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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第四章 陰謀編
99/113

99.堂々としている

城に行く前にローダーに説明しないといけないかなぁ。トラブルになるかなぁ。

と、ぼおっと考えていたらエルテにせっつかれたので言うことにした。

宿の部屋を出る前に、勇者と魔王の秘密、そして魔族が大体滅んでるってことを教える。


「んん? なんでそんな大事なことを王国に黙っとくんだ?」


え、それは……なんでだろうな?


「それはね、王国の人たちは頭が固くて強引で人の言うこと聞かない誤解確定だからよ」


「お、おう。そうか」


エルテのさっぱりした言い様に追及はやめたようだ。まあ俺も同意見な感じですわ。というかまた王国に来るとは思ってなかったからというのもある。


「えっと、まあ、それはいいんだが。今日はどうする? 本当に城行くのか?」


「もちろん行くわよ。みんな行きたいんでしょ?」


なぜか俺を見てくる。いや、俺はどっちとも言ってないんだけど賛成の体で話が進んでいる。まあいいけど。


◆◆◆◆◆◆◆◆


というわけで城の前までやってきた。

前と同じように門番が1人立っている。


「どうやって入るんだ?」


「まあ黙って付いてきて。うまくやるから」


どう上手くやるんだ。失敗したら牢屋にぶちこまれちゃうよ!

はらはらしながらもエルテの後ろに付いていく。


「ねえ、ちょっと」


「なんだ? あ! 前にもお会いした勇者様のお知合いで?」


「そうよ。勇者のあつしさんのことで話があるのよ」


「おお、それは有難い。是非中へどうぞ!」


入れちゃった。

そのまま客間へ移動させられ席に着く。一時誰もいなくなる。

あ、お茶菓子出るかな?


「で、ここからどうすんだ? このままじゃここの偉い人と話すことになるよな?」


「まあそこも上手いことやるから」


「マジかい」


あまりの精神力に感心していると白髪の多いナイスミドルがやってきた。


「私はシラル宰相です。どうぞよしなに」


はい、はい。

みんなお辞儀をする。顔を上げたらまた下げるからお互い何回もお辞儀する。

ほどなくしてローダーが何かに気付いたように言った。


「って、宰相っつったら、実質この国のトップじゃないのか? わざわざ直接話すのか?」


「いや、いつぞやは非常にお世話になりましたからな。勇者様のこととなれば直接お話を伺わないことには……。して早速では御座いますが、そのお話をお聞かせ願えますかな?」


どうするのか。見てみるとエルテは余裕の表情である。


「そうね。まずは結論から言うと勇者のあつしさんは他の世界に転移したわよ」


「な、なんですと!?」


言うんかい! ヤバすぎだよ!

慌てるのを悟られないように頑張って無表情でいたが、宰相の食いつきっぷりをみるに周りなど見えていないようだ。


「い、一体どういうことですかな?」


「この間の大蛇騒動の後、あつしさんは魔族領を調べに行ったのよ。それに私たちも同行したわけ。そうしたら魔族が転移の魔法陣でなんかしてたの。魔族は倒したけどあつしさんは転移しちゃったってわけ」


「な、なんてことだ。殿下もいなくなっているのにこんな……」


大事なところはウソ付いちゃってアウト感が強いけど大体合ってるからセーフ?

帰すの手伝ったってバレたら死刑にされそう。


「しかしそんな大事なこと、なぜ直ぐに教えて下さらないのですか!?」


ローダーと同じこと言ってるわ。当たり前だわ。ヤバいわよ。


「ちょっと大変なことが起きすぎて混乱しちゃったの。悪いとは思ってたのよ。でも国王様までいなくなったなんてなったら、流石に黙ってるわけにもいかなくなっちゃって……。なんなら魔族領に確認に行く? 責任を取って一緒に行くわよ」


話を聞いた宰相は少し落ち着き、いえそこまではと断ってから考え込んでいた。兵士が確認するにしても魔族領とか危険だよね。狼いるし。狼怖い。


「まあそれで、転移する直前に勇者の剣を預かったの。返したいんだけど」


「え、あ、そうなのですか?」


あれ? 返しちゃうの? 完全に借りパクしたのかと思ってたのに。

本当に返すらしく、エルテは剣を亜空間から取り出して見せた。


「なんと、本当に勇者の剣! ならばお話は本当ということですな! いえ疑っていたわけではございませんが、ああ、先に剣をお預かりして……」


いよいよ落ち着きが無くなった宰相が使用人を呼び、エルテが使用人に剣を渡そうとする。が、剣はすり抜けた。困惑しつつももう一度剣を渡そうとする。が、やっぱりすり抜ける。


「なんなのこれ」


「うわぁ、なんということ……。いえ、しかしこれは……、勇者の剣は持ち主と認めた物しか扱えないと聞いたことがあります! つまり持ち主以外触れられないのかもしれません!」


え、なにそれ格好良い。俺にくれよ。使えないけど。


「じゃあ私が正式な持ち主になっちゃってるの? どうしたら次の持ち主に渡せるの?」


「それは……考えますので、ちょっと保留にさせて下さい」


なんのこっちゃ。


「ふうん。じゃあ、いつまで待ったらいいの?」


「そうですね……。文献などの調査も必要でしょうから3日ほど時間をください。3日あれば何らかの進展はあるはずです」


「えー、でも滞在費がなー。3日もかー」


金ないしここで仕事して食つなぐしかないじゃん。ギルド員は食うには困ってなさそうだったけど俺らの仕事はあるのかな。


「気が利かずに申し訳ない。心ばかりお渡しいたします。宿も手配します。こちらは協議に入りますのでご連絡を待っていただければ」


あ、お金をせがんだみたいになっちゃった。いやー、悪いね。へっへ。

ローダーがなんか呆れた顔になってるけどお金は大事なんだよ!


何とか切り抜けたから、今度は続けて国王のことを聞くんだなエルテ。

よし。気合いを入れて見守る。


だが何も言わずに退出する空気。

あれ?


そしてそのまま退出して役人に宿を教えられお金をもらって城を出る。

あれ?

国王のことは?


次回投稿は3/14(日)に行います。

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