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水しか使えない最強生物  作者: 猫宮るな
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22話

 私とリカルドは森の中へと入り、今回の目的はとりあえずゴブリンなのでそれらしき反応を探すことになる。


 この森は日ごろから多くの冒険者が入っているのか、歩きやすく、枝を切らなくても枝に当たることなく歩けるような感じだった。


 細い道らしきものもあって、そこを通って奥の方へと入ってみることにする。そうすれば戻るのも楽になるからな。


 どのくらい奥の方まで入ったら良いのかはわからないが、ゴブリンを見つけることができるまで進んで行くしかない。


 少し進むと、すぐに離れたところで何かが動いているのを見つけた。目視ができるところではないが、知覚範囲が広がったおかげでわかることができた。


 そしてその動くものを詳しく確認することにした。


 森に入る前から周囲の知覚範囲を広げるようにしていたが、まだ詳細まではわかるようにしていなかったのだ。


 流石にすべての範囲を詳細にわかろうとすると、情報量が多すぎて他の行動に支障をきたすためそのようにしていた。


 そうして詳しくみてみた結果、どうやらそれは二足歩行で、俺より小さめの身長をしているようだ。


 普通であれば、こんなところに子どもがうろついているのはおかしいことなので、きっとこれがゴブリンなのだろう。子どもでそれなりに奥に来ている俺みたいな奴はいないだろう。


 一応ゴブリンの特徴は事前に聞いていたから、その内容にも一致している。これは運がいいのかもしれない。遅いよりかは早く見つけることができる方が良いだろう。


 まだ距離があるため普通に歩いて行き、近くまで行くとリカルドへと合図を送った。


 さっき森へと入る前に基本的に手を出すことはないが、戦闘前などは合図を送って欲しいと言われていた。


 リカルドも俺が魔物に気づいているのか、いないのか。いざというときのための準備とかあるのだろう。勝手気ままに突進していくのはだめということだな。


 リカルドが合図を見て、頷くのを見た後、俺はゆっくりと気づかれないようにゴブリンへと近づいて行った。


 目視できるまで近づくと、そこには緑色の肌をした、子どもくらいの大きさのゴブリンが歩いていた。


 これでこいつがゴブリンだということがわかったので、これからは見なくても水蒸気での知覚だけでゴブリンだということがわかるようになった。こうして情報を増やしていけたら今後も役に立つことだろう。


 ゴブリンの手には子ども相手であれば容易く殺せるような棍棒が握られていた。あれで殴られたら大人でも無事で済むかわからない。


 俺はわざわざ近くまで行って倒す必要は感じなかったため、離れたところから攻撃して倒すことにした。


 やり方は小さな水の塊を出す、だいたい手の平の半分くらいの大きさだな。


 そして出した水を回転させて、ゴブリンの頭を目掛けて放つ。イメージとしては弾丸である。


 真っすぐ水の弾は飛んでいき、見事ゴブリンの頭には当てることができ、倒すことができたのだが。


「これはオーバーキル過ぎたな」


 首から上が吹き飛んで、無くなっていたのだった。これは水がゴブリンの頭に当たった時に破裂して頭を吹き飛ばしということであった。


 もっと小さくしても倒せることが確認できたので、次は程よい感じで倒すことを決めたのだった。理想は眉間を撃ち抜くことだろうか。


「そう言えば、どうやってゴブリンを倒したことを証明するの?」


「ああ、それはだな。魔物には心臓部分に魔石っていうものがあるんだ。それを回収してギルドで出せば倒したことを証明することができるんだよ」


 ふむ、つまりこの倒れている身体からそいつを取り出さないといけないわけか。


 どうやってやるかねぇ。


 心臓部分ということは魔石は胸の真ん中あたりだと思うが。


 とりあえずやってみますか。水を出して刃の形にしていく、それから刃の当たるところを回転させていき、少しずつゴブリンの身体を切っていく。


 そのまま進んで行くと何やら硬い何かにあったので、その周りをくりぬく様に切っていき、最後には切っていた水の形を変えてその切り出したものを外に出した。


 大きさは親指くらいだろうか。そのくらいの紫色の石を取り出すことができた。


「よく取り出せたな。こっちはナイフ出して待ってたんだが、その必要はなかったみたいだな。それが魔石であってるよ」


「やってくれたんだったら、任せたのに」


「いや、それはレヴィが自分で出来ない場合に仕方なくやるって感じで、できるのであればやらせるさ」


 まぁ俺も出来たからいいが、今度からはなるべく押し付けるようにしていきたいところだ。その願いが叶うかはわからないけど。


 その後はゴブリンの死体を放置して、次へと向かうのだった。


 死体は道があるところでなければ、そのまま放置してしまっていいらしい。なんでも周りにいる動物や魔物が食べてしまうんだとか。


 対して道の近くに放置するのは、そこを通る人が危険になるためだめとのことだった。


 さてと、これを何回かやらないと依頼が完了されないので、さっさとこなして終わらしたいと思うのだった。


 それから二回ほど同じようにゴブリンを見つけては、離れたところから水の弾を撃って倒していった。


 倒したゴブリンたちの魔石を回収していると、リカルドが声をかけて来た。


「レヴィは水魔法で倒しているが、接近戦は出来ないか?」


「どうだろ、したことがないからわからないや」


 どうやら俺がやっていたのは水魔法に該当するのだな。


 魔法を見たことがないため俺は区別することができないが、変に思われていないようで良かった。


「したことがないか。じゃあ次は隠れて離れたところから魔法を撃つのではなくて、もう少し近づいてやってみてくれ。危なくなったらちゃんと俺が助けに入るからさ」


「わかった。でも武器も何も持ってないから、魔法は使うよ?」


「そうだな。流石に素手でやれなんて言えないしな」


 ということで、次の相手は暗殺スタイルが使えなくなってしまった。まぁ素手でいきなりやれと言われてたら、リカルドに対して殴りかかってかもしれないが。おそらく素手でも倒せると思うのだが、やりたくない理由は触りたくないというのが大きかった。


 どうやって倒そうかね。そう言えば前にやってた水を剣にするというのがあったな。確か邪魔な枝を切ったりしていた時だったか。それに今も魔石を取り出している時に刃にして取り出しているし、それを使えばいけそうだな。


 今ならそれを鞭にしたり、大剣のようにしたりできるかもしれない。


 そう考えると、早く試してみたいと思った。


 魔石を回収し終えて、次のゴブリンを探している最中、さっき試したいと思ったが試すだけであればゴブリンがいなくてもできるではないかと思い、早速試してみることにした。


 まず、水を剣の形で出して、そのまま振り回してみて変なところがないことを確認した後、俺は意識して剣を鞭のように変えながら、離れた枝に向かって振った。


 鞭の使い方なんて知らなかったが、俺が操れる水だったからか狙ったところへと当たり、その枝を吹き飛ばしていた。


「おおー」


 思わず声を出してしまったが、まさか俺もこんなに上手くいくとは思っていなかったのだ。


「これなら大丈夫そうだな」


 リカルドも今のを見ていたようで、後ろからそう言ってくるのであった。


 それから同じ要領でゴブリンを探し出した。


 見つけると今回は隠れる必要はないので、普通に歩いて向かって行く。


 やはり他に魔物などが周りにいないことがわかっていることが大きいのだろう。わからないと常に慎重に歩いて行かないといけないため、その分疲れるし歩くのも遅くなってしまう。


 俺が姿を現すと、ゴブリンはすぐに目を向けて、襲い掛かって来た。


 その動きは真っすぐ進んでくるだけだったが、前の世界ではおそらく怖くなって動けなかったかもしれない。


 しかし今はそんなことはなく、落ち着いてゴブリンが近づいてくるのを待ち、届く範囲を見極めてから、右手を下から上へと振り上げた。


右手から伸びるようにして向かって行った水の鞭は、ゴブリンの脇から頭までを綺麗に切り裂いた。


 伸ばすのが速かったのか、少しだけ地面も切っていたことは見なかったことにする。最初に一撃としては上出来だと思う。


 俺はおおむねイメージ通りに出来たことにほっとし、リカルドの方へと顔を向けると、


「こりゃあ、すげぇな」


 とつぶやいているところだった。


「こんな感じになったけど、よく考えたら接近戦ではなかったね。中衛ってところかな」


「確かに前衛ではないが、基本的には魔法を使うんだろ。十分だよ」


「そう?」


「ああ、これなら俺と二人で組んで依頼をこなして行けるだろう。後は慣れの問題だしな」


 その後リカルドから他の魔物も倒していいと許可が出たので、ゴブリン以外の魔物も積極的に倒していくこととなった。


 実はさっきから他の気配も感じていたのだが、ゴブリンを優先していたためにどんな生き物か無視していたのだ。


 大きさだけであれば、大型犬くらいの大きさのものもいたので、どんな魔物か気になっていた。


 これからは積極的に魔物を倒して、多くのお金を稼ぎたいと思う。


 まだ見ぬ魔物を探しに俺とリカルドは森の中を進んで行くのであった。ちなみにリカルドが前で俺が後ろという並びに変えており、これからはリカルドも積極的に戦闘に加わっていくようだ。


 リカルドの腰には一本の剣があり、本人はもっと重いものが良かったらしいが、今はまだお金が無くつなぎとしてその剣を使うようだった。


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