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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第一章 共和国編
21/113

21.コカトリス=バジリスク

街が違えば依頼も違う。

掲示板には見たことない依頼が沢山あった。お手頃な依頼はありませんかー。


「見て、料理に使うからコカトリスの卵が欲しいっていう依頼あるよ」


「え? コカトリスってもしかしなくても石になっちゃうやつ?」


「石になる魔法は使ってくるみたいね」


なんだよそれ怖すぎだろ。ファンタジー怖すぎ。しかもそれを食べるために他人に取らせる依頼者とか怖すぎ。頭おかしい。


「報酬720シルバーだって」


!?


「一コで」


「やるしかねえ!」


一人盛り上がる。うおおおおおお! 


「石化は時間がたつか治癒魔法かで治せるけど……。あんたの場合早く治るかも。適任かもね」


俺とは逆に興味なさげなエルテちゃん。


「こらもう10個くらい大量に持って帰って大金持ちだろ! じゃあ早速行くぞー!」


「え? 一人で行くんでしょ?」


「え?」


え?


「私が行ってもリスクしかないじゃない。袋は貸してあげるから一人で行ってよ。当然報酬は全部あんたのだし」


な、なんか悲しい。


半ば放心気味でコカトリスの巣の場所を地図から探す。

掲示板の横に周辺地図が貼ってあるんだよね。こういうの好き。

地図の各所にピンで絵が刺してある。鳥とかトカゲとかの絵。それぞれの巣かな?

コカトリスの絵探すけど無い。ちょっと待って。思ってるのとコカトリスって見た目が違ってたりする? 鳥とヘビが合体してるやつだよね?


「どこ探してるの? ここにあるじゃない」


トカゲを指すエルテ。え? トカゲじゃん。それバジリスクじゃね?

翻訳機能くんの間違いかな?


「これはバジリスクだろ?」


「そう。コカトリス」


この世界はバジリスクとコカトリスの区別がない世界だったのか。確かに元ネタは一緒だけどさ。


「まあ、場所は分かったし行ってくるよ」


◆◆◆◆◆◆◆◆


日差しが強く肌が痛い。もう真夏だよこれ。


岩肌を上る。かすかすな低木とわずかな草だけがある乾燥した岩山だ。この岩山の中腹にバジリスク(コカトリス)の巣があるらしい。

こんなところにいるのは完全にトカゲですね。何食べてるんだろう。


息を切らしながら登る。一体どこに巣があるんだよ。だいぶ登ったぞ。中腹ってどの辺? ここ何合目?


炎天下の岩山は暑い。下からも反射してくるし日陰もないしもう勘弁してくれ。

死んでも平気でも暑いもんは暑い。


ん?

窪みがたくさんあるな。それに集めたみたいに枯草が沢山ある。

ここがコカトリス(バジリスク)の巣か!


幸いトカゲはいないみたいだ。卵を探そう。


窪みをいくつか漁るとありました。卵。依頼書の通りの見た目。

ニワトリの卵くらいの大きさで、殻は(まだら)模様でちょっと堅めでしっかりしている。

爬虫類の卵って薄くて弱いイメージだけど、やっぱ異世界だからごついのかな?


エルテに借りた布袋に入れる。

あ、あっちにもある。ふたつ、みっつと。

岩陰にまだある。さらにふたつ。

なんと5個になった! 大金持ちですね!


もっと探したいけど袋がいっぱいだぞ。手で持って帰ったら落としそうだから止めておこう。無理して全部落とすとかありえるし。

自分の命以外は安全策で行こう。


すると後ろでカサリという音が聞こえた。

誰か枯草踏んだね?

それは誰かって? 

トカゲだよ!


振り向くとやっぱりトカゲ。あんまり大きくない。

こどものワニみたい。牙は無くて、目はつぶら。爬虫類の目って可愛いんだよね。


と、重大なことを忘れてのんびり見てたら。


なん……だと……!?

身体が動かん!

かっちかちやぞ! 動けん!

このトカゲがバジリスク(コカトリス)じゃん! いや、巣の近くにいたんだから当たり前なんだけど気付くの遅すぎた!


石にはなっていない。ただのマヒ。

まあ見られたら石になっちゃうとか意味不明すぎるよね。ファンタジーだよね。超常現象だよね。


トカゲたちが周りを這いまわる。でも何もしてこない。なんで?

もしかしてカチカチにするだけで攻撃できない生き物なの? よく絶滅してないな。


じたばたする。気持ちだけな。体は全然動かん!


トカゲが止まってこっちを見てる。卵離さないからイラついてるのかな?


お互い一歩も譲らぬ名勝負! どっちが勝つのか!




まだ見てる。


天日に長時間さらされるときついっす。




いつまで見てるの? 動けないんだから放せるわけないのに。アホなの?


…………。


なんか静かになったな。

なんでだろう。


…………。


あれ? もしかして心臓止まってる?

なんで? 表面しか固まらないんじゃないの?


いやしかし、固まるということは服や皮膚を通り越し筋肉を固めているということなのでさらに内側の心臓も止められるのは当然の帰結である。


いや、当然とか考えてる場合かよ。

このままでは! 倒れて卵が割れちゃう!


死ぬのはいつものことだからどうでもいいや。


…………。


なんか目の前が暗くなってきた。立ったまま死にます。

倒れないことを祈ろう。


◆◆◆◆◆◆◆◆


目が覚めたぞ。仁王立ちしたままだ。弁慶かな?

そして身体は動くー。嬉しい。


夕方になっててトカゲはいなくなっている。卵は割れずに抱えたままだ。


よし、周りに何もいないな。諦めたのかな。若干可哀想。


卵を確認。5個ちゃんとあるな。

割らないようにゆっくり下山。


街に着くころには日が傾いていた。

若干迷いつつギルドにたどり着いて受付で卵と引き換えに報酬を受け取る。


「5個で25ゴールドです」


「え? ゴールドって?」


一つ上の単位かな?

前まで全部シルバーで持ってたんだけどな。400シルバーくらい。財布重かったな。


「144シルバーで1ゴールドです」


ダース単位とか欧米か。計算が面倒だよ。

これも翻訳機能のせいなんだろうな。本当はこの世界では計算が楽なんだろうな。


それにしても財布が潤った。帰る前に何か買おうかしら。

喜びでステップしてたら受付さんが冷めた目で見てた。ふへへ。


あ、エルテが帰ってきたじゃん。

自慢しよっと。


誤字とか何かおかしいところとかあったら教えてくれたらうれぴー!

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