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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第一章 共和国編
29/113

29.番外編 下水は無い

うんこ回です(直球)

「初めて来たときから思ってたけど、この『便を集める人員募集』って何?」


いつものにぎやかなギルド。エルテとローダーと共に依頼掲示板を見ていた。

そこには毎日貼ったままになっている依頼、すなわち『便を集める人員募集』があった。

あまりにも気になったので聞いてみた。


「各家庭を回ってうんこを集める仕事だろ?」


「直球!」


「だって集めないと溢れてやばいじゃん」


「したくないよそんな仕事」


「だからいっつも募集してんじゃん」


なるほどな。分かるけど分からん。

元いた世界にはバイオ分解下水道が完備されていたから、生のうんこを集めるなんて想像もできない仕事だ。

みんな嫌がるからか報酬が良い。


「この依頼よく見ると長期可能って書いてある」


「慢性的に不足してるからでしょ」


そりゃそうだろうが。しかしなぁ。


「なんで生で集めるんだ。分解すればいいじゃないか」


「集める前に分解するってこと? どうやって?」


「それはほら、微生物とか化学とかだよ!」


エルテもローダーも「よく分かんね」という返事。

この世界は科学が発展していない!


実は俺もよくわかんないけど。


「いや、待てよ」


元の世界には無くてこの世界にはあるものがある!

解決方法、それは!


「魔法だよ!」


「うんこ分解する魔法なんてないぞ」


「そんなピンポイント魔法じゃなくて、腐った野菜とかゴミを分解すんのと一緒だよ」


具体的にどうするかは分かんないけどな!


「あー、それは無理だろうけど乾燥させるのなら俺でも出来ると思うけど」


「じゃあやろうぜ! 乾燥でもかさばらなくなるから数捌けるし絶対いいぞ!」


「そんなにうんこ集めたいのか……」


こうしてうんこ回収作戦は開始された。


◆◆◆◆◆◆◆◆


「ギルドの冒険者です。アレを集めています」


「裏手にどうぞ」


やってきたのは指定された区画の飲食店。その裏手にはトイレの溜まったアレの取り出し口がある。


「よし、やれローダー!」


「いつからリーダーになったんだお前……」


しかし言うこと聞いて開けてくれるローダー。素直になったね。


フタを開けるとむせかえるような香り。みんな一歩引く。

気合い入れるぞ!


「よ、よし……やるぞ……」


ローダーは苦しそうだった。だが依頼を受けたからにはやらなければならないのだ!


「脱水!」


魔法が発動。名前それでええんか?


が。


「う、うわあああああああああおおおおおおおお」


急激に乾燥し、匂い入り水蒸気が周囲にまき散らされた! バイオテロだ!


エルテは倒れて泣いている!!

ローダーは後ろを向いて吐いている!!


一方俺は?


無になることで耐えた!


「よし、収まってきたんじゃないか?」


「ぞ、ぞうね……。あとは分解物を集めて依頼主に渡せばいい」


ローダーは無言だった。目が死んでる。

彼は十二分に頑張ったから集めるのはエルテと二人でしよう。


集めた。


そして依頼主のおっさんに持っていった。

しかしそこで恐ろしいことが起こった。


「なにこれ。ちゃんと集めてないじゃん。やり直し」


「は?」


なんで?


「ちゃんと元はうんこですよ」


「いや……分からないだろうこれ」


エコな魔法乾物はほとんど砂であった。茶色い砂。


「生のまま持ってきたら臭いでしょう」


「いや……そういう依頼だから……」


何故そんなにこだわる?

まさか……。


「ははーん、さては生のうんこの臭いフェチだな?」


「なんじゃそりゃ! んなわけないだろうが!」


苦労したのにこりゃないぜ。じゃあどうするか。


「逆に考えよう。乾燥させたんだから戻すこともできるはずだと」


「おい俺になにやらせようとしてるんだ」


できるでしょ? できるよな?


「水でふやかすか、いや、自分のを足して……」


「ふざけんな! 出ていけ!」


追い出された。

依頼主の家からとぼとぼ帰る。乾燥便を持って。


「俺はもう二度としないよ」


「はい」


「でもどうするこれ? その辺に捨てる?」


うーん。勿体ない気がするな。

考えながら帰ってたらツリーハウスに着いた。

あ、そうだ。


「そのへん耕して土に混ぜちゃおう。薬草が生えやすくなるかも」


「結局肥料にするんじゃない……」


なんか二人がかわいそうなので俺が耕し枯れた薬草を上にばらまいといた。種があったら生えるだろう。


◆◆◆◆◆◆◆◆


数日後。何かが生えた。まだ何かは分からない。

もし薬草で育ったらラッキー。売ろう。


ところで最近ローダーが骨を分解して遊んでいる。いわく「なにかに応用できそう」とのこと。

何かってなんだよ。まあ何でもいいか。


「骨を分解したやつも肥料になるよ」


「マジか。撒いとくか」


家の周りは肥料まみれになった。

薬草が大量に生えた。やったー。


しかし雑草も大量に生えたしハエも湧いた。


草抜き誰がすると思ってるの!


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