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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
48/113

48.帝都って感じの街

馬車で二日ほど揺られ、帝国に入るための行列へとたどり着いた。

長い。なんだこの行列は!?


なんで渋滞しているのかとおもったら検問になっていた。

帝都は堅牢な塀に囲まれ、入り口には何人も兵が立っている。怖い。

搭乗者も全員証明書がいるらしく、冒険者ギルドの組合証を見せたら入れてくれた。


馬車を降りついに帝都へ到着。

すっごいでっかい。3階建てと建物とか塔とかあるぞ。ほとんどの建物が旗とか謎の金属板とかで装飾されてるし、植物もあるし、屋台もあるし。


そして道行く人に混じって鎧を着こんだ人がたくさん歩いてる。

兵士かと思ったら帝国の冒険者っぽい。重装備ばっかりだ。ガチムチしかいないの?

こりゃあ討伐系の依頼は余ってなさそうだな。エルテが残念がるだろう。


さて、どこから見たらいいかなー。まずはギルドかな。


「ねえ、ちょっと」


ん?


って、エルテの顔がめっちゃ青くなっとる!


「めちゃくちゃお腹痛いから、もう宿屋に行っていい?」


いいに決まっているぞ!


さっさと近い宿に入り、男女に分けて二部屋をとった。

そしてエルテは用を済ますとすぐに寝込んだ。


「めっちゃ気持ち悪い。みんなは何ともないの?」


「俺もちょっと腹ゆるいけど、そこまででもない」


「うーん、水浴びがいけなかったんですかね?」


外国の水飲んだらお腹壊すっていうし、それか。サピちゃんは地元だから平気なのか。

もちろん俺はなんともないぜ! 不死身だと病気もしない。得した。


宿の人に温かいご飯を頼んだら麦のスープをくれたので、女性陣の部屋で食事をした。


「んじゃー私は寝てるから、せっかくだからみんなは観光してきたら?」


「あー、俺も休むわ。歩き回るほどの元気は無いから」


エルテとローダーは宿に残り、俺とサピちゃんは街に行くことにした。


◆◆◆◆◆◆◆◆


街に出るも、二人だけで観光っていうのもな。うーん。


「お二人とも大丈夫ですかねー。変な病気じゃないといいですけど」


「冷えてお腹壊しただけだろうし大丈夫じゃね?」


脳筋とアホだし大丈夫だろ。


サピちゃんは唸って悩む。


「あ、そうだ。せっかくなので薬を買いにいきましょう。知り合いがやってる薬屋さんがあるんですよ」


なんてやさしい。

腹下しなんぞ半日出せば治るだろうけど、地味に苦しいし早く治してあげたいんだね。おいしいものも味が分かりにくくなるし。

ほんとやさしい。


というわけでサピちゃんと一緒に帝都の街並みを歩く。


他の街より建物も人も小綺麗だしゴミも落ちてない。

やっぱ首都だけあって豊かだね。


待てよ。豊かってことはメシも美味いってことだな。こりゃあ楽しみだなぁ。

急いで共和国に戻る理由もないし、金の限り滞在して、たっぷりと満喫したいなぁ。

あ、あと役に立つものを漁るのも忘れないようにしないと。


なんて考えながらサピちゃんに着いて行くと、なぜか路地裏へと入っていく。


「あれ? こっちで合ってる?」


「合ってますよ。知り合いの店なので安心してください」


そっか。マニアックな薬とか置いてる系のお店なのかな。


路地裏だけど、まあ、そんなに治安は悪そうではない。時たま地元民っぽい人が歩いてるだけ。


「急に四天王が出て来たり、お二人が体調崩したり、想定外のことが多かったけどやっとここまで来れました」


ん?

なぜ薬屋に行くくらいでそんな大層なことを言い出すの?

唐突に今までの旅路を思い出してるのかなぁ。そんなすごいことあったっけ。いやない。

サピちゃん的にはあったのかもしれない。いや、ないよな。


奥に進むと木造住宅が並んだ一画に着いた。ちょっと壊れてたり汚れてたり雑草が生えてたりする。

その内の一軒が目的地だったみたい。平屋で庭は手入れされていない。伸びた草が建物を侵食している。

隠れ家的お店ってやつなの? 完全に一般家庭に見えるけど。


「お邪魔しますーん」


引き戸を開け入るが人気が無い。入ってすぐの玄関は、土間と薄いラグが敷いてある板間があるだけで何もない。サピちゃんが靴のまま進むから、俺も土足のまま上がる。

左手と奥に廊下が続いているけど暗くて見えなくて、すぐ右手には入口の開いている小部屋がある。


「なんかお店っぽくないね」


「頼んだら出してくれるんですよ。ご主人呼んで来るんでそこの部屋でちょっと待っててくださいねー」


と言うとサピちゃんは行き、小部屋に一人置いて行かれてしまった。


小部屋にはテーブルとイスと、元の世界ならアンティーク家具と呼ばれるであろう、ちょっと古い木製家具がたくさんあった。

そして棚の上にちっちゃい振り子時計がある。そういえば時計って初めて見たな。12時間表記だ。この世界も1日24時間なのかな。あんまり気にならなかったから、24時間に近いとは思うんだけど。


調度品を一つ一つ眺めて時間を潰していると、部屋の外からガラガラ音がしてきた。台車に薬を積んで押してるのかな?


サピちゃんが入って、続けて車輪が入ってきた。でも荷車じゃない感じだぞ。なんだ?


「こちらです」


そして入ってきたのは、車椅子に乗った左手以外の手足がない髭の生えたおっさんだった。


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