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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
45/113

45.なんとか団って時代を感じる

一夜明けて。


買い物は終わった。観光もした。

この街とはおさらば。

次はサピちゃんの故郷だな。


「で、サピん村はどうやって行くんだ?」


「えっと、けっこう大きな街なので普通に馬車が出てると思います」と馬屋のほうを指さして言った。「あ、でも私は徒歩でしか移動したことないんで無いかもしれないけど」


うーむ、獣人の街……。夢が広がりますな!

きっともっふもふまみれなんだな。うへへ。


というわけで馬屋へ向かうぞ。街に来た時とは違って南にある馬屋へ行く。水に囲まれながらも何か所も外に通じる道はあるみたいだ。

街への出入りが便利なのはいいけど防衛面とかどうなってんだろうね。外壁とかないし。帝国のど真ん中の街だし問題無いのかな?


けっこう離れている南の馬屋へと向かっていると噴水がある広場に着く。川まみれなのに噴水もあるとか水の過剰摂取だよ。

そして人が多すぎる。

通りにくいんだけど。


混んでいる中心は噴水で、噴水の縁に人が立って喚いていた。10人くらい。


「なんだこれ。何かしてんのか?」


ただの観光客の集まりじゃないみたいだ。なんだろう。

その辺の一般人に聞いてみよう。


「いったい何が起こってるんですかえ?」


「あー、転移者の集まりが何かしようとしてるらしい。どうでもいいけど」


ふーん。めっちゃ無関心やん。

通れないし何言ってるか聞いてみますか。


「なので我々が先導し人々を導くのだ!」


「うおおおおおおおおおおおおおおお!」


「我らこそ天から遣われし選ばれたもの!」


「うおおおおおおおおおおおおおおお!」


「そして世界を支配し頂点に立つのだ!」


「うおおおおおおおおおおおおおおお!」


真ん中にいる人が叫ぶと取り巻きが歓声を上げる。

なんだこれ。中二病披露会?

若くないどころか中年入ってるっぽい人もいるし、こっちが恥ずかしくなっちゃう。


しかし取り巻き以外は本当に無関心っすね。噴水の周りにいる一般人たちは邪魔だーとか野次ってるだけ。

こんな団体がいて生活に影響はないんですかね。まじで邪魔なだけなんかな。さらに悲しい感じになっちゃう。


「異世界人の集まりって、お前もしかして知ってた?」


「いや全く」


役に立ちそうな人しか勧誘しないんじゃない? HAHAHA。

んなことはどうでもいいけど道開けてくれないかな。迂回するしかないのかな。


すると違う道からぞろぞろと衛兵とみられる軍団がやってきた。剣呑な雰囲気。


「お前たち進路妨害だぞ。すぐに解散しなさい」


「帝国軍がなんだー! 俺たちにおんぶにだっこのくせして偉そうなことを言うなー!」


「そうだー! そうだー!」


「俺たちこそがお前らを従えているんだー!」


「ここはお前らの国じゃない。国の法に従いなさい」


アホみたいなやりとり。


しかしこのままだとデモ隊と警察の衝突みたいなことになっちゃうかな。少人数だしアホだからならないかな。いやでもあいつら転移者の集団だし、逆上して能力使ったら大変なことになる可能性もある。


「巻き込まれないうちに去った方が良くないか?」


ローダーにしては鋭い意見だ。

さっさととんずらしようそうしよう。遠回りになってもこの場を離れよう。


しかし道はふさがっていた。後ろもいつのまにか人が詰まっていのだ。

野次馬が多すぎなんだよ。俺らも野次馬みたいなもんだけど。

どうしたらいいんだこれ。


「いい加減にしたらどうだ」


なんか新手だ! 軍人の奥から眼鏡をかけた成人男性が前へ出てきた。

落ち着いた雰囲気で派手ではない清潔な服装、黒髪で真面目そうな人だ。

その人が近づくと集団はたじろいだ。

すごい人なのかしら。


「これはこれは帝国四天王の玄武様ですか。わざわざお出ましとはよほど我らが恐ろしいと思われる」


あれが玄武さんか。白虎(笑)が仕事を押し付けてた人だな。苦労してそう。


それにしても夜明け団とかいう集団。声が震えてますよ。あちこちからくすくす聞こえてきた。ちょっと憐れになってきたぞ!


「今すぐ解散することだな。帝国がどんな国か知らん新参者なら教えるが、帝国は反乱者に優しくはない」


「大きな顔をしていられるのも今のうちだぞ! 俺たちには勇者がついているんだからな!」


「……愚かしい」


ひょうと冷たい風が吹いた。と同時。


「うわああああああぁぁぁぁ!!」


一瞬で広場は氷に包まれてしまった。

変人も野次馬も、集まっていた人たちは蜘蛛の子を散らすように去った。


なんて情けない、とは言えない。見える範囲が全て凍っているんだから。

これがマジの四天王パワーなのか。なんてこった。

お遊びで魔法ぶっぱしてる白虎(笑)とは違いますな。


「すげぇ」


3人はどこにいるのかと思ったら俺の後ろに並んで隠れている。盾にしたね? 俺の顔面は冷え冷えだよ。


その辺にまばらに残っていた人々は起き上がって拍手を始めた。

すっごい威力だったのに氷漬けになった人はいないみたいだ。超強力かつ制御も完璧とはすごい。そして広場を包んだ氷は消えていっている。溶けるんじゃなくて消滅していく感じ。魔法だからかな。便利ね。


玄武さんは白くなった眼鏡を外して拭いている。眼鏡のフレームは木製だ。金属だったら大変だったね。

ん? 玄武さんも服に北って書いてある。北軍とかそんな感じなのかな? でも四天王ならそれぞれが軍になってそうだけど。実は白虎(笑)は玄武さんの部下だった?


「なぜまだここにいる?」


うわ、なんかこっち見られた。逃げよ。


「いやぁすぐに行きますわ。さすが四天王様、へへへ」


「どういうキャラだよ」


後ろで青いのがうるさいけどどうでもいい。去るぞ。

こんな騒動は俺たちには関係ないんだ。

馬屋にさっさと行こう。


<゜)))彡 魚おおおおおおおおお!

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