97.戦後処理
「もうだめだあんなマヌケな反乱軍の首将1人捕らえられずに街に被害だけ出してこれじゃ四天王も帝国政府も支持がされるわけもなく民意は離れ帝国は瓦解するんだ南も北も西もろくに統治されてないしというか帝都ですらこいつら働かないからグダグダだしもうやだ四天王辞めたいどっか遠くの島でゆっくり暮らしたい」
ここは魔術連合の建物。
完全に病んじゃった玄武とその周りで突っ立っている他の四天王たち。兵士たちには四天王の建物内の別の部屋にいる。
これもうあれだね。
「俺たち帰ってもいいよな?」
「私はズタケ様を探しますので残ります」
そ、そうなんだ。うん。いいんじゃないかな。
にしても反乱は解決したけど、なんか俺ら何の役にも立たなかったな。
「君らあいつのこと知ってるみたいだけど、あれなんなのー?」
そう聞いてきたのは黄龍だった。超笑顔。
でも、なんか、目が笑って無いよ。
怖いから説明しよう。かくかくしかじか。
「ふーん。暗殺者なんだ。みすみす逃がすなんて共和国もマヌケなんだねぇ」
”も”って辺り自覚があるんだな。
「というか魔法が効かないのに四天王が魔法だけで捕まえようとしてたのってなんでなんだ?」
「それしか能が無いからでしょ」
あまりにも辛辣すぎるエルテ。怖いもの知らずなの?
流石に四天王も黙ってない。
「なにおー、あとちょっとで捕まえれてたでしょーがー」
「いやそれもサピのお陰だしよ」
あんまり怒ってる感じじゃなくて良かったのにローダーはいらんことを言う。キレたらどうするんだ!
「そんで、アジトはどこなの?」
「へ?」
急に話を変えられた。慌て損。
「知るわけないすよ? ていうかあいつは1人で行動してると思うけど」
「なにほざいてるの? あの2人は知り合いで何か他にいるっぽい会話してたじゃん。じゃあ何か組織的に行動してるってことでしょ? つまりこの反乱も計画的ってことでしょ?」
え? そうなの?
転移者が能力でイキって暴れてみたら返り討ちに合っただけの事件だと思ってたのに。
朱雀も俺と同意見らしく割って入った。
「あんな意味不明な反乱に何の意味があるんだよ。お前はいつも意味不明だな」
「脳筋は放っておいて組織的と仮定して調査を進めるよー」
罵倒で流された。これ俺も罵倒されてるってことじゃん。
「ほら玄武しゃっきりせー」
背中を叩かれた玄武はびっくりしバタバタしたあと素っ転んだ。可哀想。
それを見もせず青龍はあくびをし白虎は寝ていた。この2人なにも考えてなさそう。
「えーと、じゃあ、今度こそ、帰ってもいい?」
「良いと思いますよ。あの、ありがとうございました」
いや、俺たち本当何にもしてないんだどな。むしろ申し訳ないわ。
さて、あいさつして帰ろっかな。
「じゃあ残ったゴーレムを調べるのと、捕まえた雑魚どもを拷……尋問しよっ」
「わー楽しそうだなー」
「それでは失礼しゃーす、ありあっしたー」
ヤバい会話は聞こえないふりをして部屋を出た。
◆◆◆◆◆◆◆◆
3人で疲れた足取りで街を歩く。
はぁ。やっと終わった。もう疲れたよ。
あ、晩御飯食べてから帰ればよかった。今晩の宿も探さないといけないじゃん。金もかかるし面倒くさい。ていうかお金あったっけ……。報酬とか貰えばよかった。何もしてないけど。
「で、私たち帰るのはいいけど、放っておいていいのかしらね」
「あの暗殺者、共和国でもやらかしてるし、気になるよな。あちこちでなんかやってんのかな。知らないうちに色々されてんのかな」
もう考えたくないのにローダーは喋り続ける。
「俺も黄龍が言ってた通り組織的だと思ってるんだが、それっぽい噂とか聞いたことないんだよな。お前どう思う?」
え、俺? ふーむ。
「イキった転移者がイキって負けたけど、まだ後ろにイキった転移者がいるってことか」
「あー……俺らにも分かるように言ってくれ」
えー、翻訳されるんじゃないの? 仕方ないなあ。
「ようするに後ろになんかいるならそいつも転移者だよ。多分」
「まあそうでしょうね。あいつらが普通のダーチ人に従うとも思えないし」
だよねー。クセが強いしねー。
「その可能性は高そうだな。で、そうしたら、そいつの目的はなんだと思う?」
「いや分からんし。全然分からんし。ただ暴れたいだけちゃうの?」
「軽……。それで国をめちゃくちゃにされちゃ迷惑だぜ」
分かるわけないし。
「まあ手掛かりがなさすぎるし、共和国で調べるしかないんじゃない?」
「そうだな。帰ったらいろいろ調べるか」
やる気満々ですなぁ。俺はやる気ないよ。偉い人に任せたのでいいと思うよ。
しかしそれを言う勇気は無いのであった。
次話投稿は2/1(日)です。




