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異世界で楽しむ100通りの死に方  作者: アラニン
第一章 共和国編
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10.俺は不死身のヘリックス

あれ? 俺死んだ? なんか意識飛んでたな。

いや、死んでないかな?

なんか場面が飛んでるんだよね。


今は目の前にクマちゃんがいて高い高いしてもらってるところ。

肉球が太くてあったかい。クマちゃんって結構かわいいね。

5メートルもなければ、なお良しなんだけど。


おもむろに顔を近づけてきた。口くさい。

ネコも口くさいよね。


そのまま大きく口を開けていますね。

まるで今から食べられちゃうみたいだぁ。

でもクマってお腹から食べるんじゃ?

口くさい。


クマの歯ってギザギザが並んでるイメージだったけど、思ってたより歯がトゲトゲしてないんだなぁ。

口くさい。


まあ頭から行ったら痛みは感じないだろうし、安心して死ねるかなぁ。

くさい。


◆◆◆◆◆◆◆◆


うーん、背中が痛い。なんだろう。

すごいガタガタゴロゴロうるさい。

背中がガッタンガッタンして痛い。


左右確認。なんだか手や馬で引く荷台っぽい感じ。木の箱みたいなのに車輪がついているアレ。寝てるから木の板しか見えないけどね。


上半身を起こす。おお。やっぱり荷台だ。そして人が引いている。他には何も乗せてない。

身体確認。服がボロボロになってる。ズボンは傷んでるけどギリ着れる。上の服はダメだな。


ていうかこれってあれだよな? 死体(俺)を運んでくれてたんだよな。

なんてやさしいんだ。


「あのー」


「え? うわあああああああああああああ!!」


荷台引いてた人がすっごいびっくりしてる。ていうか誰だこれ。


そういえば前に教会でシスターが不浄者とか言ってめっちゃ警戒してたな。説明しないと殺されてもう一回死んじゃうかも。

怪しいうえにさらに服がズタズタでぼろきれだし。


「ちょっと落ち着いてくださいな。俺は転移者で不死身の能力持ちなんですよ」


「ええっ、あ、ああ。転移者だったのか。でも依頼主の君の仲間は知らないぽかったぞ」


あー、エルテとローダーには言ってなかったしなぁ。「知り合ってそんなに経ってないので」と答えておいた。

荷台から降りて一緒に荷台を引いて帰ることにした。


◆◆◆◆◆◆◆◆


街に帰ってとりあえずギルドへ向かう。今何時? お昼過ぎっぽいけど。


「エルテいますか?」


ギルドの受付の人がこっち見て固まってる。


うーん。


あ、不死身の鑑定したのはリンバナナだった! この街じゃないんだ。

つまりこの街で不死身って知ってる人いなかったんだ!

やっちまったぜ。


誤解があったらまずいので受付の人に説明してから一階で待つことにした。

待つ間に本を読んどこう。この世界の知識足りないしね。

魔物・魔獣がいて魔族もいると。ふむふむ。魔法ももちろんある。


魔法の素質は組合で測れる……。なん……だと。そしてそれは組合証に記録されている……!?

組合証には所属組合、名前、転移者かどうかと特殊能力、色で能力の優劣が記されているそうだ。俺は説明書とか読まないタチでね。


というわけで改めて組合証を見る。


なんということでしょう。能力が軒並み低い! 10段階でいうと1~3しかない!!

魔法はない! 何もない!


これはかなりショックですよ。不死身という特殊能力があっても他がない。平和な時代に生まれたせいで刃物もろくに扱えないしヤバイって! どうしよう。


「ちょ、ちょっと」


ん? あ、エルテじゃん!


「よ」


「よ、じゃないわよ! あれで生きてるってのはどういうことなのよ!」


何を見たんだろうなぁ。聞くのはやめておこう。

気になりつつもかくかくしかじか。


「不死身ならはじめっから言ってよ……」


いや、一回きりのパーティかと思ってたから言い忘れてたね。めんごめんご。


死体回収依頼とかしてくれたエルテいわく、いなくなった俺を探していたらそこには無残にもクマに食い散らかされていた俺の姿が!

すぐさまギルドにて報告と死体回収をしたのだという。


「というか転移者だったら私となんか一緒にいなくてもいいじゃん。

 世界の膜の力で転移者ってすごい人多いし。」


「いや、これ見て」


組合証をエルテに見せてあげる。「うわぁ……」とか言われて憐憫(れんびん)の目で見られた。傷つくわー。

ていうか世界の膜ってなに? 後で聞こうっと。


「ま、まあ鍛えたら成長できるだろうし、大丈夫よ!」


無理に慰められてもな……。

あ、拾ってた薬草とかも回収してくれてたみたいで、報酬を分けてくれました。

死体回収のにいちゃんは「生きてたしいいよ」って手間賃すら要求しなかったらしい。ええ人やん。


「でも不死身とはいえ、危険なことになってるって知ってたら行かなかったし……ごめんね」


「え、どういうこと?」


あの巨大クマは今まではおらず、最近になって目撃情報が出ていたらしい。運が悪かったなぁ。


でもその前にシカにもやられたことを伝えたら、何か言いたそうにしてやめた。うん。


クマの討伐隊は今日入れ違いで向かったから2,3日中に解決するとのこと。その2、3日が致命的ですわ。金策どうする?


「ちょっとそちらの不死身の人ー」


なんだ? 受付が呼んでる。


「市長が転移者に召集をかけています。明日の日が沈んで最初の鐘が鳴った時までに市庁舎の玄関に来て下さい」


ええー。こんなデカい街の市長とかやばそう。いきなりなんなん?

メインイベントかな。


「厄介ごとの予感」


誤字・脱字・誤用などありましたらご指摘ください。

活動報告からでもOKです。

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