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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
34/113

34.寝るな! 寝たら死ぬぞ!

翌日。

ついに北へいくぞ。

防寒用の上着と、食料もちょっと買っといた。


そして馬車に乗り込む。


幌付きのそこそこ大きさの馬車だ。幌付きは初めて。

ていうか乗る人いないとか言ってたのに荷物がめっちゃ詰まってるんだけど。

これはあれだな? もともと荷馬車だけど折角だから人も乗せちまおうって腹だな? 

座るスペースが無いから荷物寄せて無理やり座るよ。


雪が薄く積もる山道を馬車で行く。

雪と木と岩以外何もないね。


進んで進んで幌の中で車中泊して、やっとこさ着いた北の街。名前はダダなんとかだ!


あんまり大きな街じゃない。レンガ造りの平屋の煙突から煙がもうもうと出ている。

飾りっ気も無く歩いている人も作業着みたいな簡素な服が多い。


微妙に雪があるけど今は降ってない。風も無いからあんまり寒く無い。


「思ったより雪がなくてよかったですね。組合に行けば武器の相場も、どの店がいいかも分かると思いますよ」


エルテは武器を買う気満々。俺らは生活費を稼ぐ気満々。

意見の一致によりギルドへ向かう。



さてさて着いたのは田舎感満載の小規模な建物。受付も一席でしかも人がいない。奥でごそごそ音が聞こえるからなんか作業してるな。


「すみませーん」


エルテが受付の人を呼んでるけど俺たちは掲示板を見る。

掲示板もちっちゃい。ていうか一枚しか貼ってないぞ。


「なんだ全然依頼が無いじゃないか」


「何ですかねこれ?」


俺からは見えない。近づいてよく見ましょ。んー。


「うおっ! ダンジョンじゃないか!」


「だんじょんって何ですか?」


「ダンジョン知らないの!?」


冒険者があるのにダンジョン知らないって何? 珍しいのかな?


「ダンジョンっていうのはモンスターとお宝が溢れてるすごい洞窟とか地下とか古い建物のことだよ! 俺がすごく行きたいところだ! めっちゃテンション上がる!! フー!!」


めっちゃ嬉しい。超冒険者じゃん! 行くっきゃないじゃん!


「魔獣が多いならしっかり準備しないといけませんね。

 ところで依頼自体は入口付近の魔獣退治ですけど」


しっかり内容見てなかった。

内部調査じゃなくて溢れ出てきてる魔獣を退治して減らすのが依頼か。

一頭で30シルバーだけど素材売ったらもっと稼げそうね。


「でも俺は中をガッツリ探検したいぞ!」


「実力に合ってないだろ」


どんな魔物がいるのかによるな。


「まあエルテがいたらなんとかなるだろ」


「基本人任せだよなお前」


「あんたら依頼より店のこと! 剣が得意な職人さんを教えてもらったから行くよ!」


あ、エルテのテンション上がってる。

とりあえずエルテの言う店に着いて行くか。


◆◆◆◆◆◆◆◆


教えてもらった店は他の建物と変わらない石造りの平屋で違いと言えば看板のような木の板が出ているだけだった。かすれた黒いのが付いてるけど絵があったのかな。


そろそろと入る。中はけっこう熱いぞ。

入ってすぐ、傘立てみたいなのに剣がごちゃごちゃ入って並んでいる。

売る気あんのかな? 良い剣は奥に置いてるのかな?


そして当然のように人は見えない。


「すみませーん!」


大き目な声で呼びかけるエルテ。

ハンマー叩いて聞こえないかもしれないからね。


「なんじゃい? ……客!?」


そんなびっくりしなくても。

出てきたおっさんはドワーフみたいなみてくれ。

ゴワゴワ髭で背が低め。筋骨隆々で裸エプロンでハンマー持ってる。


「剣の製造に優れた鍛冶屋だとお伺いしましたので。剣を買いたいので見せていただけませんか?」


「あー、ちょっと待っとれ。持ってくるわ」


奥に引っ込んだ。

傘立てに刺さっている奴は売る用じゃないのか。失敗作置き場か?

気になるから刺さっているのを引き上げて見てみる。

別に失敗っぽくない。良し悪し分かんないけど、別に動物相手なら問題なさそう。

そして値札は付いていない。いくらなんでしょ。


「はーい、これがお手頃な剣ですよー」


赤毛の少女が剣を抱えて出てきた。なんで?


「あれ? さっきのおっさんはどこいったんだ?」


「師匠は他の剣探してるよ。まあ見てよ」


3本いっぺんに持ってきたみたいだ。カウンターと思われる台にガラガラ置く。

俺には違いが分からない。ローダー見たらローダーも分かんない顔してる。


「振ってみていい?」


「どうぞどうぞ」


エルテが剣振り出した。あぶねえ! 離れとこう。

あれ、値段聞いてないな。


「ちょっと待って。これらの剣って大体いくら?」


「大体3ゴールドだよ」


「これで3ゴールド? 安いね」


お得なのか。全然分からん!

でもエルテ金あるんか?


「エルテは3ゴールドも持ってるの?」


返事は無言だった。

やっぱりな。


「しゃーない、俺が奢ってやろう」


好感度を上げる作戦といこう。

このあとダンジョン頼みたいしな。


そしたらみんなが見てる。

よく分からんが威張っとくか。ドヤ。


「隕石でも降るんじゃない?」


「間違いない」


「お金は大事に使った方が……」


えっ。なんなのこいつら。


「お前らいい加減にしろよ。俺は偉大な転移者様だぞ!」


大器晩成型のすごいやつなんだぞ。俺は。


「はあ? 転移者?」


あ、おっさんが出てきた。剣を10本くらい抱えてる。


「見た目じゃ分からんかもしれんけど転移者ですぞい!」


ドヤ顔で胸を張る。俺はすごいんだぞ。

だから成長して金稼ぎまくる! という見通し。


「お前は出ていけ」


唐突につまみ出されてしまった。


「うおおい!? なんでだよ!!」


なんでいきなり捨てられたの? ちょっとふざけたぐらいで捨てられるとは思えんしなあ。


「ちょっとー、入れてよー」


ドアに向かって言ってみる。

だが誰も返事をしなかった。聞こえてないのかな?


しかし追い出されたのにドアを開けるのは抵抗ある。

どうしよっかな。


町にはしんしんと雪が振っている。いつのまに降り始めたのやら。

夕方なのか空は薄暗いけど積もった雪が白くて変な感じ。


「ヘリックスさーん」


あ、サピちゃん!


「大丈夫ですか? すみません、この街は保守的で異世界人嫌いが多いってこと言い忘れてました」


「構わんよ!」


忘れていたなら仕方がない。


「とりあえず終わるまで外で待っとくわ。寒いしサピちゃんは戻ってて」


「うーん、分かりました。何かあったら言ってくださいね!」


店に戻ってった。

じゃあ待つか。

でもエルテ金持ってなかったよな。どうするんだろ。


ドアの横に座って待つ。

雪が積もるのは遅いから埋もれはしないけど寒いね。


…………。


なんか眠くなってきた。ちょっとくらい寝ても平気だよね?

もう寝る……。


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