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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第一章 共和国編
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14.おうち

いつものギルドの2階で目を覚ます。

もう習慣付いてきたなぁ。


事件があったのが嘘のようにあれから何も起こってないな。

ともかく依頼を見にギルドの1階へと向かう。


「そろそろ2階は使わないでください」


「ついにきたー!」


長いこと住み着いていたギルドの2階を追い出される!

まあ10日連続で泊ってたしね。あ、1日は外で死んでたか。


「ちょっと待って、2階いっつもスカスカじゃない。私たち以外いないわよ」


そういえばというかエルテも住み着いていたんだよなぁ。そして他には滅多に人がいない。なんでですかね?


「空いているからと言って住み着いたらジリ貧生活が板についてそのまま引退になっちゃうと思いますよ?」


受付さんの厳しい現実攻撃。ぐふっ。


「仕方ない。馬小屋に行きましょ」


「馬小屋!?」


道端のほうがマシな気がするのは俺だけでしょうか。

でもファンタジーではよくあるんだよなぁ。藁とか絶対チクチクして寝れないぞ。


そのとき、勢いよく後ろから話しかけられた。


「話は聞かせてもらった! 俺についてこい!」


ローダーだった。


「で、エルテ。とりあえず今日は何の仕事する?」


「シカ狩り行きましょ。馬小屋が嫌ならシカを2,3匹狩って安宿代稼ぐしかないし。肉食べられるし」


「今度は死なないように一緒に行動するね」


「おい、無視するなよ!」


ローダーが近づいてきた。


「うるさい青色だなぁ。ポンコツのくせに何の用なの?」


「お前のほうが大概だろ……。あのな、俺が親切にも寝床を紹介してやるって言ってるんだよ」


へぇ。


「それって馬小屋?」


「違わい! マイホームよ!」


魔法使いのお家かー。石造りか木をくり抜いたやつかキノコか。


「では早く案内するがよい」


「なんでそんなに態度がでかいんだよ!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆


「ここがローダーの家かぁ」


街を出てすぐの林、ちょっと大きめの木にそれは添えられていた。

枝の上に板を敷き、立てかけ、壁と屋根とする。足がかりとなる梯子のようなものをひっかければ完成。


「つまりボロいツリーハウスだな」


「ボロい言うな!」


でもボロいし……。

冬とか嵐のときとか無理だろこれ。


「改築するぞ!」


「えっ」


梯子ボロすぎるからここだけでもとりあえず改造しよう。

枝や木片、ツタを使って梯子を強化! 頑丈になった。


「本体はまた後日ということで……」


「いきなりすごい行動力を示したなヘリックス」


戦闘できないなら工作をすればいいじゃない。D・I・Y!

やったことあんまりないけど意外となんとかなるもんだなぁ。


日も傾いてきたのでウサギを狩ってーー俺は見てただけーー食べて満足したから家に入る。


真ん中にローダーを置いて俺とエルテで挟撃だ!


「せまいし布団ないし隙間風あるしひどいな」


「屋根があるだけマシでしょ」


「人ん家なのに酷い言い草過ぎだろお前ら」


狭い小屋に3人詰まった状態でしばし沈黙。

寝る雰囲気じゃないね。早いし。

あ、そうだ。


「エルテってなんで冒険者になったの?」


「え? いきなりね」


修学旅行的な気分でトークタイムだ。


「私は過去の勇者に憧れてて、今なら冒険者で活躍するのが勇者に一番近いかなと思ってなったのよ」


はえー。純粋。


「じゃあ青髪ポンコツヘッドは?」


「バッテン前髪が何言ってるんだよ! なんで言わないといけないんだよ!」


「別に言ってもいいじゃない」


「ま、いいか」


いいのか。エルテには甘いのか。

こいつチャームポイントの前髪否定しやがって。寝てる間に腕を上にして起きたら冷たくしてやるからな。


「なんというか特に理由はなく、魔法使えたら冒険しやすいからっていうだけ。水魔法は低位しか使えなくても雑魚なら問題ないし。シカでもいけるし」


なんとなく生きてそう。第一印象からしてそうだった。


「クマはいけるん?」


「クマは無理」


無理か。


「どうせ性格的に普通に働くのが無理だっただけだろ」


「お前ほんと失礼極まりないな!」


「たしかに」


「エルテそれどっちのたしかに?」


可哀想なローダー。


「で、偉そうなお前はどうして冒険者になったんだよ」


おっと。ここは決めるところだな。


「不死身で死ぬ心配がないから戦いに身を投じている内にどんどん強くなって英雄になるという当然の結果に向かって活動しているのだよ」


「ええ……」


俺なんか変なこと言った?

訓練したら絶対いけるって!


「まあ訓練すれば多少はできるようになる、かも……多分……」


微妙なフォロー。エルテはたまに優しいんだ。

だけど同情など不要。俺は本当に強くなるのだ!


しかし今日はもう眠くなってきた。


「そろそろ寝よか」


「あ、そう」


今夜はゆっくり眠りましょ。


◆◆◆◆◆◆◆◆


朝だ朝だ。

横にはローダーしかいない。エルテは先に起きたか?

とりあえずローダーの腕を上げとくか。痺れるがよい。


軋むドアを開けて背のび。

高いところでストレッチをすると気分がいい。


あ。下にエルテいるじゃん。

もうウサギ捕まえてて今から捌こうとしてる。

朝の挨拶をしよう。挨拶大事。


「おーい」


「ん? って、ちょっと! 落ちそう!」


落ちないって大丈夫大丈夫。さすがにそこまでマヌケじゃないよ。

あれ?

右足を踏み込んだらスカってなったよ。


バランスを崩したとかいうレベルじゃなくって落下感。


「落ちてるー!」


こんなところで落ちて死ぬのは俺だけだな。

まだ慌てるような時間じゃない。

落下までに3秒はあるからな。


これが不死者の余裕。

まあ何も出来ず流れに身を任せるんですけどね。


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