第9章 新たな出会い
戦士たちはイギランスという町に来ていた。
ここは国の中でも一番大きな町だ。
そしてここに巨人があるのだ。
「これが巨人か」
巨人は57メートルあり、形はアニメなんかに出てきそうな形をしていた。
「それにしても、マルスの兄貴たちはこの辺にいなさそうだな。
と、翔が言った。
まさかアポロンたちが魔王を復活させよとしていようとは、戦士たちは思いもしないだろう。
「どうやって中に入るんだろうな」
ハニーも巨人についてはあまり知識がない。
「こうなったら、アポロンたちが鍵を見つけてもいいように、巨人壊そうぜ」
と翔が言った。
「ダメですよ。この巨人は今は国の守り神なんですから」
と、ハニーが言った。
「それに壊すといっても、どうやって壊すんですか?さすがの翔さんでも巨人は壊せないでしょう」
と、ジュピターが言った。
「う~ん……確かに無理だな」
「10万年前に作られた兵器ですものね」
マルスがそう言った。
「そういえばこの町に2週間くらい前、よそ者が倒れていたと、噂で聞いたことがあります」
そう言ったのは、ゴットンだ。
「よそ者?」
「はい。格好はもちろん言葉もこの国の言葉ではないようです」
そのとき、若い男女が3人のチンピラに絡まれていた。
男の方は甘いマスクに小柄な体型で、この国、いや、この魔法世界では珍しい格好をしていた。
髪は黒髪を結って、服は羽織袴を着ていた。
女の方の髪は金髪で蒼い瞳をして、服装はこの国の女性が着ている服を着ていた。
二人とも年は二十歳前後だ。
「おい、ハニー、男の方は間違いなく日本人じゃないのか?」
「ええ、もしそうなら、あの方も過去から来た可能性があるわね」
「おい、ニーナ、いい加減ジョーカーさんの女になれよ」
チンピラの一人がそう言った。
「何度も嫌ですと断っているでしょう」
と、ニーナという名前の女性が言った。
そして男もこう言った。
「嫌がっているじゃないですか」
だが、彼の言葉はこの世界の言葉ではなかった。
彼の言葉は明らかに日本語だ。
「ああ?何言っているか分からね~。よそ者は黙っとけや」
すると話しかけた男が急にお腹を抱えうずくまった。
「うっ……」
「おい、ピーラどうした?」
「腹が急に……クソ……、おい、一度引き上げだ」
そう言って3人は去っていった。
そして戦士たちは男女に話しかけた。
「大丈夫ですか?」
そう言ったのはマルスだ。
「はい、運よく腹痛を起こしてくれたみたいで」
「バチが当たったのでしょう」
と、ジュピターが言った。
「フン……運ね~……確かに運かもな」
と、翔が言った。
そして翔は日本語で男にこう言った。
「アンタ日本人だろう!?しかもかなり強い」
男も日本語で答えた。
「君も日本人みたいだね」
「ああ……ハニー超ホンヤックの実まだあるか?」
「はい」
ハニーは男に超ホンヤックの実を渡した。
「ソイツを食べれば、お前さんもこの世界の言葉が話せれるようになる」
「へ~、便利な世界だな」
そういいながら男は実を食べた。
「僕の言葉分かる?」
「フーアム、話せれるようになったのですね」
フーアムとはこの国の言葉でよそ者という意味だ。
そしてお互い名乗りあった。
「僕はマルス」
「僕はジュピターです」
「私はゴットン・シェン・ロール」
「私は織田ハニーです」
「俺は大空翔だ」
「私はニーナです」
「僕は岡田半次郎」
「フーアム、そういう名前だったのね」
「はい」
「岡田さんよ。俺は22世紀からこの時代に来たんだが、アンタは?」
「僕は21世紀……2010年に有名な人に会いに行ったら、暗闇に飲まれました」
「有名な人とは、21世紀に活躍していたジャッキー・リーさんですね」
と、ハニーが言った。
「はい」
「なるほど。大方その人のサインでも貰いに行ったときに飲み込まれたんだろう」
「ここは一体どこなんですか?」
翔たちは岡田やニーナに説明した。
そしてこれから起ころうとしていることも伝えた。
「よく分かりました」
「それにしても、フーアム、いえ、岡田さんが過去から来たなんて」
「僕は暗闇に飲まれてこの時代のこの国に来たんですが、着地を失敗して、倒れているところを、こちらのニーナさんに助けていただいたのです」
「なあ、岡田さん、アンタ俺たちの仲間になれよ」
「えっ?でも僕では足手まといになるだけです」
「俺が、このニーナに運がいいと言ったのは、さっきのチンピラは偶然腹痛を起こしたんじゃない。岡田が神速で鳩尾に拳を繰り出していたからだ。この男と一緒だったから助かった。だから運が言いと俺は言ったんだ」
「そうだったんですか」
とマルスが言うと翔はこう言った。
「クスッ……伝説の戦士の血を引いているお方が見えなかったのかい!?」
「は、はい」
「本当ですか岡田さん」
「えっ!?ぐ、偶然だよ」
「フン、そういうことにしといてやるよ」
また一人過去から来た者がいた。
だが、岡田半次郎にはまだ謎があるようだ。
本編では名前しか出ていないジャッキー・リーについて少し説明します。
ジャッキー・リー(本名:嘆龍1973年7月20日-?)とはサンフランシスコで生まれた中国人、俳優、武道家である。
1973年7月20日伝説の龍が大空へ昇った年に、にサンフランシスコで生まれる。
彼が幼い頃には香港で暮らしている。
幼い頃に父親から太極拳を学び、その後謎の老人から詠春拳を学ぶ。
兄弟子にはサモハン・ユンピョウという武道家がいる。
2000年、彼が27歳の頃に兄弟子と共に役者を目指し始める。
2004年、「スパルタン・ホーネット」という格闘映画で兄弟子が主役、彼が準主役として出演。
2005年、「プロジェクトイーグル危機一髪」で初の主役出演。
2007年、「ポリス怒りの鉄拳」で香港で大ヒット。
2009年、「燃えよ酔拳」でハリウッド進出。
2010年、「龍拳遊戯」の撮影段階で時空に飲まれる。
名前のモデルは作者の生時が尊敬する、ブルース・リーとジャッキー・チェンである。