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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第三章 王国編
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77.懸念材料

王都から1日も経たずに魔族領に着いちゃうとか、超ご近所さんじゃん。そりゃ争いもしますわ。

そしてなんか瓦礫ばっかり。街ごと吹き飛んだってのマジだったんだな。


「ここが魔都なの? なんか……普通の街の廃墟と変わらないわね」


「そりゃそうだろ。魔族と人間に違いなんてほとんど無いぞ。見た目と風習が違うぐらいだろ?」


それけっこう違う気もするけど。

まあ獣人とかいるし誤差かな。


「えーっと、ここから続いている道はどこだったか……あっちがあれで……」


入ってすぐ儀式ってわけじゃないのね。

ミラージュさんが先導しみんなついて行く。


結構広いぞ。広範囲が瓦礫の山。


「あ、狼だ」


「ぎゃあああああああ!?」


狼怖い!

急いでエルテの後ろに隠れる。怖い。


「くっつかないでよ。邪魔なんだけど」


狼は進む先の道をバッチリ塞いじゃってる。

だがこっちは4人で狼は3匹だから、まあ、普通に考えれば狼は襲ってこない、はず。

ていうか、みんなはなんでそんなに落ち着いてるの。


「ほら、危ないからあっちに行きな」


ミラージュさんがシッシッと手を振れば狼たちは小走りで去って行った。

言うこと聞いてくれるなんて。実は狼じゃなくて、ここで飼われていた犬なのかな?


「流石魔族だけあって獣も操れるってわけね」


エルテが感心して言う。

その発想は無かった。なるほどな。


「いや、私は魔族じゃないんだが……ていうか魔族だからって動物を操ったりできないだろ」


「でも魔王なんでしょ?」


「え? 魔王になったら魔族になっちゃうんだ?」


エルテが問えば、あつしさんも疑問を呈してきた。

するとミラージュさんは返答に窮する。


「ちょっと待って混乱してきた。やっぱ分からないわ」


「どっちなんだ……」


答えは誰も分からないので、もう気にせずに廃墟を進むことにした。


元はどんな街だったんだろうな。

建物のあった場所は瓦礫の山だが、その間に広い空間がある。多分道があったんだな。

舗装もされていたようで足元は石畳だ。砕けているからガタガタしていてつまづきそうだ。というかつまづいたぞ。

転ばなかったしすぐにリカバリーしたからみんな気付いてないな。よし。


「あ、そうだ。エルテさんに渡すものがあるんだけど」


「え?」


そういうとあつしさんは剣をエルテに渡した。

暗くてよく見えないけど、なんか見たことあるシルエットだ。


「なにこれ……。って、勇者の剣じゃないの! 国王に返してなかったの?」


「いやー、だって返したら何事かってなるじゃないか。だからそのまま持ってたんだよねぇ。持って帰るわけにもいかないし、渡しておくよ。どうするかは好きにしていいよ」


「ちょ、そんな無責任な」


エルテが返そうとするのに手を引き届かない位置まで離れた。返品不可ですか。


「もうー、どうすればいいのよこれ」


と言いつつ亜空間に収納した。


「なんで片付け方が分かるんだよ」


「なんとなくよ」


そうか。なら仕方がないな。


さらに進めば噴水の跡、そして堀の跡がある。

崩れた石橋を乗り越え、おそらく城があったであろう場所へとたどり着いた。

魔王城的なものがあったんだろうなぁ。見たかったなぁ。


お城の前の広場には瓦礫を片付けているサニルタさんの姿があった。

こちらに気づいたらしく姿勢を正し、俺たちが着くまで待ってくれた。


「本当に行うのですね」


サニルタさんは乗り気じゃないみたいだ。まあそりゃそうだよな。ミラージュさんが死ぬわけだし。


「ああ、もちろん。パパっと終わらせるぞ」


「分かりました。あなたがそれを望むのなら……後ろのは?」


俺たち2人のことを言っているらしい。

そういえば俺らが来た意味って……サニルタさんを引き取るためでいいんだよな?


「手伝ってもらえることがあるかと思ってな。まあ、邪魔なら下げとくから気にするな。あ、こいつら全員私が魔王だって知ってるから気にするなよ」


「そうですか」


しばらくみな黙ってから、サニルタさんが口を開く。


「それでは始めましょうか。陣の準備をしますので、もう少々お待ちください」


「あ、じゃあ、俺らもなんか手伝おうか」


自分で言っといてなんだが、絶対罵倒されるね。


「じゃあこの幅と同じくらい、向こうまで瓦礫を片付けて下さい」


あれ、罵倒されなかった。

むしろ僥倖なので言われた通り片付ける。暗くて見えにくいぞ。


「結局魔物を倒す方法って何なのかしら」


「えーっと、そうだよな。聞いとかないと心配だよな」


本当は何もないとかだったら笑えないぞ。

数分で片付けが終わり3人のもとに戻る。


「というわけで魔物を倒す手立てを教えて欲しいんだけど」


「なにがどういうわけなんだ。まあそれはサニルタが説明してくれるよ」


「はい。ただ単純な話ですが、生き残りの魔族が各々戦うだけです」


え、なにそれ。


「それって、何人いるの? サニルタくらいの強さはあるの?」


「まあ10人いたら良いところでしょうね。誰が残っているのか分からないので戦力も分かりません」


え、え、それ大丈夫なの。

サニルタさんとミラージュさんの顔を交互に見るが無表情だ。ちょっとー。


「まあ、大丈夫でしょう。魔族が滅びた原因は魔物じゃないですし、人間でもなんとかなるんじゃないですか?」


「ミラージュは戦ってくれないの?」


ん? あつしさんだ。その質問、おかしくない?


「おう、そりゃまあ、戦うぞ。まあ、ヘビみたいに魔法しか効かないやつじゃなけりゃいいんだけどな」


ミラージュさんはあっけらかんと答える。


どういうことだ。もしかして死ぬことは秘密なの?

エルテも分からないようで顔を見合わせた。


「まあ心配しなさんな。お前は無断欠勤の謝罪会見のことだけ考えてりゃいいさ」


ははと笑った。


「その通りです。ではあなたはあちらの小さな円の中心へどうぞ」


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