わらないくらい陸上でも使えるくらいにしておきたいところではある。


 それでも便利なことは変わらないため引き続き、森を切り開きながら進んでいる。たまに枝に引っかかったりするが、どうやらこの身体は引っかかった感触はあるのだけれど、それで痛いとか進めなくなるということはなく、そのまま身体を通り抜けてしまっていた。


 この身体には触覚、何かが触れたり触ったりするのはわかるが、通り抜けてしまうことからもわかるが痛覚はないらしい。


 一定以上の力が加わると水になり、そしてまた何もなかったかのように戻るということだ。


 しかし自分で木を殴ってみると、ちゃんと殴ることが出来るようで思いっきり殴ってみてもこぶしは水にならず、その殴った木は殴った場所がへこんでいた。


 んー、これは意識してやるのと無意識で起こるのは違うのかもしれないな。


 枝に当たるとかのものは無意識なので何も抵抗なく、通り抜けてしまうが、自分から殴るのは意識して殴るということを考えてやっているので、ちゃんと殴ることが出来たと考えられる。


 それか傷つけると傷つけられることの差か。


 まだ自分の身体のことながらわからないことがたくさんある、というかわからないことがほとんどなので少しずつこういういったこともわかっていければいいと思う。


 さっきから魔力を使っているのだけれど一向に減る感じがしないとか、そういうこともわかればいいな。


 さて、遠距離の攻撃の方も大事だが近距離の方も練習しておきたいところだ。


 木をへこませるほどの力があることが分かったので近距離の戦闘も出来ると思ったのだ。


 まぁ力がなくても少しは出来るようにしておくつもりだったんだけれど。


 遠距離しかできないのは良くないと思ったからね。


 ということで、まず水を生み出す、そしてその水を剣の形にしていく、出来上がったのが全て水で出来た水剣というところかな。


 長さはいくらか試してみて、振り回しやすい長さにした。


 でもこのままでは、攻撃力も何もなくただ当たったところが濡れるということだけだろう。


 ここから腕の見せ所だ。


 えーっと、さっきまで飛ばしていたものと同じように刃の部分を鋭くして、後は刃のところを水が高速で回転させることが出来れば、さらに切れ味が良くなると思う。


 実際にやってみると問題なく想像通りに出来たが、まだ意識しておかないと回転が遅くなるため、振り回しているうちに切れ味が悪くなるということが分かった。


 そこは要練習ということで頑張っていきたいと思う。


 この剣の形からの形状を変化させて、鞭や大剣のようにしてみたかったのだけれど今はこの剣で慣れておくことが先だとわかったので、それはまた今度、もっと慣れてからやった方がいいと思い、早く出来るように頑張ろうとも思った。


 出来ることから少しずつ、やっていき出来ることを増やしいていくことが大事だな。一気にやろうとしても全て出来ないということになりかねないし。


 スパン、スパンと切りながらも進んでいるが、道に出る気配が一向にない。


 まぁ道に出る気配というものがどういうものなのかも知らないけどさ。


 こう、異世界物の定番の周囲の様子をわかるようになる能力があればいいのだけれど、剣の方も少しは慣れたし、そういうのも試してみるとするか。


 魔力を使ってやるのは良くあるけど、俺は魔力を使って水を生み出したり、形を変えたりすることは出来るのだが、これは以前試してみたのだが魔力そのものを身体の外に出したりは出来なかったんだよな。


 つまり、魔力を薄く放出させて周囲のことを知ることはできないということになる。


 さてと、どうやってやるか。


 水中からから出た後に、砂浜で水以外のものも出せるかと試してみたのだけれどそれも出来なかった。


 火や風、土なども定番なのだが出すことが出来なかった。


 魔法みたいな感じで出していると思っていたんだが、この身体は水しか出すことが出来ないのか、それとも何かすれば使えるようになるのか。


 どちらにしても今使えないのであれば、後回しにして出来ることで試してみるのがいいだろう。


 現在、俺は水しか使うことが出来ない。ということは水を使ってやるしかないということになる。


 水を出しながら歩いて、その水がぶつかったことがわかり、それで周りの状況を知るというのも考えてみた。


 水を周りに出しながら歩くのはそこら中水浸しになって、街などでは使うことが出来ない。俺はいいが周りに迷惑になるので却下だし、範囲もそれほど遠くまでわからなかったし。


 薄くしても膜みたいにしても、水なのは変わらないのでその範囲に入ると濡れてしまう。これでは俺がやっているということが簡単にわかるし、これも他の人に迷惑が掛かるので却下だな。


 色々と考えている間も水の剣を振りながら歩いているので進んではいるのだが、いい案が浮かんでこない。


 んー、水で何か、いい感じにできないかな。


 考えを変えてみて、生み出すことより周囲に何があるかを考えてみることにする。


 そう言えば、空気中には水蒸気があるよな。ということはだ、これも水ということにならないか?


 とりあえず、案が出て来たので試してみることにする。


 周囲にある水蒸気を操って、それで俺に周囲のことをわかるように出来ればいいのだが。


 お! 周囲の水蒸気を動かすことは出来るみたいだな。そして範囲を広げていって。


 よしよし、上手くいったな。周囲の水蒸気を使って、見なくても周囲のことを知ることが出来た。


 俺が操れる範囲の水蒸気のことは知覚できるので、それを利用して水蒸気がないところを確認すればそこに何かしらがあるということになる。


 草木の中の水分とかは俺にもわからないけど、輪郭だけわかればいいのだからこれで解決だろう。


 知覚できる範囲をもっと広げることが出来るようにこれも練習だな。


 今はまだ目の届く範囲にしかできないがそれでも全方向分かるというのはとても便利だった。


 結果としてとても便利なものが出来たが、そこまで範囲はまだ広く知覚することはできないので、どこに道があるのかとかはわからないままだが、それも適当に歩いていればそのうち見つけることが出来るだろう思い、今はとにかく進むことを考えることにした。


 なんか目覚めてから目的の場所に行くのに適当に進んで行く、または彷徨うとも言う、というのをずっと続けているような気がするな。


 しょうがないことだけれど、海でも森でも同じだと流石に面倒に思ってくるな。


 それからどのくらいの時間が経ったのか、少なくとも一日は歩いていたがやっと一本の道に辿り着いた。


 土がむき出しでろくに整備されていないことは俺の目でもわかるような道で、幅は車がギリギリ二台くらい通れるといったくらいか。


 さて、道は見つかったのでこの道を歩いて行けば、そのうち人がいる街に辿り着けると思うがどちらに行こうか。


 んー、まぁ右利きだから右にするか。どこかで利き腕の方を選びやすいというのを聞いたことがあったが、あれは本当のことなのだろうか。


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