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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第一章 共和国編
16/113

★16.獣人がいないと異世界って感じじゃないよな

前回のあらすじ:アリに殺された。

「正直アリはやばいと思った」


荒れ地で生き返りツリーハウスに帰った俺。何日経っているのか分からないけど、二人はちゃんと家にいました。素材はちゃんと換金したみたい。

そしてローダーに服をもらってからギルドに来た。


「アリは私も怖いからもうやめときましょ」


「そうだな」


掲示板で良さげなものを探す。

まあ俺は見ても何がなんやら分からないけど。


そういやギルドの人何も言ってこないけど、いいかげん市長事件どうなったんだろうね。

俺には何もできないし怖いから忘れてくださって結構ですが。


「今日は安全でそこそこなシカ行きましょか。ヘリックスは木にでも登ってて」


「はい」


シカで飯確保。皮と角でそこそこの金策。悪くない。

シカを狩ると荷物が多いから役に立てるんだ。なお戦闘中は。


「あ、サピじゃん」


「ん? あ、ローダーさん」


友達の友達的なひと現る。

腕と太ももに白い毛皮を装備した、白いふわふわの髪の人。


「今日は先にパーティ組んでたんですか」


「あー、最近こいつらと一緒にいるんだよ。シカ狩りに行くけど行く?」


「行きます!」


おいローダーこっちにも聞けよ。自己紹介してないし。


「私はエルテ。剣士なの。よろしく」


順応はやいよエルテちゃん。じゃあ俺も。


「ヘリックスですよろしく」


流れに身を任せよう。


「私はサピです。兎人(とじん)で弓使いです。よろしくお願いいたします」


とじん。と。ウサギ? まじ?

隙を見てもふりたい。

ウサ耳どこ? 髪と一体化してる?


「ケモなのに弓とか使えるの? 道具使いにくくない?」


「指はヒトと同じですよ」


右手を差し出してクルクルしてくれる。普通の人間の手だぁ。

獣人って手先が獣寄りで胴体は人間に近いってのがポピュラーじゃないのか。この世界は違うのか。

ていうかナチュラルにケモって言ってしまったけど伝わってるし。恐るべし翻訳機能。翻訳の神ありがとう。いるのか知らないけど。


挿絵(By みてみん)


「それでヘリックスさんは何を使うのですか?」


「荷物持ちだよ」


「え」


「転移者で不死身の能力持ちだけど荷物持ちだよ」


今は午前10時くらい。ギルドはそこそこ人がいて賑やか。

しかし静寂に支配されたような感覚に包まれた。


「だったら盾役をやってみてはどうでしょうか」


え。

打開案来た。


「装備無しで?」


肉盾かよ。裸にならなきゃ。


「いや、盾役やってくれるなら盾ぐらい買ってあげるわよ」


貧乏な我らのパーティーでエルテが奢ってくれるだと!? やばいね。

エルテが小声で革の安いやつって言った気がする。


「服もくれ」


「……」


エルテは小銭入れを覗いていた。何も言わなかった。


「じゃあ盾買いに行こうぜ」


ローダーは早く狩りに行きたいだけだな。きっと。

とりあえず防具屋に行くことにした。


◆◆◆◆◆◆◆◆


さて、革の盾買いました。

768シルバー。大金ですね。

俺とエルテの財布は空になった。有り金はたいて足りない分はまけてもらったんだ。防具屋の主人の生暖かい目は忘れない。


そして森に来た。またシカを狩ります。俺自身は戦うの初めてだけど。


「盾を左手に通して、シカが角を向けたら弾いたら良し」


エルテによる講義。盾を装着したあと素振りしてみる。

内から外へ、素振りするのだ!


「重い。明日筋肉痛になるわ」


「これで重いの……?」


俺の評価はもう地の底だぜ!


ところで筋肉痛ってなるのだろうか。

筋肉痛にならないとしたら筋肉は育つのだろうか。


「シカなら練習に丁度いいだろ。二人が前に出て、俺とサピが後ろから攻撃ってことで」


お、パーティぽいじゃん。でも獲物はシカなんだよなぁ。強いモンスターならまだしもシカなんだよなぁ。


シカを探す我らが一行。


いました。


「こっちから見て私が左、ヘリックスが右に回って挟むわよ」


「はい」


言われた通り回る。シカは逃げずにこっち見てる。角があるから強気なのかな?


「いくわよ」


「え、あ、はい」


どうしたらいいんだろう。とりあえず近づくか。

あ、エルテはもう近づいて角に剣向けてる。


エルテが剣を振るとシカが角で弾く。

シカは足踏みしつつ頭をぶんぶんする。

俺はシカの後ろに立ち蹴られる。


脛をやられた。もうだめだー。


「なにやってんの。盾使いなよ」


「ぐぎ、い、いや……早くて無理……」


「水斬り!」


唐突にダサい魔法が発動!

シカの前脚に切り傷が出来た。


「ブモオオオオオオォォ!」


「怒ってるやん!」


「私に任せてください!」


おお、サピちゃんが弓を使うぞ!

大きな風切り音が聞こえた。弓ってこんなにうるさいんだ?


しかしシカに刺さらない。

というか矢はどこ行った?


「?」


みんな首をかしげる。シカも首をかしげる。


「危ないから倒すわよ」


エルテがシカの首を落とした。こいついつも部位落としてるな。

倒れるシカ。うわ、ぐろい。


「で、矢はどこに飛んでったの?」


「えーっと?」


サピちゃんとエルテがきょろきょろしてる。ちょっとかわいい。

ローダーはこっちをガン見してる。なんで?


「お前に刺さってるよ」


「ええ」


手を後ろに回して触るとなんか刺さってる。これは。


「おぉわあああ! 刺さっているよ! 人体の大事な臓器の一つ腎臓のうちの右の片割れに弓矢が刺さっているよ!」


「なんで説明的なの?」


「きゃぁぁ! ごめんなさい!」


サピちゃんだけ慌てている。他二人は慣れたのか普通。


「お前が射線に立つからダメなんだろ」


「いや、撃つってなってから俺は動いてないはずだけど」


不思議ですね。


「念のため確認なんだけど、サピは弓は上手いの?」


「えっと……村では下のほうでした」


弓使いの少ない村なのかな? 多いならやばいね。

それにしてもパーティメンバーがいまいちばかりだね。類は友を呼ぶ。


んなことより息がしにくくなってきたし、筋肉に圧迫感があるぞ。

ちょっとヤバげ?


「なんか苦しくなってきた。抜いたら死ぬ前に治るだろうから抜いてくれ」


「仕方ないわね」


「私のせいなので私が抜きます!」


サピちゃんが素早く弓矢に掴みかかってきた。

ちょっと待って心の準備が。


ずりゅっ


「おぎゃああああああああああああ!」


「おー、抜けたじゃん。手際がいいねぇ」


褒め上手のローダー君。ただしサピちゃんに対してだけな。


「ローダーってサピと一緒に狩りしたことあるんでしょ? どのくらいできるか知らなかったの?」


「だって俺もサピも獲物から離れて攻撃するし」


遠距離ジョブ二人とか防御力低そうっすね。

ところで。


「矢を抜いたはずなのに苦しいままなのですが」


「そんなわけないじゃん。何も刺さってないぞ」


変だな。苦しい。治まる様子がない。

唐突に不死身じゃなくなったのか!?


「ちょっと気になってたんだけど……、矢じりは?」


「矢についてるでしょ」


「ついてないでしょ」


みんなサピちゃんが抜いた矢を見る。ただの羽根付き棒だ。おい?


「矢じりが体に残ってて苦しいんでしょ」


後ろ手に背中を触ったら穴がないですね。

え? 埋もれたままとか怖すぎる。


「もう傷ふさがってるんだけど……。どうやって取ればいいんだよ」


「じゃあ斬って出すしかないんじゃない?」


「なんで平然とえげつないことを言えるのチミは」


なめらかに剣を構えた。待ってくれよぉ。


「俺たちはシカを処理するから二人で頑張ってくれ」


去っていくローダーとサピちゃん。おい。


「こういうのはさっさと終わらせたほうが楽なんだからするわよ」


遠慮とかしない。遠慮を知らない10代。

よし、分かった。


「覚悟完了」


「はい」


身体が揺れた。

バケツをひっくり返したような水音。

痛みは来ない。


「うわ、いやだぁ。ヘリックス以外の人は斬らないとこう」


お前がやったんだろ!

しゃべる気力も無くなったよ。というか、なんか息出来ないよ。

辺りがびちゃびちゃになっているのは血だろ。色も分かりにくくなってるし。


もうね、意識無くなるからね。

ほら前に倒れていってるし。もう。


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