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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
38/113

38.スピード解決

馬車が来るまで動物を狩ったり採集をしたりして時間をつぶす我々。

冒険者って何だよ。


そして明日はついに馬車が来る日。

今日も町の周りの探索をして時間をつぶそう。


俺たちは植物を漁るが、エルテは動物か魔獣を探している。いわく「動物狩ったら食費が浮くし素材売って稼げる」とのこと。

何かを斬りたいだけだろ、とは誰もつっこまなかった。


目を皿にして草の根を分ける俺とサピちゃんとローダー。薬になる草の根を探しているんだ。まさに草の根を分ける。上手いこと言った感。


エルテは木々の隙間を覗いている。見えるの?


すると街道から物音が響いてきた。

こんな田舎になんだ?

見てみると馬に乗って駆けてくる二人組がいた。


「あれー? きみら行きしに一緒になった人らじゃん」


お? って、熊手姉ちゃんだ! 背中重そう。

一体こんなところに何の用なんだ。


「どうしたんですか、こんなところに来て」


「いやー、この子が槍欲しい言うけど、馬車はしばらく来んらしいし馬借りてきたんよ」


一緒の馬に乗っている女性を指して言う熊手姉ちゃん。


お金あるんだな……。

俺たちも……、いや、これ以上は悲しいから考えないでおこう。


「で、町は近いってことかい?」


「はい、すぐそこですよ」


「おー、せっかくだし案内してくれんか?」


え。めっちゃぐいぐい来るやんこの人。顔見知りは友達ぐらいの勢いじゃん。ひえー。

そして圧力に負け町まで同行する我々。よわい。


「自己紹介してなかったよねー。私はレツコ。こっちの子はフモ。きみらは?」


町へ向かいながら各々自己紹介をする。

熊手姉ちゃんの横にいる女性は現地人らしい。この人についていけるならこの子も要注意だな。


町に着くなり冒険者だしまずはギルドに行くというのでギルドに連れて行く。

ギルドに着くと依頼の掲示板を見る姉ちゃんたち。


「なんこれ。魔獣のいる廃鉱って、つまりダンジョン?」


「そうだよ」


「おー、いいじゃんいいじゃん。さっそくこのダンジョン行こ!」


この人行動力すげえぞ!

迷いが無さすぎる!


「いや、情報とかいらないんですか?」


「行ってみりゃなんとかなるって!」


あまりにも行きたがるので俺たちが先導することになった。

でも魔獣いないと思うんだよね。行く意味あるかなー。めっちゃやる気満々だし止めにくいよね。


そして着いた廃鉱。左手に進んでちょっと隙間がある場所に着く。


「ここに穴があるだけで、反対の道は行き止まりなんだよ」


だから魔獣も全然いないんだとローダーが説明するもレツコさんは意気揚々としていた。


「じゃーここをちょちょいっと掘っちゃえばいいわけやね」


そしてごっしゃごっしゃと掘り始める。


「ちょ、ちょっと待ってくれ! 崩れる!」


「だーいじょうぶだいじょうぶ。この熊手ちゃんにまかせとけばへーきへーき」


天才の俺は気付いたぞ。あの熊手は転移者についてくる便利アイテムだな! だからあんなにゴテゴテに装飾された状態で土を掘っても壊れないんだ。

壊れない現物とか便利っすね。色々使えそう。俺もなんか欲しい。見えないものより見えるものがいい。伝説の剣とかがいい。


瞬く間に穴は広がり、屈めば通れるほどの大きさとなった。


「よっしゃ。これで奥のモンスターをばったばったとなぎ倒して荒稼ぎできるな。いくよー」


全くためらうことなく穴に入っていく熊手姉ちゃんとそのお供。俺たちもこわごわついて行く。


穴をくぐると通路に物がぐちゃぐちゃ散らばっていた。蜘蛛の巣も張っているし禍々しいキノコは生えているし健康が危ない。


「魔物ちゃーん、どーこですかー」


なんで嬉しそうに叫んでいるのか。

ついていけないよ。


途端に物陰から何者かがビャっと現れた!


「あ、トラじゃん。えい」


レツコさんが出てきた何かを熊手で殴った。なんという流れるような動き。

倒れたものを見ると確かにトラっぽい魔獣だった。なんだ今の早業。


次行くよ次、と言いトラを放っておいて進んでいく。マジで!? 生死の確認とかしないの?

振り向くことも無くずんずん進むから急いで追いかける俺たち。


分かれ道がいくつかあったけど、あっちもこっちもしらみつぶしに確認していく。

でも魔物いないっす。


「他にいないのかな? あとはこっちの道やね」


微妙に下り坂の道を行く。

こういうところってガスとか溜まってないのかな。大丈夫かな。

下りが終わると横にも縦にも開けた空間に出た。広くて灯りが届かない。暗い。


「何か聞こえない?」


耳を澄ませば確かにギィギィという音が聞こえる。コウモリ? 虫?


「ちょっと灯り強くしてみるわ」


ローダーが「照明」というともう一段階強い灯りが出た。いやその呪文はおかしい。


とにかく辺りは明るくなった。

木で作られた足場と梁がたくさんある。メインで採掘していた部屋なんだろう。


そして大量の何かがうごめいていた。


「巨大ネズミの群れだー!!」


ローダーがびっくりして大声を出したらネズミもびっくりして走り出した。

ぎゃー! 阿鼻叫喚の地獄絵図だ!! ばか!!


俺たちとネズミがパニックになっているのをよそに、レツコさんとエルテは笑顔になっていた。


「うっひゃー。狩り放題コースやん!」


「切れ味楽しめそう!」


お、やべぇ。

ネズミよりこいつらから逃げた方がいいな。


俺とローダーとサピちゃんは急いで入口近くの壁側に寄る。

フモさんは微妙に下がりネズミに槍を向けて攻撃する構え。だけして困ってるのか動かない。

そしてレツコさんとエルテはもちろん武器をぶん回していた。


飛び散る血と肉片。ネズミの断末魔。そして時折聞こえる笑い声。


怖い。

この二人怖い。


10分もしないうちに静かになった。

入口から逃げたネズミはいなかった。逃げる前に仕留められたからだ。

怖い。


「魔獣倒せてめっちゃ稼げた! よかったー」


ネズミが多すぎだから高い部位だけ集める。


よかった……のか?

俺たちはめちゃくちゃ恐怖に包まれたんだけど。


廃鉱はここで行き止まりだったのでもうモンスターはいないみたいだ。

これでダンジョンは終わりですね。


えぇ……。


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