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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
39/113

39.嵐は過ぎ去った

ダンジョン攻略(笑)のおかげで懐は潤った。


しかしエルテとレツコさんが意気投合をしてしまった!

あれに行きたいだのこれがいいだの言っている。

やばい。これはやばい。


だが今日は馬車が来るんだ。すぐに別れられるから大丈夫だよな?

町に着いたばかりの御者のおっさんに、いつ出発するか聞いてみた。


「物を捌いたり仕入れたりするので2日はここに留まるからな。出発は明後日だぞ」


ば、馬鹿な……。


売買する時間が必要なんだから当たり前と言えば当たり前なんだけど。

しかしこのままではまずい。


◆◆◆◆◆◆◆◆


今日はフリーなので冒険に行くことになった。


「だったら今日は山で魔獣狩ろうや!」


「いいね!」


レツコさんとエルテがのりのりで山に向かい俺たちも着いて行く。一日中山を駆けずり回り日が傾いたころ町に帰る。俺たちは疲労困憊。



翌日。


「今日はあっちの洞窟で魔獣狩ろうや!」


「いいね!」


レツコさんとエルテがのりのりで洞窟に向かい俺たちも着いて行く。一日中暗闇を舐めまわし日が傾いたころ町に帰る。俺たちは疲労困憊。


「し、死ぬ……」


「お前はいつも死んでるだろ……」


「精神が死ぬ」


このままでは危険が危ない! 戦闘狂が二人いては身体が持たぬ。



だが終わりは突然訪れた。町に帰るなり表れた。

いや、実際は忘れていただけなんだが今日は馬車が出発する日だったのだ。


「お前たち、今日ナナットに向けて出るが乗らないのか?」


御者のおっさん……! 後光(夕日)の射したおっさんの神々しさ。

おっさんが救世主に見える事象など、ほとんどの人間には起こり得ないであろう。

だが見えたのだ。そしてなんかの神に感謝した。なんか分かんないけど感謝。


と、いうわけで別れの挨拶をする。わーい。

なんかいつのまにやら町の人が集まってちょっとした見世物になってる。


「あたしらはもうちょっとこの町で遊んでいくわー」


「また一緒に冒険しようねー」


別れのハグをする二人。

か、感動だなー。


「お前ら出ていくのか?」


ん? 遠巻きに眺めてたおっさん。どっかで見たことある気がする。


「はい、立派な剣を売って下さりありがとうございました!」


あ、武器屋のおっさんだったのか。


「いや、感謝するのは俺たちのほうだからな。廃鉱の魔獣を片付けてたんだろ? 町中が感謝してるからな」


「あなたの剣のおかけですよ。すごい切れ味です!」


町のみんなはウンウン頷くわ拍手が聞こえるわ、謎の空間となった。

他の人も近寄ってきてわいわいしだした。


「あんたも倒してくれたんだろ? 異世界人のくせにいいことするじゃねーか」


「やー、せっかくだし冒険者だしモンスターと戦うのが楽しいってもんで」


レツコさんにも話しかけだした。

やれ冒険者様だのやれ異世界人を見直しただの言いまくる。

なんだこれ。


「俺は? 俺に感謝は無いの?」


「お前は活躍してないだろ」


ひどくね?

転移者は差別される町じゃないの? レツコさんも転移者だぞ。

なんで俺は感謝されないの? ひどひどじゃね?


「いっしょに頑張って強くなりましょうね」


「サピちゃん……」


サピちゃんだけが癒しだぁ。


◆◆◆◆◆◆◆◆


そして出発した馬車。


食べ物を積んでいたらしい行きとは違い、金物を積んでいるせいでガチャガチャうるさい。

しかし重いからかあまり量を積んでいないので幌の中は広々としていた。


「やっと解放された……」


足を延ばして背伸びをする。

タイミングよく馬車が石を踏み衝撃が来た。ぐえ。のどが痛い。


「べ、別に悪い人たちでは無かったんですけどね?」


分かってはいるんだ。ただ騒がしすぎただけなんだ。

幌の中、いつものメンバーでいつもの日常に戻れたと思うとなんだか安心するよ。


馬車が進むたび、がっちゃんがっちゃんうるさいな。

音を聞いていたら唐突に閃いた!


「手遅れだけど、あの町でなんか仕入れて行く先で売ったら儲けれたんじゃね?」


転売屋である。ぐへへ。


「信用無いやつに卸価格で売るわけないだろ」


「買ってもくれないわよね」


一刀両断。夢潰える。

まあなんだかんだモンスター狩りまくって稼げたから当面の旅費はあるのよね。対価は精神力。


「で、ナナットに戻ったら次は魔法の街に行くのよね?」


「ああ、水の街スルネインだ」


魔法と水の街だっけ。きっと綺麗なところなんだろう。楽しみだなぁ。


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