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むかしむかーし
むかしむかーし、あるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました。
おじいさんはやまへしばかりに、おばあさんはかわへせんたくにまいにちいっていました。
あめがふると、おじいさんとおばあさんはへやでいちにちじゅうわらをたたいたり
ぞおりをあんだり、まきをわったりぬいものをしていました。
「おじいさんや、ああめじゃのう」
「ああ、あめじゃ」
「ふるたのもりもあめじゃろか?」
「ふるたのもりもあめじゃ」
「しんだたろうがいきていりゃもう15」
「しんだもん、しようがなかろうが」
「そうじゃの、しんだもんしょうがなか」
あくるひはあめもやんで、いつものように、おじいさんはやまへしばかりに、
おばあさんはかわへせんたくにいきました。かわはきのうのあめでみずかさがふえています。
「こりゃたいへんじゃ。せんたくばまでみずがあふれちょる」