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第13章 バータ・クレス

戦士たちはニーナの家に集まっていた。


「マーキュリーちゃん、どうして擦りなんてしたの?」

とマルスが険しい顔で尋ねた。

「僕、盗んだんじゃないんです。財布をあの人が落としたから渡そうとしたら、因縁つけられたんです」

「信じていいわよね」

「はい」

その返事を信じ、マルスは微笑んだ。

「それよりもお兄様が魔王を復活させようなんて……」

「今お母様が占っているわ」

だが、ニーナの母親の体調が悪くなってしまったため、彼女を寝かせた。

「マーキュリーちゃん、お兄様とはこの国で分かれたのよね」

「はい、巨人が動かせないなら魔王を復活させる……そう言っていました。僕はアポロン様にこの国で父を探したいとお願いし、その後アポロン様たちがどこへ行かれたかはわかりません」

その時だった。

翔が微笑んだ。

「コイツが絡まれていた場所から強い気を感じる。地上屋あいつらがどうやら大将を連れてきたみたいだ」

そう言って、戦場へ向かおうとした。

「僕も行くよ」

と、岡田が言った。

「人斬りじゃない夜叉あんたは邪魔だ。変わりにあんたの師匠のかたみを貸せ」

「私はいくわ」

と、ハニーが言った。

さらにマルスやジュピターまでも……

「翔さん、一人では何をするか分かりませんから」

ハニーのその言葉に翔は何も言えなかった。

「僕はニーナさんや岡田さんと共にニーナさんのお母様の看病をしています」

と、ゴットンが言った。

こうして翔、ハニー、マルス、ジュピターの四人がリーザ団のいる場所へ向かった。


バータたちのいる場所……


「あの餓鬼共どこへ言ったのでしょう」

「安心しろ」

「えっ?」

「ものすごく強いエナジーを持った者がもうすぐ来る」

「は、はあ」


そして、戦士たちはバータたちの所へやってきた。


「あいつです。バータさんと同じように左頬に傷を付けている奴です」

「女?男なのか?」


バータの左頬にも傷がある。

また、彼は布をバンダナのように頭に巻いている。

この布、元は白色だったが、相手の返り血や自分の血で赤く染まっていた。


「お前が、こいつらの大将か?」

と、微笑みながら翔が尋ねた。

「われらの対象はリーザ様だ。俺はその人の子分、バータ・クレスだ」

その名前を聞いて四人は驚いた。

「バータ・クレスだと……じゃ、じゃあ、お前がマーキュリーの親父か?」

「マーキュリー?誰だそいつは?」

「誰って、お前の息子だろうが!」

「翔さん、あの方とマーキュリーちゃんのお母様は、マーキュリーちゃんが生まれる直前に分かれたのですよ」

マルスが言った。

「そうだった」

「……おい、小僧!俺の息子と言ったな。生きているのか?」

「ああ、親父あんたを探していたぞ」

「そうか……チーデルンも生きているんだな?」

「チーデルン?」

「俺の妻……そのマーキュリーという奴の母親だ」

「死んだみたいだ」

「何!」

「死ぬ前にマーキュリーに父親がこの国で生きているかもしれない……そう言って死んだみたいだ」

「そうか……残念だ」

「そんな事よりマーキュリーも可哀想だよな。やっと見つけた親父が地上げ屋だなんてよ」

「フッ……俺はこの国で妻と別れたんだ。マーキュリーには親父は死んでいたと伝えてくれ」

「それがいいかもな。あいつはアンタと違い医者になるという夢を持っているんだから、その夢が叶ったとき、世間から親父が地上げ屋だったなんて言われたら、それこそ可哀想だ」

「ああ……(それにしても俺と違いまともに生きてるんだな。感謝するぜ。チーデルン)」

「さて、話はここまでだ。勝負しようぜ。あんたもそのつもりで来たんだろう」

「翔さん!」

とマルスが大声で呼んだ。

「邪魔するなよ。俺は修羅だ。強い奴と戦いたい。それだけだ」

「面白い小僧だ。だが、用事を思い出した。勝負はまた今度だ。戻るぞ」

「えっ?は、はい」

「待ってください」

とマルスが大声で呼び止めた。

「私たちは今、とんでもない人たちと戦おうとしています。そのために強い人を探しています。どうかあなたの力を貸してください」

「フッ……悪人にそんなこと頼むなよ。それにそこの男女がいれば大丈夫だろう」

「ですが……」

「そんなことどうでもいい、今すぐ俺と勝負しろ!」

「小僧、名前は?」

「大空翔だ」

「大空翔かいい名前だ。マーキュリーのこと頼んだぞ」

そう言って3人は去っていった。


戦士たちもニーナの家へ戻っていった。

4人はマーキュリーにバータのことを話そうかどうか迷ったが、とりあえず今は知らせない方がいいと判断し、4人だけの秘密となった。


それから1時間後……


「バータ、もう一度言いなさい」

「もうリーザ団を解散させ、地上げ屋をやめましょうと言ったのです」

「……バータ、あなたは亡き兄の友人、今のは聞かなかったことにします」

「なら、私だけでも抜けさせてもらいます」

「そんなことをすればどうなるか、あなたが一番知っているでしょう」

「はい、脱退したものは死刑」

「ならば、馬鹿なことは考えないように、あなたは兄の友人だけという理由でかわいがっているのではありません。あなたのその強さを私は高く評価しているからですよ」

「ありがとうございます」

「もういいです。下がりなさい今度は私が行きます」

「はっ、失礼します」


リーザ……フルネームはリーザ・コールド。

父、母、兄はすでに他界している。

兄の名前はクラーン・コールドといい、バータの悪友であった。


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