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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第四章 陰謀編
85/113

85.面会

翌朝ヘリックスたちがギルドに着けば、既にモーリスとトギウが待機していた。


「お前らやっと来たか」


「いや、昨日の夜大変だったんだよ。で、会ってくれそうなのか?」


答えたのは受付の女性だった。


「はい。なぜか良いそうなのでどうぞ」


カウンターの外に出てきて案内をしてくれる。

2階のロロクの部屋の扉を開け、女性は去っていく。


どかどかとみんなで入るとロロクは少し驚きつつ席を立った。


「やあ君たち……なんか多いな。ともかく今日は一体何の用かな?」


どかどかとみんなで席に着く。椅子が足りないのでモーリスとヘリックスは立っている。


「シャングローで起きた事件について、牢屋にいる元暗殺者組合長なら何か知ってるだろうからそれを聞くために協力してくれよな。それに毒のシカ肉が出回ってて俺の親父が危険にさらされたことも分かるなら調べてくれ」


矢継ぎ早にローダーが言うとロロクは困惑した。


「ちょっと待ってくれ。事情は大体分かったが、それが私と何の関係が?」


「え? ギルドを束ねる人なんだからギルド員が困ってたら助けるのが当たり前では?」


大抵そういうもんだという気がする。

そう何の疑問も持たずにいたヘリックスたちだがロロクは全くそうは思っていない。


「いやいやなんだその理屈は。そもそも事件なら衛兵や警備隊の仕事であって私がそのことについて調べる道理が無いだろう」


「何言ってんだお前。未来見る能力があるくせに色んな問題解決しようとしない怠惰な無能野郎だってこと話を膨らませつつ言いふらすぞ!」


「んな……いや! そのくらい大丈夫だ! ……たぶん」


一瞬逡巡(しゅんじゅん)するも、耐える。

だがお構いなしにローダーが詰め寄り畳み掛ける。


「でぇい、まどろっこしい! 行く! 話す! 分かる! 帰る! 簡単だろうが!! 行くぞコラすぐ行くぞ!」


そう言うと右腕をローダーが、同調したエルテが左腕を掴み、引きずって部屋を出て行く。


「ちょっと待て何で私があああああああぁぁぁぁ」


◆◆◆◆◆◆◆◆


部屋を出れば観念したのか抵抗しなくなったので思ったよりも簡単に牢獄へ辿り着けた。

牢は脱獄防止のためか衛兵詰所と併設されている。


「あれ、労働組合所所長じゃないですか。こんなところへ何の用ですかなぁ」


「いや実は喫緊の案件でな、とある事件について調べているんだ。悪いが通してくれるか?」


ロロクがかなり作った顔で言うと、衛兵たちは何の疑問も持たずに通してくれた。


見張り役の衛兵と一緒に牢屋へと進む。

檻は3つ並んでいて、真ん中の檻の中にパルステズはいた。椅子に堂々と腰かけ、抑留されているというのに、やましさどころか威厳すら感じる。ロロクとは大違いだ。

中を見ると椅子の他には机とベッドがあった。奥にバケツもあるが深く考えないでおいた。


「久しぶりだなバルステズ。今日はシャングローで起こった暗殺事件について調べに来たんだが」


ロロクが作った顔のまま檻の前に立ち言う。格好をつけても元々知り合いなら意味がないんじゃないかな。


「わざわざ何をしに来たかと思えば……、なぜお前が他所の街の事件のことなんぞ調べているんだ?」


「いや、まあ、それはこの組合員たちが……」


急にもごもごし始めたのでローダーが割り込む。


「どうせ心当たりとかあるんだろ。さっさと教えろよな」


ふむ。と一拍置いてから返す。


「できる者なら誰でも、例えば転移者なんかが有力な候補者だろうな」


「んな役に立たねーこと聞いてねーよ。ズバリ誰がやったか知ってないのかよ」


すると椅子に腰掛け直してたっぷりと間を置いてから言う。


「いや、知らない。そもそもここから動けんしな」


聞くなりローダーは両手を上げた。


「んだよ。ろくなこと知らねーじゃねーか。来て損したぜ。けっ」


「さっさと次当たりましょう」


「そうだな。帰ろ帰ろ」


「押しかけさせておいて何なんだお前らは!?」


ロロクが抗議するも、さっさと退散していくヘリックス、エルテ、そしてローダーの3人。

声が遠ざかっていき本当に去ったことに驚きつつも、バルステズは気を取り直して言った。


「お前たち元気にしているようだな」


「ああ、魔獣駆除の依頼を専門にしるよ。割と簡単に生活出来てるな」


「らくしょーすぎてヤバいよね!」


「それはよかった」


モーリスとトギウは会えたのが嬉しいのか弾んだ声になっている。


「そんなに簡単なら、初めからまともな仕事をすれば良かっただろうに」


「それは巡り合わせによるものだから仕方あるまい」


妙な言い訳をされるが、これについて聞いても意味はないと思い、話題を変えることにした。


「で、本当に何も知らないのか? 君のいないところで暗殺事件が発生したことについて何も思ってないのか?」


聞けばフンと息を鳴らした。


「暗殺者組合のあるなしに関係なく、需要が無くならない限り暗殺は無くならないだろう。現にここへ来て依頼を匂わせてきた者もいる」


「な、なんだと!」


「わざわざ明かしたのはもちろん断ったからさ。何度も言うが、牢にいるのにどうやって依頼をこなす?」


じゃあ外にいればするのか? とロロクは疑問に思ったが、わざわざ問いただすのはやめておき核心に迫る。


「もしかして、その依頼してきたやつが今回の事件の首謀者か?」


「さあな。内容までは聞いてないが、それが誰かは言えるぞ。それは、対抗馬だった男のの使用人、だ」


◆◆◆◆◆◆◆◆


「よっしゃ、思った通り、俺らがいなくなったら話してくれたな!」


そう言いながら、建物から離れたところでローダーが耳に当てているのは巻貝のような形をした魔道具だった。


「いつのまに盗聴用の魔道具なんて付けたのよ」


「さっき両腕つかんで引きずったときさ。じゃないとわざわざ掴む必要ないだろ?」


油断も隙も無いやつだな。

というかなんで盗聴器なんて持ってんだよ。普段から盗聴してんのかよ。変態か?


ともかく盗聴した内容をしっかり確認して方針を固める。


「ま、とりあえずその人に会いに行きましょ。シカ肉も結局シャングローで獲ってるだろうから戻ったら調べましょ」


なんだかあっさり分かって拍子抜けだがさっさと終わらせちゃおっと。


次回投稿は8/16(日)にします。

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