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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第二章 帝国編
33/113

33.小銭を稼げ!


馬車代を稼ごう。


というわけで帝国初の冒険者ギルドへとやってきた。

受付の人に共和国の組合員でも依頼受けれるか聞いてみる。


「帝国では労働者組合ではなく冒険者組合と言います」


マジかよ。これで正真正銘冒険者だな。

そして帝国用の組合証がいるらしいのでみんな発行してもらう。若干赤みがかった金属板で出来た組合証だ。二つぶら下げるとオシャレ。いやそうでもないか。


早速依頼用の掲示板を見てみる。

掲示板はでかいけど半分も貼られていない。

なにか良いのないかな。


ローダーが言ってくる。


「街の大通りのゴミ拾い」


エルテが言ってくる。


「公共施設の雑草除去」


サピちゃんが言ってくる。


「条例改正を周知させるのためのビラ配り」


なんでシルバー人材センターみたいな依頼しかないんじゃ。

俺たちは冒険者ではないのか。


あ、いや、正確には労働者組合員か。じゃあ適正なのか。


いやいやでもこんな退屈過ぎる仕事いやよ!


「知らない地域の魔獣とか対処法分からないし危ないだろ。あと、危険な魔獣は溢れかえるほどいる冒険者が早々に処理してるってよ」


なんだと。まあ仕方がない。


「じゃあ今回は雑用して小銭稼ぎと時間潰しということで」


おー、と掛け声を上げたあと手分けして雑用をすることになった。


◆◆◆◆◆◆◆◆


俺の担当は草むしり。

場所は街の中央付近にある大きな広場だ。色のある石畳で模様が作られていてオシャレ。

冒険者や地元民っぽい人がそれなりにいて、出ている屋台で買い物をしたり散歩をしたりしている。

平和だなぁ。


しかし賑やかなところに一人でいると何か物悲しくなる。


すぐそばに子供が来て追いかけっこを始めた。

その様子を見たら急に弟のことを思い出した。まあ俺が心配するような人間じゃないから大丈夫だな。狂ってる兄たちは論外。


それはさておき草抜きに集中しよう。

石畳の隙間から草が生えているけど根は深くないから簡単に抜けるな。抜いたらギルドから借りた袋に詰めていく。


あ、そうだ。この抜いた草食べられるかな。

見た目はヨモギみたい。食ってみるか。


うーむ、意外に甘くておいしい。なんでもやってみるもんだな。


「ママー、あれおいしいのー?」


「しっ、見ちゃいけません」


おいしいよ!

微妙な苦みと甘みがマッチしてハーブみたいな香りもある。ハーブなのかな? 道端に生えてるとか笑えるね。売れば稼げるのでは?


つまみ食いながら作業を続ける。あとでみんなにも食わせようかな。


と、もう大体抜いたな。作業範囲はこれで終わりかな。


「ヘリックス、ここの草抜きなんだ」


あ、エルテ。エルテはゴミ拾いだったはず。膨らんだ袋を持っている。

終わったのかな?


「そっちも終わってるならギルド行く? ……ってなんで草食べてんの」


「甘くておいしいんだ。食べる?」


「いや……いらない……」


あからさまに引きながら言われた。そんなー。


まあいいや。帰るか。

ん?


「どうしたの?」


「いやー、なんか脚に力が入らないなーって」


「鍛えてないから足が痺れたんでしょ」


なるほどな。シンプルな答えだ。

でもそういうのじゃない。どっちかというと筋肉が弛緩しちゃってる感じだ。


うーん。


ん、握りしめたままの甘い草。これって。


「エルテさ、この草なにか知ってる?」


「いや知らないけど。なに? まさかお腹痛いの?」


けっこう呑気ですね。

俺の予想が正しければこれは神経毒!


「まあ毒だろうと自分で食べたんだから自業自得でしょ。歩けないなら引っ張ってってあげるわよ」


と言うと返事も待たずに首根っこ掴み引きずりやがる。

うわー。首が締まる。

でも抵抗も出来ねぇ。息もしにくくなってきたし。


これはもう死ぬしか!


◆◆◆◆◆◆◆◆


意識が戻ったらギルドの前だった。

気絶してたのか死んでたのか分からんね。

どっちでも一緒か。


「いい加減自分で立って歩いてよ」


言うと突き放された。ひどくあっさりしてるよな。


一緒にギルドに入って受付に報告。


「集めた草に有用なものがあれば追加報酬があります」


なに!?


「例えばどんな!?」


「そうですね……。錬金術の触媒になるビッタリンやコーダゾーですね」


固有名詞きた。覚えれないやつだ!


「どんなのすか? ある?」


「ないですねー。あ、ビッタリンありました。ひとかけら」


あった! よっしゃ。追加報酬ゲットだ。


「これですよ」


と、見せてくれたのはヨモギ似の毒草だった。


「あーーー。それの効能は?」


「少量のしぼり汁を水に溶かして傷に塗れば殺菌、多量を口に入れればマヒ毒ですね」


やっぱりな。もったいないことしたなー。

握ってたのも途中で落ちたみたいだし。


そして報酬は60シルバーだった。世知辛い。

食べなかったら増えた可能性があるのが悲しい。知らない方が良かったかもね。


ちょっと休んでたらサピちゃんとローダーも帰ってきて報告をした。


「行きの馬車代くらいは稼げたか? まあよしとするか」


「今日宿に泊ったら意味ないと思うけど」


たしかにそうだ。どうする?


「ギルドを間借りしましょう」


いつものだね!

というわけでギルドで一泊することとした。


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