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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第一章 共和国編
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7.ヒロイン(笑)

都会のギルドに初訪問。

机が石じゃないか! 受付も6つもある!


まあ、とりあえずトイレ。

すっきり。


もう夕方だけどこの街の依頼具合を見てみよう。

依頼は豊富。木札に書かれて壁に貼られている。もいで受付にもっていくテンプレスタイルらしい。

夕方なのに10枚以上余っている。依頼に困ることはなさそうだな。


でも今日はとりあえず寝るところのことを聞こう。明日になったら本気出す。

しかし田舎で泊まる金額よりもさらに所持金が少ない状態で寝床はあるのだろうか。


「いらっしゃいませー」


「お金ないし寝るところもない。どうしたらいいでしょう」


「臨時宿舎として二階が解放されております」


マジすか。宿屋いらないじゃん。


「臨時なので何日もいたら厳重注意です」


甘くなかった。そりゃそうか。


「そうですか。でも今日は仕方ないので借ります」


「使用ですね。特に許可は必要ないのでご自由にどうぞ。あ、汚したら言ってくださいね」


よっしゃああああああああ! 初めて文明人らしく寝れる!!

今日は布団で一泊!


そして意気揚々と2階へ行く。

広々とした部屋にゴザとボロ布みたいなものが10組ほど並んでいた。


え……。


いや文明レベル的にふかふかお布団があるとは思ってなかったけど、こんなベラベラなものだとは……。冬寒いじゃん。

なんか冬寒い心配ばっかりしてる気がするな。


だがそんなうっすい布団の列に先客がいた。


それは銀髪以外は普通な少女だった。村人のような服に着、すぐ横には小綺麗な革のブーツと剣が置いてある。


寝床に入るときに靴は脱ぐのがこの世界の常識らしい。当たり前か。


「……」


「……」


二人っきりである。

他に人がいれば気にならないのだが、二人だけ。

こっちは興味ないのになんかガン見されてるんだけど。


まあとりあえず、俺は無視して離れたところの布団に入った。

そして袋からリンゴを取り出す。これが晩ご飯。バナナは明日の朝ご飯。


やっぱりボソボソしてるなぁ。そういう品種なのかなぁ。


ひとしきり実を食べたのだけれど。


うーん、ごみ箱がないな。

ちょっと実が残って勿体ないし、よし、芯食べたれ。

種と軸も食べたけど平気だろう。


なんかすんごい目ん玉ひん剥いて見られてるんだけど。あげないよ。

さて明日は早く起きて新しい街の依頼をこなすのだ。

おやすみー。


◆◆◆◆◆◆◆◆


朝だ朝だ。

先客はいなくなっていた。


とりあえずバナナ食べよう。皮ごと食べれるバナナだよ! まさか異世界でお目にかかろうとは。


うーん。渋いぞ。本当に皮ごと食べられるバナナだったんだろうか。

八百屋の人に嘘つかれたのではないか? もしくはこの世界では普通のバナナも皮ごと食べるのか。


ていうかなんで異世界にリンゴとバナナがあるんだよ。脳内謎追及リストにいれておこう。


さて一階に降り依頼リストを見に行く。

おー、いるわいるわ人の山。早起きだねぇ。


何にしよう。

うーむ。ゴミ拾い、どぶさらい。

お、ネズミ退治とかあるじゃん。1匹5シルバー。いいねぇ。

モンスター退治とか無理だけどネズミならいけるか?

昔、次兄が素手でネズミ捕まえていたのを思い出すなぁ。


ん? これネズミの大きさが50cmって書いてある。

なんで㎝なんだ。単位も勝手に変換されて読めちゃうのか。

いやまて、50cmってデカいぞおい。しっぽも含んだ大きさだよね? 入ってないならデカすぎでしょ!

無理だろこれ。他の依頼にする!


他はー、えーと、えっとねー。


「ちょっと」


ん?

なんか見たことある銀髪がこっち見てる。


「あんた昨日二階にいたやつでしょ」


なんで急に話しかけてくるの? 新手の恐喝かな?

しかし手持ちもないしな。ふむ。


「悪いけどリンゴはもう持ってないよ。他をあたったほうがいいよ」


「え? ……ってリンゴが欲しいんじゃないわよ!」


違うのか。の割には食べてるときガン見してきてたけど。


「うーん。つまり何?」


「二階に泊ったってことはお金ないんでしょ? 狩りするから荷物持ちしない? 報酬分けるわよ」


荷物持ち……。奴隷かな?


「手が足りなくて持って帰れないことが多いのよね」


狩りは得意なのか。


まあ、このままだとろくに金稼げないし、荷物持ちでもなんでもいいからするべきか。

適応能力の高さが俺の長所の一つ。


というか俺は狩りできないから荷物持ちって数少ない出来ることの一つじゃん。

全然悪くない提案だ。


「じゃあそうするよ」


そういうことになった。


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