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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第一章 共和国編
17/113

17.ぶっちしたい

何日かシカを狩った。盾の扱いは慣れてきた。

使いこなせているとは言ってない。


サピちゃんはいたりいなかったりした。


そしていつものごとく4人でシカ狩ってギルドへ売りに行くと受付の人に呼び止められた。


「ヘリックスさん。ドゥマの組合所長からお呼び出しが掛かっております」


え、やだ。


偉い人からの呼び出しとかろくなものじゃないだろう。

前回呼ばれたときは殺人事件だったし。


「お前何やったんだよ」


「実験台にされるんじゃない?」


またさらっとエルテさんが恐ろしいことを言うし。


ちらりと受付の人を見てみる。


「大声では言えないのでちょっと」


手をちょいちょいして近くに来てほしいと合図される。行きます。


「この間の市長の件での呼び出しです」


「げぇー」


超面倒くさいやつだこれ!

参考人として呼ばれても何も知らないのですよ俺は。


「マジで何も分からないけど行かなきゃダメなの?」


「馬車は出しますので」


タダで移動できる。これは良い。

しかし着いたらすぐに圧迫尋問時間だ。これは良くない。


「そろそろドゥマに行きたいと思ってたのよね」


「ドゥマか……。久しぶりだけど行ってもいいかな」


「私も行きます!」


「それでは明日の朝に用意しておきますので」


おい周りで話を進めるな。すごい便乗してみんなが行くことになってるし。

やだー。


◆◆◆◆◆◆◆◆


翌朝。馬車に乗った。

結局逃げられなかったよ。


4人を乗せた馬車。馬車というか荷車だ。屋根は無く2頭の馬が大きめの木の箱を引っ張っている。箱にはベンチっぽい段差がある。そこに座る。座布団とかは無い。


がったんがったん。

木製車輪が道を行き、景色が流れる。

草木の匂いが風で誘いこまれケツは痛い。


「ドゥマは初めてかい? シャングローほどきらびやかじゃあ無いけど、けっこう大きい街だぜ」


「はぁ」


御者のおっさんが解説してくれる。暇だからね。


「若いもんは派手げなもんが好きなんだろ? そういうのは無いけどなぁ、立派な建物やら像やらがあってなぁ。この国はドゥマから始まったんだ。今じゃあ転移者が多いけど昔は」


「おっさん興味ないからその話やめてくれる?」


「……」


コミュニケーション能力が欠落しているローダーは相手のことを考えない。おっさん黙っちゃったじゃないか。気分よく話してたのに。

まあ俺も聞かないけど。


がったんがったん。

沈黙によってケツの痛みに集中してしまう。

このままではいかん。


「シャングローのほうが都会なの?」


エルテの疑問。俺も引っかかったけど、首都より観光客とかで栄えてる街とかざらにあるしな。


「ああ、ドゥマは遊ぶところはないし豪華な物も少ない。目新しいものが好きなやつはシャングローやら王国やらに行っちまうからな。地味とは言うやつもいるだろうが、これは堅実っていうんだ」


そう。まあどうでもいいけど。


ていうか実質さっきと同じこと言ってるじゃないか。

年寄りは同じことばかり言う。おっさんは多分まだ40歳台だけど。


「どんな街か楽しみですね! 兎人や犬人(けんじん)などもいるといいのですけど」


え、何それ。けんちん?


「犬人なら村にいたわよ。けっこう頼りになるのよね」


あ、犬か! そういや獣人って種族なんだから獣人ばっかりの街とかあるんだよな? 行きたい。

よく考えたらこっちきてから同じ場所で同じことばっかしてる。いろんなところ行きたい。いろんなもの見たい。


「獣人もいるぞ。ドゥマは異世界人が増えてから変わっ」


「あとどれくらいで着くんだよ。だりぃわ」


こいついつも文句言ってるじゃねぇか。まあ俺もケツ痛いけど。

ローダーは周りを見た。


「……あと、2時間はかかるぞ」


「「うげぇー」」


ローダーとハモった。うげぇー。


◆◆◆◆◆◆◆◆


着いた。

街の門のすぐ外にある馬屋に止まって馬車から降ろされる。


「ここがドゥマかぁー」


石の壁と門が立派。中の広さはよく分かんない。

というかシャングローも散策してないから大きさ分かんない。


御者のおっさんとは別れて、ぞろぞろ4人で街に入る。

お昼っぽい時間帯。様々な服装、種族の人々が行き交っている。


「なんか食べたい」


「お金ないでしょ」


「あ、そうか。じゃあギルドに話をする体で行った挙句にごはん食べてないと言って集ろう」


「せこいなお前……」 


最悪お茶は出るだろう。


ギルドはすぐに見つかった。

レンガと木で出来た大きな建物。植木や旗でオシャレに装飾されている。


立派な装飾付きの扉を開くと、内装はシャングローとあんまり変わらなかった。

違うのは、充満する紅茶の香りと花瓶に活けられた花が沢山あるくらいかな。


「ギルド長? に呼ばれてきたヘリックスですが」


「少々お待ちください」


受付の一人が移動する。

少々待つ。


帰ってきた。


「会議中ですので一刻ほどお待ちください」


「じゃあ待つ間が暇なのでお茶下さい」


「……」


無言で去っていった。おーい。


「俺は行くところあるから出るぞ。また後で来る」


「あ、私はちょっと行ってみたいお店があるので行ってきますね!」


「私は依頼でも見てみる」


なんか解散しはじめたぞ。待ってくれよぉ。


「はいお茶です」


お茶来た! 金属コップでガツンと置かれる。これ安酒入れるやつじゃね?

まあ冒険者って物の扱いが雑だろうし金属コップのほうが安全だよな。


「ありがとっす」


ずびびとお茶を飲む。香りなし。色付きの謎汁ですね。おかしいですね。ギルドに入ったときは紅茶のいい匂いしたのにね。


「ヘリックス。ドゥマなら世界の膜の鑑定ができるんじゃなかった?」


え、なんだっけそれ。


「世界の膜ってなんだっけ?」


「異世界人が世界に転移してくるときに通過する膜です。その影響により固有の能力と道具を得る、というのが通説です」


うわ、クール受付さんが唐突に答えてくれた。

分かるようで分からん説明だ。転移した瞬間とか覚えてないから膜ってマジでなんだよ唐突感ありすぎだろ。

あと道具って何? そんな話今までにあった?


「まだ調べていない異世界人なら調べると良いです」


おもむろにズゴンと机の上に巨大装置を置く受付さん。鎖やら管やら砂時計やらがくっついているカラフルな装置だった。家庭用金庫みたいな大きさだ。真ん中あたりに横長い穴が開いている。


「そこの穴に手を突っ込んだら良いですよ」


ちょっと怖い。まあ千切れても治るしいいか。

えいっ。


「はい、これが出力された情報です」


早い。


薄めの金属板を渡される。なにこれアルミ?

板に文字が彫ってある。


内容は、と。


「秘密にしたほうが良いこともあります」


音読しかけたら唐突な受付お姉さんアドバイス。

たしかにスーパーパワー持ってたら色々面倒だものね! こっそり見るよ!

不死身の具合はどうかな?


 能力:不死身 傷は治る。死んだら記憶装置の情報を元に復元。

 道具:外部記憶装置 直近の記憶、直近の健康体を保存。


「???????????」


「すごいアホ面してますが大丈夫ですか?」


意味不明すぎ。なにこれ。

ていうか道具って本当何? 外部ってどこだよ。内容もオーバーテクノロジーすぎだろ。どういう仕組みだよ。


ん? それよりも、すごいことに気が付いたぞ。


「おい、こんな装置一体どうやって作ったんだ! 都合が良すぎるだろ!」


「昔の転移者が作りました」


あ、そっか……。

過去の偉人はすごいなー。


「所長の用意が出来ましたのでどうぞ」


あ、他の受付さんに呼ばれた。小一時間かかるって言ってなかったっけ?

まあいいか。早い分には。


みんないないし一人で立ち向かわなければならない。

乗り気じゃないけど行くぞー。


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