第3章 覆面との戦い
ロウたちと戦いたいためなのか、覆面は村人を襲っていた。
「翔さん、翔さんでしょう?」
と、ロウが訪ねた。
だが、覆面は何も答えなかった。
「翔の望みどおり、僕が戦います。もちろん本気で……でも、これで最後にしてください」
「……」
覆面はロウの言葉にまた、何も答えなかった。
「ロウ君……」
「待てロウ、俺が変わりに戦うぜ」
「ソージョー君、ありがとう。でも僕自身戦いたくなった。きっと僕も修羅って奴なのかも」
少し微笑みながらそう言った。
「ロウ……」
ついに覆面とロウの戦いが始まった。
先に攻撃を仕掛けたのは覆面だ。
素早く重いローキックが左右交互に襲い掛かる。
そして正拳突きがロウの顔を襲う。
だが両腕でブロックをした。
「強い。強すぎる」
「ロウ君」
「ロウ」
レイカとソージョーが大声でロウの名を呼んだ。
そのとき、ロージアがリュウ・シー・ドーラから受け継いだ日本刀をロウに投げ渡した。
「ロウ君」
ロウは刀を受け取った。
この刀は、土方総司が師匠如月勇から受け継ぎ、その後にリュウが受け継ぎ、今はロージアが受け継いでいた刀だ。
ロウは刀を差し、そして抜いた。
ロウは本気なのだ。
そして晴眼の構えから、やや右に刀を開き、刃を内側に向けた。天然理心流、平晴眼と呼ばれる構えだ。
そしてそのまま3段突き、覆面は全て交わすが、最後の突きの時そのまま横薙ぎに変換した。
だが覆面は後ろへ跳んで交わした。
ロウは電撃を放ち、覆面に直撃した。
だが、効いていない。
まだ戦いは終わらない。
「(どうすれば勝てる?)」
覆面が攻撃を仕掛けてきた。
そのとき!
「ちょっと待った!」
と、一人の少年が大声で言った。
金髪に左頬に傷を持つ少年……
そう、大空翔だ。
「翔さん!?じゃ、じゃあ、この覆面の人は?」
「ああ?なんかよく分からんが、お前ら覆面を俺と思っていたのかい?」
「えっ!?は、はい」
「フッ……探したぜ覆面野郎。噂は聞いてるぜ。強い奴を求めてるんだって?俺と同じじゃん。なら、ここからは、俺が相手だ」
そう言って、翔は構えた。
「行くぞ」
一瞬のうちに覆面の間合いに入り、右正拳突きが決まり、覆面は吹っ飛んだ。
覆面は立ち上がり、電撃を放った。
だが、翔の神速の前では無意味だった。
「凄い。まるでテレポートしたみたい」
覆面は宙に浮き、空に逃げようとした。
だが、翔が覆面の片足を捕まえ、そのまま地面に叩きつけた。
だが、覆面も負けていない。
もう片方の足で翔の鳩尾に蹴りを放った。
「グッ……」
体勢が崩れた隙を見て、今度は炎を放った。
「危ね~」
そういいながら、何とか翔は交わした。
覆面は立ち上がり首をコキコキと鳴らした。
そして彼は覆面を外した。
覆面を外した者の顔を見て、ハニーが驚いた。
「リュウ……様?」
覆面をした者はなんと、若き日のリュウ・シー・ドーラにそっくりであった。