表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第四章 陰謀編
98/113

98.隣の国でなんか起こってる

共和国に帰ってからは平和だった。

シカを狩ったり、ツリーハウスをちょっと改造したり、釣りしようとして釣竿づくりに失敗してみたり。

まあ一応情報集めようともしたけど、ギルドでは何も収穫は無かったし、リーダーも議員とか兄弟の同僚とかにも話を聞いたけど何にも知らなかったって。

もう放っておいて良いんじゃないかな。


「そしたら足首が砕けてさー」


「なんで滑っただけで骨が砕けるのよ」


「おい大変だぞお前ら!」


そんなこんなでギルドで休んでいるとローダーが騒ぎながら入ってきた。その場にいたギルド員皆が注目する。


「おい何なんだよ大騒ぎして。お前いっつも大変だな」


「いやいつもは大変じゃねーよ。ていうかマジで大変なんだっておい」


そう言うとローダーは右手に握りしめていた新聞を広げた。

指差しているのは一つの記事。


「オルナイズ王国の国王がいなくなったんだってよ。で、今の勇者も行方不明だから王国が大混乱らしいぜ」


今の勇者がいない。

そのことは俺もエルテはよく知っているので少し目が泳いだ。

が、そんなことには気づかないローダーはまだ慌てたまま言う。


「王国がヤバいとこっちにも魔物とか難民とか流れてくるだろ? 気になるし様子見に行かねぇか?」


「あれ? 前に王国は苦手って言ってなかった?」


「いや、さすがに国の危機はほっとけないだろ! 行くぞ!」


野次馬根性を発揮するローダーに呆れつつも、自分自身も気になるので3人で王国へ行くことにした。


◆◆◆◆◆◆◆◆


「ここが王都か。レンガと花まみれだなぁ。魔法技術はどんなもんかなぁ」


馬車と徒歩で移動し王都へ到着したのは最早日暮れで、大通りには帰路を急ぐ人々が大勢いた。

その人々に邪魔そうな目線を送られながら、ローダーは観光気分でキョロキョロしていた。


「それでどうするの? 組合に行って話聞いてみる?」


それが無難ですな。

そうと決まり早速王国のギルドに行くと、やたらと騒がしい。

テーブルには同業者がいっぱい座っている。仕事終わりなのかご飯を食べながら酒らしきものを飲んでいる。


「じゃあいっそのこと俺らが勇者として立候補しちまえばいいんでねーの? 異世界人がするって決まってるわけじゃねぇし」


「つってもまた新しい聖女が現れたら異世界から召喚するだろ? 一時的だと確定しているのに立候補するのか?」


「んだけどよう。一晩でも美味い飯が食えるならいいんじゃねえか。お前もお城で贅沢したいだろー」


何かと思えば次の勇者が誰になるかで盛り上がっているのか。

もし宝くじに当たったらみたいなアレね。楽しそうね。この国の危機だろうにお気楽ね。


「この様子じゃ勇者が行方不明ってのは本当みたいだな。ところで、俺は勇者についてよく知らないんだけどお前らは勇者について詳しいんだよな? 前に調べるので来てるんだし」


あーそれね。

俺たちはローダーに説明する。勇者は召喚された転移者であることと、ついでに魔王も魔族に召喚された転移者だってこと。

でも勇者のあつしさんは帰っちゃったことと、魔王として呼ばれたけど魔王じゃなかったミラージュさんのことは聞かれると面倒そうだし言わない。後で宿かどっかで言ってあげるか。


「そうなのか。んじゃー勇者は嫌になってどっかに行ったとかかもな。でも国王が行方不明なのはどういうことだろうな」


「それはここの人に聞きましょうよ」


誰がいいかな。若干しかめっ面になっている受付の人がいいかな。


「あのー王様が行方不明だって聞いて来たんですけど、どんな感じなんすか」


「どんなもこんなもないですよ! 日がな一日その話ばかりして、そのくせ心配もしてないんですから!」


「はあ」


「大体この間だって王都に魔族が現れたって大騒ぎだったんですから! ふざけてる暇あったら魔物の1体でも退治してくださいって感じですし!」


それって大蛇事件の時のこと? 結構前の気がするけど……。


「そんなに困ってんなら捜索の依頼を出せよなー。金になるなら俺らも全力で行くで?」


「つーか魔族に攫われたんじゃねーの? 王国軍はなにしてんだ?」


不謹慎な組合員が茶々を入れてきた。すると受付の人の顔は般若へと変貌した。怖い。


「うーん、怪しいのは魔族か。で、王国軍は動いてない感じか? まあこれは表向きだから実際は分からないな。もっと情報集めれそうなところないか」


ローダーは的外れだなぁ。だってもう魔族はいないし。

じゃあ王様が行方不明になった理由は何だよって言われても見当がつかないけど。


「えらくやる気ね」


「そりゃ前のこともあるしな。ちゃんと調べときたいだろ?」


「とか何とかかこつけてお城とか見て回ったりしたいだけだったりしちゃったりすんじゃねぇの?」


「そ、そんなことないぞ!」


「まあどうでもいいけど。じゃあせっかくだし次は城に行く?」


「ってなんでエルテまで乗り気になってんだよ。無理だろ。この前はあつしさんのお陰で入れただけだし」


「ん? 入れる当てがあるのか? じゃあ城行こうぜ!」


「やっぱお前城見たいんじゃねぇか。てか行くにしても今日はもう無理だろ。明日にするぞ」


行っても入れるかは分からんけども。とは言わないでおいた。

入れないときのローダーの顔がちょっと楽しみ。


というわけでやっすい宿を借りてそこそこのご飯を食べて就寝。

あ、ローダーに説明するの忘れた。まあいいか。


次回は2/28(日)です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ