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水しか使えない最強生物  作者: 猫宮るな
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24話

 ギルドで昼ご飯を食べ終えると、少し待っていてくれと言って、リカルドはどこかへと行ってしまった。


 リカルドが近くにいなくなったから、俺に絡んでくるやつでも出て来るのかとも思ったのだが、そんなこともなく穏やかな暇な時間となってしまった。


 待つこと十分くらいだろうか、正確な時間なんてわからないんだけど、そのくらいは待っていたと思う。


 リカルドがどこか行く前とは何かが変わっているような気がするのだが、どこが変わったのだろうか。


「待たせたな。これから少し買い物に付き合ってくれ」


「うん。いいよ」


 どこへ行くのかわからないが、どうせ暇だし買い物くらいは付き合うのはいいのだけど。


 ギルドを出てリカルドの後ろを歩いていると、やっと何が違うのかがわかった。


 腰に下げていた剣が無くなっていたのだ。


 剣をどこかに忘れるとか、落としてくるということをするとは思えないので、何か理由があって持っていないのだと思うが、どういうことなのだろうか。


 首を傾げて考えたが結局わかることなく目的地に着いたみたいだった。


 街の東側に歩いて行き、辿り着いたのはボロそうな建物だった。


 しかしよく見ると、壁が汚れていたりしてボロく見えるだけで、建物自体はしっかりとしたもののように見える。


 ここは東側でも南寄りで、しかも大きな通りをいくつか入ったところにあるため、周囲の道は狭く、決して周りを見渡しても綺麗なところとは言えないようなところだった。


 路地裏というほどひどくはないようだけど。本当にひどいところはひどいことを知っているからな。


 そんな周りに合わせているかのように、目の前の建物もボロく見せているのかもしれない。壊れている物とかもないようだし。


 リカルドはその建物へとためらうことなく、扉を開けて入って行った。


「おやじ、居るか?」


 中へと入ると、棚などにいくつもの色んな種類の武器が置いてあり、中には箱の中に適当に放り込んだような置き方をしたものまである。


 剣や短剣、斧、槍、中には俺の背丈くらいの大剣まであるのだから、ただ見ているだけでも楽しくなってしまう空間だった。


 しかし肝心のそのおやじという人物の姿はなく、奥の方から小さい音だがカーンという、金属を叩く音だろうかそんな音が聞こえて来ていた。


「おやじー!」


 リカルドが再度呼びかけても、出てくる様子はなかった。


「ちょっと待っててくれ。呼んでくる」


「勝手に入っていいの?」


「いいの、いいの。てか、店開けてんのに、出てこない方が悪いからな」


 そう言うとカウンターの奥へと入って行ってしまった。


 またもや俺は暇になってしまったので、仕方なく他にやることもないので置いてある武器を勝手に見ていることにしたのだった。


 斧や槍はなんか持った時に落としたり、周りのものを傷つけそうなので触らないでおいて、短剣などの俺でも簡単に持てそうなのを選んで、手に取ってみる。


 こういった刃物を触るのは包丁を入れなければ、初めてのことなため少し緊張してしまうが、なんというか、おおーという感想しか出てこなかった。


 中には剣身から柄まで全て真っ黒なものまであって、それは他のものと比べると重いようだった。


 一通り見てみたが、日本刀のような刀は見当たらなく、少し残念に思ってしまった。


 俺は作り方なんて知らないので、この世界にないのであれば作ることはとても難しいことになってしまうだろう。


 一通り見終わってしまったが、まだ来る様子はないので、もう一度短剣のところを見ることにした。今の俺が一番使いそうなものはこの武器であろう。


「おい! ガキが何勝手に触ってやがる!」


「あいつは俺の連れだよ。それに少し触るくらいいいじゃないか」


 突然怒鳴られて驚いてしまったが、カウンターの方へと顔を向けるとリカルドともう一人、髭を生やしたおっさんがいた。


 持っていた短剣を元に戻し、


「ごめんなさい」


 とりあえず謝ることにした。


 いや、だって目がすごく怖いんだもの。今にも掴みかかって来そうで。


「連れ? お前のガキには見えねぇし、女か? それとも新しい主人か?」


「ちげぇよ。何でそうなんだか、それにもう俺は奴隷じゃねぇ」


「そうか。その話は後で聞くとしてだ。坊主の武器だったか」


「今日フォレストベアと戦ってな。まだ大丈夫だと思ってたんだが、予想を超えてレヴィが強いことがわかったからな。ああ、こいつがレヴィだ」


「このガキがそんなにか。全くそんなふうに見えねぇけどな」


「魔法を使うからな。そう見えないのも仕方がないさ」


 なんか俺のことを無視して、勝手に話が進んで行く。


 別にガキと呼ばれるのは確かにこの見た目だし、強そうには見えないのは仕方がないけどさ。


 もっとこう、二人で会話をしてないで、俺にも話を振ってもいいんじゃないかと思ってしまう。


 いやまぁ、確かに話さなくてもそれで済むのであれば別に話さなくてもいいのかもしれないけど、実際にやられると無視されているようで少しむかつくというか、なんというか。


 それでも特に話すことはないし、無理矢理会話に加わろうとしないけれど。


 なんかこのおっさん怖いし、また睨まれるの嫌だし。


 それにしても武器を持っていないことや、ここに来たということで何となく予想していたことだけど、良い武器を求めてここに来たんだな。


 二人の様子を見て、仲が良さそうだし前から二人は知っている仲だったのだろう。


 でもお金は大丈夫なのだろうか。良い武器はいい値段がしそうだし、無事に納得がいくものを買えるといいな。


 そうして二人はリカルドの武器のことを話し出し、どの武器にするかを選んでいくのだった。


「よし、これで心配せずに明日からは奥の方へと行くことができるな」


 ようやく決まったのか、一つの武器を持ってそう言った。


「決まったならさっさと帰りな。こっちはいつまでも相手しているほど暇じゃないんでな」


 髭のおっさんはそんなことを言っているが、俺はすでにリカルドと仲が良く、本心でそんなことを言っていないことはわかっているのだが。


「うるせぇな。言われなくても帰るよ」


 リカルドの方はそのことがわかっているのか、定かではなかったのであった。


 初めの方に少し紹介されただけで、後は放置だった俺はそのまま話すことなく、武器屋を後にするのだった。


「悪いな。レヴィのこと放置する形になって」


「別に構わないよ。二人とも仲が良さそうだったし」


「別に仲が良くなんてねぇよ。昔少しだけ世話になったことがあるだけだ」


「ふーん」


 店を出た後はリカルドが話しかけてきたので、さっき思ったことはどうなのか確かめようと思ったのだが、それ以上は聞くのをやめたのだった。


「次は鞄だな」


「どこかまだ行くの?」


「ああ、マジックバックを買いに行くんだ」


「マジックバック?」


「知らないか、マジックバックってのは魔法がかけられている鞄でな。見た目以上の容量のものを入れることができて、その上重さは変わらなくなる鞄のことだ」


 よくある便利なバックのことか。それを買えば、これからはフォレストベア一体を倒しただけで、街へと帰って来なくても済むわけだから必要なものだな。


「でもそういうのは高いんじゃないの?」


「そうだな。それなりの値段はするが気にしなくていい。事前にこういうことが起これば買うことは決めていたし、それを買ったからってまだ金は残っているしな」


 さっきギルドでどこかへ行ったのは、お金を引き出しに行っていたのか。


 確か国からの支援金がそのまんま入っているということだったから、どのくらいあるのかはわからないが、その分多くのお金を稼げばいい話になる。


 そうして鞄屋に行った俺たちは、そこの人とはリカルドは特に仲が良いわけではないのか、淡々と話して鞄を決めていた。


 選んだのは肩掛けの鞄で、基本的には俺が持つことになるので、調整して邪魔にならないようにするのだった。


 時間は少し早いが買い物が終わり、今から森へ行っても中途半端になってしまうということで、今日は帰ることになった。


 屋敷へと帰ると真っ先に出迎えてくれたのは、走って抱き着いて来たユアの姿だったのであった。


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