第2章 謎の覆面者
翔が旅に出てから3ヵ月後、イザムラ国のラークから一通の手紙がロウの家に届いた。
「ラークさんからだ」
ハニーやソージョー、ロージアもロウとレイカの家にやってきていた。
手紙にはこう書かれていた。
俺の国で、覆面をした化け物が強いものを狙って、暴れている。
俺も戦ったが負けた。
奴はこう言っていた。
「俺は強い奴を求めている。強そうな奴は俺が潰す。戦いを拒否するものをいるだろう。だが、その気にさせてみせる。どんな手を使ってもだ。たとえ悪になろうと」
とにかくお前たちも気をつけろよ。
サーツ隊隊長ラーク・シエル
ロウたちは思った。
ラークたちをやったのは、大空翔だと。
「僕たちと戦うためにあの人は悪になる気なのだろうか?」
「翔のことを知っているのはハニーさんと、25号の記憶を持つロウ、お前だけだ。アイツならやりかねないか?」
と、ソージョーが汗を流しながら聞いた。
「分からない。ただ、昔あの人がハニーさんのお父さんたちと戦ったのは、正義のためとかじゃなく、強い奴と戦いたいがために、織田軍と戦っただけ」
「あの人は死戦組の土方様と同じ真の修羅です」
「じゃあ、俺たちがこの前戦いを拒否したが、あの野郎はどんな手を使っても俺たちと戦いたいわけだ」
「戦うしかないのか……あの人と……」
「ちょっと戦って、負ければいいんじゃねえ?」
と、ソージョーが言った。
「戦うことになれば、お互い本気で戦うことになる。あの人は真の修羅だから……手を抜いて戦うことはできない。だが、互い本気で戦えば、下手をすれば、僕か翔さんが死ぬかも」
ロウは少し震えながらそう言った。
「(ロウ君……)」
「どの道、近いうちにあの人は私たちのとこに来る。私たちと戦うために」
ロージアが拳を強く握り、そう言った。
そのとき、外が騒がしくなった。
5人が外に出ると、覆面をした者が、村の者たちを襲っていた。
強いものと戦うためなら、手段を選ばないのは本当だった。
もはやロウたちには戦う道しかない。
果たしてこの覆面と本気で戦い、無事勝つことができるのだろうか?