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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第一章 共和国編
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12.なにができるかな?

目が覚めたら、知らない人に囲まれ顔を覗き込まれていた。

この人たち警官的な人たちなのかな?

すっげぇガン見してくるんだけど。なんの用ですか。


ていうか床に直に倒れてるまんまじゃん。あの食堂? じゃん。

でも昼になってるな。


頭と顔を触ったら血でガビガビになっていた。

うーん。体は治っても汚れやら服の破れやらは治らないんだよなぁ。不便だよね。お風呂入りたい。


「本当に生き返ってる……」


なんか引かれてる気がする。


何がどうなったのか聞いてみたら「市長が魔法で暗殺された。犯人は逃げる前に同じ魔法を打って流れ弾が俺に当たった」そうだ。


それ魔法じゃなくて銃ですよって説明したけどよく分かってないみたいだ。存在しないものは翻訳されないんだろうなぁ。


にしても楽しい栄養補給場が一転殺人現場に! 警備が緩すぎるんだよね。

こういうことって起こらない世界だったのかな? なんか全体的にゆるゆる世界観だし。


いや待て、それよりも食べたものはちゃんと腹に入っているのか!? すぐにチェックだ!


立って胃のあたりをさする。膨らんでいる。よっしゃ!! 勝った!!


ぐっとガッツポーズをしていると目深にフードを被ったローブの人がやってきた。


「お迎えにきたよ」


「え? 死神?」


「違わい! 俺だよ、ローダーだよ!」


ばっとフードを外したら見たことある顔。あ、魔法使いの。

シカ狩りでパーティ組んだのに魔法を見る前に別れてそれっきりだったあの。

魔法見てないから見せてほしいわ。

つーか髪は青色だったのか。


「死んだって聞いたから迎えに来たんだよ。なんで毎日のように死んでるんだ」


「俺にもわからん」


◆◆◆◆◆◆◆◆


ざっと血を拭いてからギルドに向かった。

頭をやられただけだから服はほとんど汚れてなかった。ラッキー。


移動中は、転移してから狼に殺された話を恐ろしさを誇張したっぷり解説した。

しかしローダーは夜にうろつくのが悪いとド正論を返してきた。ぐぅ。


ギルドに着くとちらほら人がいる。依頼の取り合いもないし酒飲みもいない、のんびりした時間帯だ。

お茶飲んでる人がいるけどお茶出してくれるんだ? 今度タダか聞いてみるか。


そしてエルテがいた。


「……」


「……」


俺が黙っているとエルテも黙っている。


「なんか言え」


我慢できなかったか。


「貧乏なのに仕事しなくていいの?」


「な! あんた待ってたんでしょが!?」


ん? なんで待つ必要が?

ははーん。


「さてはゴシップ好きだな?」


「んなことない! ……と言い切れない……」


やっぱりな。

とりあえず市庁舎であった暗殺事件を全力で演説した!


実際に暗殺される瞬間は見てないから、そこはふわっとした説明。

戦闘もよくわからなかったから、そこはふわっとした説明。


「話が長いわりに内容が無い」


たっぷり10分は話し続けたのだ!

無い内容を引き延ばしたトーク力を褒めていただきたい。


「ようするにヘリックスが原因で逃げられたんだな」


ローダーから的確な指摘をされる。ぐぅ。


「ただの人間がプロ暗殺者に勝てるわけがないだろ? お?」


「いや、戦ってすらないよね?」


エルテにも突っ込まれた。ぐぅ。


「待て! 殺人現場で人がもう一人死んだぐらいでびっくりして取り逃がしたミラージュさんサイドに問題があるのでは?」


「私がどうかしたか?」


わー、ミラージュさんだー。どうしてこんなところにー。


「まあたしかに不死身だと聞いていたのに驚いたのはダメだったかな。

 しかし完全に落ち度があるのは君だろう。指摘されるのは嫌だろうけどね」


分かってるなら言わんといてくれ。


「そこでだ。情報を集めたところ、この国の首都に暗殺者ギルドというものがあるらしい。そこが怪しいと思うから調べに行く。

 汚名返上のために君も来ないか?」


「え、いやです」


「ええー」


なに心外みたいな顔してんのこの人。


「だって俺はネズミも倒せないへなちょこですので暗殺者とか怖くて無理」


「あ、そっか……」


簡単に納得されても悲しい。

「じゃあ一人で行ってくる」とか言い残してミラージュさんは去っていった。まじかー。


「政治的なゴタゴタとかほっときゃいいのに異世界人って変なやつ多いな」


ローダーが言うその変なやつって俺も入ってそうだな。


「あんたネズミも倒せないとか本当?」


しまった墓穴だ!


「そんなことないよ」


「じゃあネズミ退治の依頼しましょ。焼いたら食べられるし」


ぐぇー。ネ、ネズミを食べるぅ!?


「この世界の衛生観念はどうなっているのか!

 文明レベルといい1000年は遅れているのではないか!」


「うわ、急に大声出すなよ」


叫びたくもなるさ! トイレぼっとんだし。無線送電どころかガス灯も無いし。


「俺は文明を享受したい! だからお金貯めて文明を進化させる!」


「転移者の人、文句だけ言って改善しないからしてくれるのなら有難いですね」


わあ、受付の人が急に会話に入ってきた。

能力あるのに何もしない他の転移者最低だな!


「技術売ったらいいじゃん」


ローダーの性格の悪さよ。


「売れるほど詳しく技術知らない!」


「戦闘もできない。技術もない。性格も別によくない。じゃあ何ができるの」


エルテの性格の悪さよ。


「とりあえず今日はネズミ狩る。食べないけど倒せるよう頑張る」


◆◆◆◆◆◆◆◆


結果。

頑張って、そのへんの棒を振ったけど当たらなかった。

エルテが10匹ほど狩ったけど、食べるのはやめときました。

空腹はそのへんの草かじって凌ぎました。


小さいし早いから難しいんだよ。俺は悪くねぇ!


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