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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
59/113

59.完全体

「来たか。じゃあ荷物を持ってくれ」


研究所の工学部に着くと、中に入るまでも無く外に荷物が広げられていた。横には半端に物が乗った台車。

荷物の量は尋常ではなく、人一人分は優に超える。


「義肢以外の物が多くないっすか!?」


「施術道具が義肢より少ないと思っとるんかい。大量なのは当たり前やろがい。嫌なら本人を連れて来んかい」


「足が悪いので無理ですよ」


「いや、分かっとるよ。じゃあ行くか」


荷物をすべて乗せ終えたらしく、クルスダが敷地を出ていく。あれ? これ俺が引くのかな?

サピちゃんが道案内しようと出ていきかけたけど、ちょっと待って。気になることを確認したい。


「ねぇ、そういえば目隠しとか口止めとかしなくていいの?」


「あの方に対してそういう行為が意味があるとは思えないので……」


そうか。じゃあバラされないか賭けるのか?


「最終的に金積んどけば言うこと聞くと思いますね」


「わぁ」


「最悪物理的に口止めを」


「やめて」


怖いから話を切り上げて台車を引いて出発するよ。


◆◆◆◆◆◆◆◆


「君が技術者のクルスダ君か。頼むよ」


「そうです。よろしくお願いしゃーす」


通された部屋は広めでベッドが置いてある。どんどん荷物を入れ準備する。

ズタケのおっさんは横になり、そのそばに道具を使いやすいよう並べる。


てきぱきと器具を付けていくクルスダ。想像よりずっと手早い。ちゃんと本物の研究者だったのか。

俺とサピちゃんはクルスダの横に立ち道具を渡したり片付けたりしてサポートをする。

すると10分も経たずに施術は終わった。


「後は魔力の流れの調整をして……さあ終わったぞ。動かしてみろ」


言うが早いかズタケは右腕を動かす。


「おお、すごいじゃないかこの義手は。指も滑らかに動くし駆動音もうるさく無い」


何度も動かし具合を確かめる。

満足したのか今度は脚を動かす。足首とひざ下を動かし確認してからベッドから足を降ろす。


ガシャンと重い音がした後、鈴がチリンチリンと鳴った。


「…………」


立てたことに感動したのか声も出ていないぞ。よかったな。


「おい」


「どうしました?」


「どうしましたじゃねーよボケっ!! なんだこの義足は!! 何がついてんだよこれは!! まるで神楽鈴みたいじゃねーか!!」


なに!?


「神楽鈴ってどんなのだっけ」


「いやそこは問題じゃねーよ! とにかく太ももにこんなの付いてたらうるさくてまともに生活が出来んわ!!」


何だよ急に怒って。

クルスダも面倒くさそうにしているが、道具を手に取った。


「もー、うるさいなら鈴を取りまっしょ。機能上問題ないし」


「問題ないならなんで鈴つけたんだよ!?」


「いやー、そのほうが楽しい感じじゃん」


「利便性はどうなるんだよ!」


叫ぶズタケを横目にクルスダは道具を持ったまま器用に肩をすくめた。


「文句が多いですなぁ」


「ほんとっすねー」


「お前ら……」


鈴を外し普通の見た目にする。ゴーレムという名にしては岩っぽくないね。普通の機械に近いとけど関節部分は革で覆っているから変なサポーターしているみたい。


「大分いいわ。だが思った通りに動かないことがあるな」


「そりゃいきなり両脚片腕をゴーレム化したら難しいだろうよ。立てちゃうのがすごいぜ」


と言いつつメモを取るクルスダ。あれ? これ実験台にしてない? たくましいな。


「まあ俺は天才だからな。あらかじめ聞いていた体重から義肢の重さも調整したしおっさんだと聞いていたからコントロール装置も目立ちにくいものにしたしあとは保守用に魔石がいるから定期的に魔石を用意して工学棟に来てくれよもちろんお金も用意してくれよなできれば感謝料としてちょっと多めに」


「よしよし、これで移動が楽になるし二倍行動できるな」


跳ね始めるおっさん。合わせて揺れる床。ダブルで大丈夫か!


「ところでズタケ様、どう始末しましょうか」


なにを始末するんですかね。怖い。


「ん? ああ。今まで特に動きは無かったんだろ? こっちも無かったからとりあえず放置でいいぞ」


「そうですか……分かりました。では」

とこちらに向き直る。

「私はズタケ様とおりますので、二人にはそう伝えておいて下さい。ではまた明日」


間一髪危機を回避!

良かったー。


「じゃあ俺の研究を手伝ってくれるかな?」


良くなかったー。

そのまま流れで工学部に拉致されたっぷり3時間ほど話をし、ギルドへと帰った。


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