はじめてのもうしこみ
(……じ、十七歳!? しかも超可愛い!? 何故ッ!?)
結婚相談所の見合い資料は、年齢、職業、趣味など、プロフィールが近い者同士をエージェントがピックアップして送ってくる。この為、特に希望を指定しなければ同年代の者が紹介される。しかし、婚活というのは一般に二十代後半から始めるものだ。どんなに早くても短大卒業後の二十歳は超えているだろう。だから、久遠はこの資料には二十代前半から中盤の社会人女性が掲載されていると思っていた。
しかし、資料に載っていたのは、何と自分と同じ十七歳の女子高生! プロフィールシートには写真も載っている。学生服を着て笑顔を浮かべた全身写真だ。髪型はショートカットで、女子にしては身長は高めだろう。バランスの良い体型をしており、顔立ちもよく整っている。どことなくボーイッシュな雰囲気があり、スポーツが得意そうに見える。夏の青空が似合いそうなスッキリした少女だ。
(……名前はA・R。年齢は十七歳。職業は高校生。趣味は読書で、特技は剣道!? 剣道少女なのか? それにこの制服は……)
このプロフィールシートは、まだ見合いが決まる前の相手に見せる資料であるので、そこまで細かいことは書いていない。名前もイニシャルだけだ。住所も同じ市内であることしか分からない。こうして個人情報は厳重に保護されているわけだが、この資料は写真に落ち度がある。学生服を来た写真なのだ。高校生の紹介だから学生服を着るのは変では無いが、見る者が見ればどこの高校なのか分かってしまう。
(……このデザイン、この校章。間違い無い、隣町の聖十字女学院附属高校だ。お嬢様学校だな。ってことは、コイツもお嬢様? な、何でこんな清潔なリア充お嬢様が婚活なんかしてんだ!? ヤ、ヤベー、凄く気になってきた。し、仕方ねぇな。断るのも可哀想な気がするし、ちょっと見合いくらいやってやるか)
「おーい、母さん! コイツと見合いしてやるよ!!」
その後、結婚相談所より連絡が来た。無事に双方の合意が取れたらしく、見合いは開催されることになった。決行は次の土曜日だ。