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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第四章 陰謀編
83/113

83.変わった人々

更新忘れてました。本当に申し訳ない。

シャングローから馬車で向かい、ドゥマに到着したころには日は沈みかけていた。

ドゥマは共和国の首都だけあって、歴史が長くシャングローより落ち着いた都市だ。

面白味には欠けるが都市に面白味を求めるというのも違うだろう。


とにかく今日中に出来ることはしておきたかったので急いでギルドへ駆け込んだ。


と、入ってすぐに人とかち合う。


「うお、危ねぇぞおめーら!」


幼い女の子だ。すぐ後ろには顔に傷のある壮年男性がいる。

その組み合わせにはみんな見覚えがあった。


「あれ? 暗殺者だった2人じゃん」


「うるせーボケっ! あっちいけコラ!」


「こらこら、やめなさいトギウ。もう堅気(かたぎ)なんだから」


かつての事件で対峙したことのある暗殺者の2人である。

女の子の方は小さいのに口が悪いのは相変わらずだ。

暗殺者ギルドが解散してから、食い扶持を探すために労働者組合に入ったのだろうか。


「もっさん! でも、こいつらあの時のアレだよ!」


「そういうの全てひっくるめてもう終わったことだよ。それに俺らにとっても大した存在じゃないんだから相手しなくてもいいだろ。な」


「あ、それもそっか。大人の対応ってやつだね!」


「そういう結論に至るの?」


勝手に騒いで勝手に解決した。

それはどうでもよかったし、みんなもそう思っていた。

だがヘリックスは閃いた。この2人なら何かを知っているかもしれない。


「なあ、ちょっと聞きたいんだけど……」


と、ヘリックスが事件の説明をすれば2人は口をへの字にした。


「そんなの俺らは関わってないぞ。せっかく平和に暮らしだしたのにそんなことしたら捕まるだろ」


トギウはそーだそーだとヤジを飛ばし、急にハッと気づいたように言う。


「ていうか誰かが暗殺依頼して実行されたんなら、私らもまた組合作ってもいいってことじゃん! もっさん作ろうよ!」


「ダメに決まってるだろ!」

傷の男はトギウと呼んだ少女の肩を抱き言う。

「バルステズと約束しただろ? 真面目に堅気として働くって。忘れたのか?」


「えっ……忘れるわけないじゃん!」


バルステズ? 誰だっけ?


その名前を憶えてはいなかったが彼らが言うからには暗殺者ギルドのマスターだったエルフだろう。そう決めつけた。


「約束を守らないとな、魔王がやってくるんだぞー。がおー」


「な、なにそれ。ちゃんと約束は守るよ! それに魔王なんて全然怖くないからね!」


トギウが微妙に怖がっているのが微笑ましかった。

魔王って名ばかりで別に怖くないのにね。


「というか、魔王だからって別に悪さをしたりしばっ!」


背中から腎臓を殴られ悶絶する。

誰かと振り向けばエルテが拳を握っていて目で何かを訴えている。

魔王の正体ーー実際には違ったがーーに関することはいらぬ騒動が起こるからだまらっしゃい、ということなのだろう。


「あ! そうだ!」


急にローダーが叫び、みんなの意識がローダーへ向く。ヘリックスのことは誰も気にしておらず、悲しいような安心したような複雑な気分になった。


それは知らずにローダーが続ける。


「そのバルステズだかなんだか、その暗殺者の長に会えばなんか知ってんだろ。会わせろよ」


「ローダーにしては賢いな!」


やるじゃないか。


「そんなの私らに言われたってー。捕まってるんだから簡単に会えるわけねーだろーがー」


「そりゃそうよね。それに檻の中なら何も知らないわよね」


だめじゃないか。


「いや、そうとも限らないだろう」もっさんは否定した。「どこにいようと俺らには情報を得る方法がたくさんあっ……た、からな」


ちょっと詰まるのが気になるが、みんなあえてスルーした。


「じゃあ接触する方法を考えようぜ」


「そんなの忍び込んだらいいじゃない」


「いやさすがにそれは無理だろ……」


3人でしばらくまごまごしてからエルテが思いつく。


「そうだ。もっさんさん、なにか良い手はない?」


「俺の名前はモーリスだ……。まあいい。手はある。お前らは知ってるかもしれないがバルステズの知り合いが……」


「あなたたち、入口でしゃべられると邪魔なのでどっかいっていただけます?」


受付の人が会話を遮った。彼女の言う通り、入口で話し込んでいたのだ。


「あ、すみませんあっちに行きます」


俺がすぐに壁側へ寄ろうとするのに、もっさんーーモーリスが手を出す。


「いや、待て、ちょうどよかった。ロロクと面会がしたいんだが今から会えるか?」


「は? 所長に会いたい? アポなしとか無理ですよ。さらに当然こんな時間からなんて無理ですよ。当たり前でしょう」


ド正論をぶつけられながら断られた。ふと窓の外を見てみれば暗くなっていた。きっとギルド長も帰る時間でしょうね。

というかなぜ急に冒険者ギルド長に会いたいのか、俺にはピンと来なかった。

が、エルテは分かるらしく食い下がる。


「じゃあ約束取り付けてよ。明日でいいわよ」


「それが物を頼む態度ですか舐めてますか常識叩き込みましょうか5番出しのお茶飲みます?」


「もしかして前に飲んだ味がしなかった液体はそれかっ!?」


俺が焦るとローダーが両手を上げて割り込んできた。


「んなこたどうでもいいだろ! なあ、アポイント取って下さいよ。シャングローの事件のことで評議員してる俺の親父にも関わってくることなんですよ。かなり大変なこと何で本当頼みます」


「んー、まあ、いいですけど。会うかどうかは所長が決めますので保証はできませんよ」


ローダーは助かると礼を言いつつ俺らを押し出し、みんなで外に出た。

よく分からなかった。


「えっと、つまりどういうこと?」


「所長は権力あるし暗殺者組合長と知り合いなんだから会えるかもしれないってことよ」


あ、そっか。

分かったような分からないような。とりあえず分かったことにした。


「俺たちは行くぞ。また明日朝に落ち合おうな」


「分かった。また明日お願いします」


ローダーは去っていく元暗殺者を妙に丁寧に見送った後、こちらに向き直った。


「じゃあ今日は俺んちに泊るか? どうせ親父とも話さないといけないし」


「え、それってつまり飯と風呂があるってこと?」


「あ、うん。まあ。そうなるが、そこが重要なのか?」


「やったあああああああああああああああ!!」


「うるさいですよ!」


受付の人が出てきて頭を勢いよく叩かれた。

すみませんでした。


次回は忘れないように7/26(日)にします。忘れないようにします。

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