第7章 悪魔対修羅
窓を破り二人は外に出た。
ハニーたちも急いで外に出た。
当然村の者たちは騒ぎ始めていた。
「神父様止めなくてよろしいのですか?」
「……わしらでは出来ぬことを、あの少年なら出来そうな気がする」
「えっ?」
マージュは武器屋に入り剣を持ち出した。
そして手から氷柱を出して、翔に攻撃した。
だが、彼女は横に避けた。
だが、マージュは彼女の間合いに入っていた。
そして剣を抜いた。
交わすことができず、胸元を1寸斬られた。
当然さらしも斬られたため、胸が丸見えとなった。
「おいおい、お前女だったのか」
翔は胸を隠そうともせず、微笑んでこう呟いた。
「強いな~」
それを見ていたマルスは、
「(僕だったら胸を隠そうとしただろう)」
そう思った。
村の若い者たちははしゃぎだした。
「ストリップだぜ!」
「どうせなら全部脱げ」
「フッ……俺の裸が見たいのかい?いいぜ見せてやるよ」
そう言って服を破り脱いだ。
「お、おいアイツの背中」
「何だあれは?」
翔の背中には闘神阿修羅の入れ墨が彫られていた。
「三面六臂の闘神阿修羅だ。三つの顔は怒り、悲しみ、意思を表している」
「チッ……あしゅらだか何だが知らんが、悪魔の俺は負けねえ~」
そう言って手から炎を出し攻撃しようとした。
だが、翔は炎の出ている手首を掴み捻らせた。
そのため炎はマージュの顔に飛んできた。
「ぐわ~」
すぐに水の魔法で火を消した。
すると彼の様子がおかしくなった。
「また僕は悪魔に乗っ取られていたんですね」
どうやらゴットンは元に戻ったようだ。
だが、翔は納得いっていないようだ。
「こら!まだ勝負は付いてねえ~。それとも負けを認めるのかよ悪魔野郎」
「翔さん、もういいでしょう」
と、マルスが言った。
そのとき、またゴットンが苦しみ始めた。
そして、再び悪魔に乗り移られた。
「俺様の負けだ」
なんと悪魔は敗北を認めた。
「俺様も300年位前までは人間だった。そのときから俺は強かった。多くの人間を殺した。そして斬首刑された。そしてその斬首を行った者の顔がコイツに似ているんだよ。しかもコイツは俺の嫌いな善だとか、愛だとか、正義だとか言いやがる。俺はすでに悪霊になっていたから、乗り移って奴の体で人を殺し、悪行を行なってやったのさ。だが、奴はそれでも正義なんてモノを信じていやがる。そのため俺は……俺には奴の記憶が全て残る。そのため俺様自身愛や正義というものを信じたくなった。もうこの世に未練は無いさあ、神父よ俺を霊眠してくれ」
「うむ」
「待った」
そういったのは翔だ。
「俺たちはあるもの達と戦うため強い奴を探している」
「(翔さんの場合は強い奴と戦いたいだけなんだけど)」
とハニーは思った。
「神父さん、悪魔も悪霊も俺が倒したんだ。好きにさせてもらうぜ」
「し、しかし」
「あっ?」
鋭い眼光で神父を睨んだ。
「いいだろう。お前らの仲間になってやる」
「じゃが、ゴットンの意思も聞かんことには」
「ゴットンの奴は正義感の強い男だから、聞く必要も無い。闇の中でしか体を乗っ取れん。ゴットンは俺が乗っ取っている間は記憶が無い。日が昇ったら、詳しく教えてやりな」
「ああ」
「しかし、お前いい乳してるぜ。さらし巻くのはもったいない」
「フッ……こんな裸でよければいつでも見せてやるよ」
「そうかい」
悪魔との戦いが終わり日が昇り始めた。
戦士たちはゴットンに全てを話した。
「そうですか……私は戦いは好みませんが、もしかしたらこれも神のご加護……いいでしょう」
そして仲間に加わったのだ。