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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
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60.さらば帝都

次回投稿は1/5(日)です。よいお年を!

翌日、サピちゃんがいないので、3人で宿でご飯を食べて終え休んでいると、エルテがカウンターに置いてあった紙を持ってきた。


「ねえこの新聞なんだけど」


この世界も新聞とかあるのか。紙って貴重じゃないのかな。

見てみるとちょっと茶色っぽい紙で、活版印刷っぽいかすれたインクで号外と印字されている。もちろん知らない文字だけど読めちゃう。


新聞の見出しには『珍事件 変態逮捕も四天王』とある。


「『羊の獣人に抱き着く変態がいるとの通報を受け憲兵が向かうと、犯人はなんと行方不明となっていた四天王の一人、青竜だった』だって」


「ついに捕まったか。それにしても帝国の偉いさんの決め方ってどうなってんだ。あんな変人が四天王なんて」


やれやれ。しかしこれで帝国に真の平和が訪れるな。

全くもって不届き物にはほとほと呆れる。


「で、サピはいつ来るんだ?」


そわそわしながらローダーが言う。なんか面白い。


「さあ。また明日って言ってたけどいつかまでは言って無かったなぁ」


なんかみんな約束するのに時間と場所を指定しないのは何なの。ルーズなのかしら。


「ヒマだし宿の周りでも散歩する?」


◆◆◆◆◆◆◆◆


帝都の街をぶらぶらする。まだ日は低い位置にある朝。肌寒い。

宿の周りにはパン屋があるみたいで香ばしい匂いがする。ピロシキ食べたい。そういえばこの世界で天ぷら見たことない。油がもったいないのかな?


「朝から人が多いわね」


エルテの言う通り人通りは多い。鎧やらローブやら鎧の上にローブやら来ている人が沢山歩いている。どうみても性能より見た目重視ですね。余裕があってええこってす。


「あ、あれってたしか四天王の朱雀だぞ。ほら、赤い髪のやつ」


ローダーが失礼にも指をさしている方向を見ると、赤い短髪でタンクトップに半ズボンという薄着の筋肉モリモリマッチョマンがいる。

あれが朱雀なの? 朱雀って女のイメージだったのにおっさんじゃん。なんか残念じゃん。

特に何もなくそのまま去っていく朱雀。


「四天王全部見ちまったな。すごいな」


「その辺の人レベルでいるのはどうなんだ」


「私は白虎みてないけど」


思い返せば四天王の半分が変人だったな。いや、玄武と朱雀も話してないから確認できていないだけで、あの二人も本当は変人なのかもしれない。


さらにうろついていると向こうの方に人混みがある。


「なんだろうね」


すんごい野次馬が集まってる。

人をかき分け自身も野次馬と化すとそれは見えた。


中心にいたのはズタケのおっさんとサピちゃんだった。


「あれ? 目立つの嫌なんじゃなかったんすか?」


「いやー、これ付けて目立たないのは無理だぞ。まあ、それにな」

両腕を上げて力こぶを見せるようなポーズをする。義手だから力こぶは出ない。

「こんなに身体を動かすのが楽しいとは知らなかった。歩かずにはいられないんだよ」


めっちゃ目立っとるぞ。みんな見てるぞ。脚はズボンで隠れてるけど腕はもろ出てるから。これはこのおっちゃんも新聞になりますな。


「せっかくだから仕事は辞めて色んな所へ行ってみることにするよ。どうせ左遷みたいなもんだったから堂々と逃げちまうさ」


満面の笑みで言う。堂々とし過ぎだね。


「私もズタケ様と一緒に旅しますのでここでお別れです」


えっ、そうなんだ。めっちゃ突然やん。


「えええええええ!? マジかよ……。また会えるよな?」


ローダーは分かりやすくショックを受けている。しかしサピちゃんは別に何とも思ってないみたいだ。なんか面白い。


「いつでも会えますよ。旅をしていれば共和国にも行きますし。それでは私たちはこれで」


そういうと人混みを横目に連れ立ち去っていく。


「ちくしょう……あんなに肩を抱き合って……」


義足に慣れてないから支えてるだけじゃないの?

まあローダーが傷つこうがどうでもいいか。


「残念だったなローダー」


言うなり無言ですねを蹴られた。痛い。


いやーそれにしてもやっとこさ全てが終わった。これで俺は自由なんだ。多分。


「じゃあ私たちも行きましょうか」


「あれ? もう街出るの? そういえば核融合」


「そうだな! 祖国に戻って頑張って依頼して偉くなってやるんだちくしょう!」


「核融合……」


こうして能力の差を見せつけられるだけの帝国旅行は終わったのであった。


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