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第14章 父親として……

次の日、町は大騒ぎになっていた。

リーザがなんと、町の者たちを追い出そうとしたからだ。

何の保障もなく突然の出来事だ。

もちろんリーザの本当の狙いは翔たちだ。

そのため町の者たちは翔たちを町から追い出そうとした。

彼らは旅人だからいいが、一番困るのは、ニーナ母子おやこだ。

しかもニーナの母は病んでいる。


「出て行け、この疫病神が」

「そうだ」

「お前らのせいだぞ」

「出て行かないなら、俺たちの手で殺してやる」

その言葉に翔が出てきた。

「うるさいぜ。中には病人もいるんだ。リーザとかいう奴に臆して何も出来ないくせに、えらそうにしやがって、これ以上騒ぐなら、俺が相手だ」

そう言ったときの彼の顔はまさに修羅だ。

「うっ……なんて目をしていやがるんだ」

「こいつ、リーザより恐ろしいかも」

「リーザのアジトは分かった。俺が今から奴らを一網打尽にしてくる。それで問題ないな」

「あ、ああ……」

「だ、だが、無事帰ってこれるかな」

「ああ?」

「うっ……なんでもね~」

「岡田、また刀借りていくぞ」

「はいはい」

「私も行くわ」

「私も」

「僕も」

と、ハニー、マルス、ジュピターが言った。

「しょうがね~分かったよ」

こうして、この前と同じ4人で行くこととなった。


リーザ団のアジト

「その頬に傷を持つ男女は私がります。他はバータに任せますよ」

「はい」

「頼りにしていますからね」

そういいながら不気味に微笑んだ。


そして、4人が攻め込んできた。


「リーザ、出てきやがれ~!」

外にいる30人以上の部下をほぼ翔一人で鎮圧させていく。

「ば、化け物だ~」

と、4人の兵士が逃げようとした。

だが、電撃波を喰らい、4人は死んだ。

電撃波を放ったんのはリーザだ。

「やれやれ情けない部下たちだこと」

「お前がリーザか!」

「お前が、バータの言っていた大空翔ね」

「行くぜ」

と、二人が勝負をしようとした時、バータが止めに入った。

「どういうつもりですか?」

「リーザ様、あいつとは約束があります。それにあなたの兄上から、あなたのことを任されています。ですから、あの小僧は私が倒します」

「いいでしょう。あなたの私への忠誠心見せてもらいましょう」

「はい」


こうして翔とバータの戦いが始まった。

翔から笑顔はなく、真剣な表情をしていた。

それは相手が本物の戦士だからだ。


「誰も手を出すなよ。あの小僧の先約は俺だからな」

「はい」

「みんなも下がって見ていろ。あいつは本物の戦士だ」

「うん」

「負けないでくださいね」

と、マルスの言葉に普段なら微笑んだりするのだが、今回は翔も本気だ。


しばらく二人は間合いを取る。

そして、最初に動いたのは、バータだ。

両手から炎を出し翔に放つ。

だが、これくらいなら簡単に交わせれる。

翔は高く跳び交わした。

そして着地と同時に落ちていた石を蹴り飛ばした。

バータはすばやく石を叩き落した。

だが、すでに翔がバータの間合いに入っていた。

岡田の刀を抜こうとした。

だが、その一瞬の隙をバータは見逃さない。

右手を柄に添えた時に、翔の両腕と刀を凍らせた。

だが、彼女の闘気は消えない。

全身全霊を込めた右足で上段蹴りを放った。

だが、体制が悪いため交わさせた。

そしてバータは目の前にいる翔に炎を放った。

「うぎゃ~!!!!」

さすがに交わすことが出来なかった。

だが、おかげで凍っていた腕の氷が溶けた。

彼女は地面を殴り、その衝撃で砂が飛び散り、炎をかき消した。

だが、上半身の服はボロボロだ。

翔はマージュの時のように、服を破り捨てた。

背中には闘神阿修羅の刺青が彫られている。

「お前、女か?」

「それがどうした」

「お前は本当にすごいよ」

「あんたもな……おもしれ~な~」

ようやく彼女の顔が微笑んだ。

「なあ、おっさん。その強さ、人のために使えよ」

と、小声で翔は話しかけた。

「……」

「あんたが人のために何かをすれば、堂々とマーキュリーに父親と名乗れるだろう」

「それは出来なん」

「何故だ?」

「俺はリーザの亡き兄……俺にとっては悪友の遺言だからだ。奴が死ぬ前にリーザを頼むと頼まれたからだ」

「それで、あいつのお守りをしているのかい」

「そうだ。妻に反対されても俺は友情の方を選んだ」

「そうかい」

「だが、我が子が生きていると知ったとき、俺は、リーザ団を辞めるつもりだった。辞めたからって、親父だと名乗る気はない。ただ、いつかお前が言うように人のために役立てれる人間になれたら俺は……」

その時だった。

苛立っていたリーザの指から放たれた光線がバータの右胸を貫いた。

「お、おい」

「ハアハア……大丈夫だ。急所は外れている」

と、言ってもものすごい出血だ。

「マルス、誰でもいい、こいつに回復系の呪文を頼む」

「はい」


「リーザ!」

怒り狂う翔。

「まだ、奴との勝負は終わってね~んだぞ」

「それがどうがどうしたんですか?私は鈍間は嫌いです。それにバータは密かに謀反を加え立てていた」

「うるせ~!!」

「うるさいのはあなたたちですよ。虫けらが」

そう言って、また指先から光線を放とうとした。

だがそのとき、治療中のバータがこう言った。

「や、やめろ。リーザ!そいつには俺もあんたも勝てない」

「死にぞこないが」

「お、お前の兄には世話になった。若いころどじって、俺がぶーギョ隊に捕まったときも、あいつは一人で俺を助けてくれた。だから、あいつの遺言どおり、お前の部下となり、お前に尽くしてきた。だが、やりすぎだ。リーザ。これ以上町の者に危害を加えるなら、俺はクラーンとの誓いを破り、お前を殺す」

「うっ……」

「俺の、最後の願いだ。リーザ団を解散させ、罪を償い、一からやり直すんだ。安心しろ俺も一緒だ」

「バータ……あなたにそこまで言われては解散するしかありませんね」

「ああ」

「翔」

「なんだ」

「罪を償ったら、お前らの仲間になるかどうかは決めていないが、マーキュリーに一日でも早く、自分が父親だと名乗れる人間になってみせる」

「フッ……今のあんたなら大丈夫だろう。いい父親になれよ」

「ああ」


こうしてリーザ団の者たちはすべて捕縛された。

だが、真の敵はアポロンだ。

戦士たちはニーナの母が占うことが出来ないなら他の占い師を探すことにした。


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