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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
41/113

41.流れ落ちる葉のごとく

つば広帽子を被り一人で立っている人。変な人ね。

すると急に振り向いた。


「どこに行っても川があるんだ。すごい街だよな」


いきなり当たり前みたいに話しかけてきた。なんだこの人!?


「って、ミラージュさんやん」


「やあ不死身のヘリックスくん」


なんでこんなところにいるんだ。

それにのんきに言ってるところを見るとミラージュさんは迷子じゃないな。

じゃあなんだろ。黄昏てたのかな?


「こういう街ってどの世界でもあるのかな?」笑いつつ続ける「私のいた世界にもあったけど観光地になってたなー。さすがに魔法はないけど」


なんじゃその感想。

とはいえ欧州にもこういう街あった気がする。どこだっけ。


この街には運河と生活用水とただの川と、大小様々な川が街中に張り巡らされているみたいだ。ボートで移動とかできる場所もあるんだろうな。

というか目の前にある川がそれかな? 川幅広いし。


「橋は混んでるし落ちないように気を付けないとなー」


いやー、落ちるマヌケなんていないだろ。

手すりは無いけど落ちる人がいないから手すりつけてないんだろうし。


「んで、何してるんだい?」


それはこっちのセリフだけどなぁ。


「迷子になったんす。ギルドどこにあるか知りません?」


「あー、冒険者ギルドねー。この街のは行って無いから分からないなー」


分からんのかい。がっかり。

じゃあまた誰かに聞くかね。


周りを確認しつつ川の向かいを眺めていると後ろからバサバサ音が迫ってきた。


「うおっ、なんだ」


何かと見送ったらハトっぽい鳥の群れだった。俺の近く通らなくてもいいだろおい。

ちょっとびっくりしちゃっただろ!


「ん?」


なんか既視感がある浮遊感。

そしてすぐに打ち付けられる感覚。あ、冷たい。


なにこれ?


「って、川に落ちてるー!?」


慌ててバタつくも結構川の流れが速い。しかも足吊ったし!

思っていたより流れが速くてみるみるうちに元居た場所から離れていく。


ぎゃああああああ!! 流されるー!!


「おーい、大丈夫かー」


「うばば! 並走してないで助けて!!」


「いや、私泳げないから」


なんでじゃ。じゃあなんで並走してるんじゃ。そうするなら泳げる人呼んでくれ。


「だれかあいつ助けてくれない?」


走りながら辺りに呼びかけるミラージュさん。やった!

人々がこちらを見ながら口を開く。


「いや無理」「追いつけるわけないでしょ」「なんで落ちてんのあいつ」


ダメだった。助けてくれる人はいないようだ。


「よーし、仕方ないし先回りしてロープでも投げるわ」


言うなりめちゃくちゃ加速して消えていった。はや。

でもそのロープとやらを準備した場所に着くまでに沈みそうよ。腕疲れた。


って、前方に柵があるじゃないか!

ゴミがいっぱい引っ掛かっている。俺もひっかかるね。やったね。助かった。


「ぐべ!?」


突っ込んだ勢いでゴミと絡まって身動きが取れない!?

顔にもいっぱいくっ付いて息も出来ない!!


もがいてもゴミは取れないし上下も分からない。

だんだん苦しくなって意識が遠のいていく。


も、もうだめだ。

あとで引きあげて……。


◆◆◆◆◆◆◆◆


気が付くと重力を感じる。陸の上だ! よかったー。

しかし目の前にはトカゲの口が広がっていた。


「ぎゃああああああ!? 食われるうううううう!?」


「失敬な」


うわ人の言葉をしゃべった。

あ、トカゲ人間か。


「しかし無事で良かった。……無事なのだよな?」


「あい」


助けてくれたのはこのトカゲの人なのか。ていうか前に会ったことあるトカゲの人かな? トカゲ人間の区別とかつかないけど。


「助けるより先に溺れるとはね。君じゃなければ終わってたな」


ミラージュさんもいた。

そこは間に合ってほしかった。溺れるのは結構きつかった。もう溺れたくないな。


「我はデリトワイス。どちらかというとワニだがよくトカゲと言われる」


トカゲ人間じゃなくてワニ人間だったのか。だから泳いで助けてくれたってわけか。めっちゃ良いワニやん。


こっちも自己紹介して助けてくれたお礼を言う。ありがとん。


「では宿に戻りまする」


去ろうとするワニさん。

あ。


「ちょっとお待ちなすって! ギルドの場所知りません!?」


ここで聞かねば野宿ですよ。

一人なら別にいいんだけど仲間がいるのに野宿とか流石に悲しすぎるんだよな。


「むう。行ったことはあるのだが、ここからの道は定かではないな。宿の位置なら分かるのだが」


分からないか。でも宿があるならひとまずそこに行くか。


というわけでワニさんの宿に行くことにした。宿の人なら地元民だろうし分かるだろう。


ところでなんでミラージュさんも付いて来てるんですかね?

そして平然と会話を始めちゃう。


「デリーの世界はデリーみたいな人間が主流なのか? 他の姿のヒトもいるのか?」


「んむ、我ら竜人はテラの二大種族の一つだ」


そうなんだ。そこまで興味は無いけど。

逆に他の種族の人がホモサピエンスがどうの言われて興味あるのかな? 俺なら興味ないっすわ。

もふもふふわふわの獣人なら興味あるしもっと会いたい。


「で、不死身のヘリックスくんは何で一人でいるんだ?」


あれ? 聞かれてなかったっけ? まあ何でもいいか。


「強盗追いかけてたら迷子になったんす」


「ほう、強盗がいるのか。我らも気をつけねばな」


そんなこんな話しながらまだらに街灯がある夜道を歩いていたら宿に着く。なんか武骨。安くて寝心地も悪そうな宿だなぁ。俺は泊まるわけじゃないけど。


とにかく入ろう。


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