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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第三章 王国編
74/113

74.宴じゃあああ!!

宴だ宴だうひょおおおおおお。


日が暮れてから鐘が鳴ったときより開始とのことなので、日が暮れるころスキップしながら城へと向かう。

城は開かれ、王国の偉いさんっぽい人々がぞくぞくと集まってきていた。

並んで門をくぐるころに丁度鐘が鳴った。早く食べたいぜ。

が、そのまま城の中へ入れるかと思ってたのに庭で止められてしまった。

どうも庭が会場らしく、庭には前に来た時には無かったテーブルが設置され、その上に料理や酒が並べられ、多くの人が食事ができるようになっている。


「うおおおおおおおおメシだあああああああああああ」


「ちょ、恥ずかしいわよ」


肉に魚に果物に。豪勢な料理が並び食べ放題。まじですか。いいの?

という思考よりも先に口にねじ込む。うまい。


「とか言いつつエルテもめっちゃ盛ってるじゃん」


「まあ、ね」


エルテが手に持つ皿を見るたびに料理が増えたり減ったりしている。取るのも食べるのも早いっすね。

俺はさすがにフルスロットルで食べ続けるのは無理なのでペースを落として食べる。うまい。


庭にいる他の人は見るからにガタイのいいやつとか勉強してますな人とか商人っぽい人とか。みんな思い思いに食べたり飲んだり談笑したりしている。


「そういえばあつしさんはどこにいるんでっしゃろ」


「お城の中じゃない? 中は中でパーティしてるみたいだし」


きっとここに並んでいるよりも、もっとゴージャスでどうやって食べるのか分からないような料理が出るんだろうな。すごいね。


まあ俺らに出来ることは庭にある料理を食べることだけだよ。

ということで胃袋の限界まで食べよう。


でっかい煮魚はスパイシーな辛さ。目の前で切ってくれる何かの丸焼きはハーブの香り。ニョッキ的なものが入ったクリームスープに胡椒が効いてるサンドイッチ。あとリンゴのサラダと牛乳で煮たバナナ。

うまいうまい。味が色々だ。うまい。


1時間ほど経ったか。

もうお腹がいっぱいなのでジュースを持って東屋に座る。

テーブルに置かれたろうそくがオシャレな光を醸しだしていた。

そしてそのシャレオツ空間で膨らんだ腹をさする貧乏人が2人。


「こんなに贅沢すること、これから先あるのかしら」


「無いだろ。だから決して忘れぬように噛みしめるぞ」


口を閉じ味を思い出す。思い出しうまい。


「なんかさもしいわね」


いいじゃないか。庶民の嗜みよ。

周りは静かで余韻に浸る余裕を与えてくれた。

胃から鼻までを満たす料理の香り。確実に食べ過ぎですわ。


「あのさ、サニルタが言ってたことなんだけど」

唐突にエルテが言いだす。

「あれって本当なのかな」


あのヘビ以上の魔物がわんさかとか言ってたやつかな?


「うーん……本当なんじゃね?」


嫌がらせで言ってやったんじゃなければ、だけど。

ま、サニルタさんはそんな嘘をつくような人……魔族じゃないし。


「でも、あのヘビがが弱いって、勇者でも勝てなかったのにあれ以上が押し寄せてきたらヤバいんじゃないのかしら」


「たしかにヤバいねー」


「ちょっとあんた軽くない?」


「だってどうもできんしー」


どうせ王国が大変になっても俺らは共和国に帰るし。

別にいいよね!


「もし王国が襲われたら、次は共和国だと思うんだけど……」


「あ、それはちょっと困る」


「でしょ。だから今のうちに考えとかないといけないじゃない」


そうだなぁ。

2人で対処法を考える。うーむ。


「いや無理じゃね?」


「うーん……」


「せめて強い魔法使いがいればな。それか超強い転移者に頼めばよくね?」


「誰よそれは」


「うーーーーーーーーーん」


あっ。


「帝国四天王がいるじゃん!」


「なんで他国の手伝いをするのよ。むしろ帝国的には王国が滅んだ方ぐらいがちょうどいいでしょ。魔物は山を超えてまで帝国には行かないでしょうし助ける理由が無いじゃない」


そんな殺伐とした発想が出来るなんてエルテは素質があるなぁ。

だがこの世界の人は転移者の心理を理解していないんじゃないか。


「いやエルテね、転移者っていうのは活躍の場があれば嬉々として参加するものなのだよ。あいつらアホっぽいしおだてりゃ乗るよ絶対に」


「本人の前では言っちゃだめよそれ」


「言うわけないじゃん。あははははー」


もれなく殺されるでしょうね。

どうせ生き返るからいいけど。


「おーい」


「ん? 誰か呼んだ?」


もう宴は終わりが近いようで、ほとんどの人は帰り東屋の周りには誰もいない。

城からも出ていく人が見える。もうお開きですな。もうちょっとしたら追い出されるかも。


ともかく声がしたのは、そばでも城からでも無いようだ。


じゃあ後ろかな?

振り返ってみると、暗闇からじんわりと浮かび上がる影。


「わぁ!」


「そんなに驚かなくても」


ふつうにミラージュさんが歩いて近づいてきていただけだった。


「なんでぇ。ていうか、来るの遅いっすね。もう料理下げられちゃってるよ」


「あー、いや、私は食べないからいいんだ」


えー。贅沢な料理を食べ損ねたのに何ともないとか僧侶か何か?

それとも中で食べてきてる!? こっそり持ち出したりしてないかな。


「2人に頼みたいことがあるんだが」


え、なんだろ改まって。


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