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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
51/113

51.情報収集だ

帝国研究所とやらに向かう。場所は詳しく聞いたからバッチリ。

道行く人々の姿はゴテゴテか小綺麗の二択。


すごいねー。俺もオシャレしたいけど、すぐ死んでダメにするしやっぱいいかな。

でも金持ちになって平和に暮らせるようになったら服欲しいな。そして豪邸に執事とメイドさんとペットいっぱいで……。


「あ、あれ勇者のあつしさんじゃない?」


エルテの声で妄想が中断された。

一体なんだ。あつしさんがどうとか言ってたけど。


「あ、本当だ。あつしさーん。おひさー」


人混みの間に歩いていたあつしさんに呼びかけると、こっちに気づいて振り向いた。


「って、ヘリックスさんか。相も変わらずフレンドリーだね。それにあのとき一緒にいたエルテさんも」


あ、覚えてくれてるんだ。共和国で会ったの半年くらい前なのに。

勇者っていろんな人に会うし人を覚える術を持っているのかな。すごいな。


じわじわ道の端まで寄ってから話す。


「君たちどうして帝都まで来たの?」


「元々は観光しに来たんですよ。そしたら」


「知り合いが義肢を探してるってんで探してるんす。指も動くやつ」


へぇと感嘆してからあつしさんは続けた。


「なかなか大変そうだねぇ。でもそれって義肢じゃないとダメなの? 移植ではいけないの?」


「移植?」


どういうこと?


「えーっと、他人の手足を貰ってつなげるってことだけど……」


はああああ!?


「なんじゃそりゃ! 野蛮! どんな世界から来たんすか!? っべーよ!」


「ええ……?」


培養したものならまだしも他人の手足つなげるとかどうかしてるぜ!

きっとマッドサイエンティストが跋扈している世界から来たんだろうな。勇者とか急になっちゃっても平然としているなんてそういうことに違いない。


だがエルテはなんとも思っていないようだった。


「輸血でも死ぬことがあるって聞きますけど、そんなの大丈夫なんですか?」


ふーん。この世界でも輸血ぐらいはあるのか。でもせっかく魔法があるんだから回復魔法で治せばよくない? まだ見たことないけどあるよね?


あつしさんは分かりやすい言葉を選んでいるのか考えてから言った。


「相性が合わないと拒絶反応が出て最悪死ぬこともあるみたい。でも普通はいきなり移植とはいかずに、相性を確認するよ」


「いや、移植は却下! とにかく却下!」


とにかく無し! 

だってそのためには生きてる人間か新鮮な死体の手足をもぐってことだし。やばいよ。


「じゃあ相性が良かったらヘリックスの手足使えばいいってことね」


「……」


「……」


「え?」


え? なに? エルテの思考がサイコじゃない?


「ちょ待てよ。やばいでしょ。なにその……え? というか俺の身体、よく分かんない不死身だから他人にくっつけたりしたら相性平気でもとんでもないことになりそう」


「そうね。言ってみたけど、つないだ腕から本体生えてきたりしそうだもんね」


「流石にそれは無いんじゃないかな……」


なったら怖すぎ。プラナリアじゃないんだから。

あつしさんと一緒にドン引きした後、あつしさんは自然に話題を変えようとする。


「あー、まあ、移植は止めとくにしても、とにかく動く義肢っていうのがよく分かんないんだよね。僕のいた世界にはそこまですごい義手は無かったし。義足もアスリート用か棒状のばっかりだったし」


なんでぇ。知らんのか。全然ダメじゃん。

役に立たねぇな。


「あんた顔に出てるわよ」


「しまったついうっかり」


「いや、別にいいけど……」


流石勇者。寛大だなー。

ふとエルテが思い出したように言う。


「そういえば暁の夜明け団とかいうのが勇者と協力してるって言ってた気がするんですけど。彼らは色々知ってたりしないんですか?」


氷で逃げたおまぬけ集団のことだな。あれ吹かしじゃないの?


「あー、そんなのいたなぁ。だいぶ前に2、3回は会ってみたけど情報持ってないことが分かったからそれっきりだよ。だからあれらに期待するのはやめといたほうがいいと思うよ」


あっさり捨ててるのちょっと笑う。

まあ見るからにポンコツそうな集団だったしな。


だがまた疑問が湧いてくる。


「あつしさんは何の情報が欲しくてあいつらに接触したん?」


「え? 接触したというか絡まれたというか……。とにかく僕は元の世界に戻りたかったから、転移者の軍団なら何か分かるかと思って話をしてみたんだよ。そしたら何も知らなかったし調べようともしてなかったんだ。残念ながら」


「あ、そうなんだ。ミラージュさんも元の世界に戻る方法とか言ってたなー」


「ミラージュが? いつ? どこで会った?」


急にめっちゃ食いついてきた! なんだ!?


「お、おう……。水の街で5日ほど前かな」


「そうなんだ」


あつしさんは言いながら辺りを見回し始めた。なんだなんだ。


「おーいミラージュー! いるんなら出てこーい!」


なんか叫びだした!

道行く人がちらちら見てくる。


「ちょ、ちょっと! どうしたんすか!」


「あ、うん。近くにいるかなーって思って。いないっぽいから、もし見かけたら探してたって言ってくれる?」


「ええ……? はい」


「僕は他のことして待ってみるよ。じゃあまたね」


と言いあつしさんは足早に去って行った。

な、なんなんだ一体。


「何かよく分かんないけど、とりあえず研究所に行かない?」


「うー、んむ」


まあいいや。謎は置いといて研究所行くか。


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