1 暮らし
村の生活は厳しい。村の近くに沢山の魔獣が押し寄せて、農作業ができなくなった。マリエールは魔獣の討伐と怪我人の治療に当たった。
1 暮らし
村の生活は厳しい。毎日魔獣との戦いだ。マリエールは村の守護神だ。毎日沢山の魔獣を狩り、傷ついた村人を癒やしてくれる。マリエールは、
「ロイド、怪我人の様子はどう。」
ロイドは悲しそうに、
「重症です。足に大怪我をしています。」
今のマリエールでは大怪我は治せない。抗生物質がないからだ。
「とにかく案内して。」
マリエールは案内された。怪我人の部屋は血の臭いがした。
「足元縛って、身体を押さえていて、水を持って来て。」
マリエールは次々と大人に命令して自らは怪我の治療をした。傷口を水で洗い。消毒して、傷口を縫った。化膿止の塗り薬を塗り化膿止の飲み薬と鎮痛解熱剤を飲ませた。マリエールは、
「これで助かるといいわね。」
この村の現状は納得し難い。魔獣が多すぎるのだ。お陰で農作物は城塞の中でしか育たない。村民は狩りに出る。負傷者が出る。
6歳のマリエールは自ら城塞の外に出て魔獣を狩る。魔獣は全て村人の食料となり魔石は冒険者ギルドで売られ村民の衣類となる。マリエールは、父親の男爵に聞いた。
「この村はどうしてこんなに魔獣が多いのでしょうか。」
男爵は答える。
「村の東部で砂漠化進んでいる。棲家を失った魔獣がこちらに流れ込んでくるのだ。」
マリエールは更に聞いた。
「砂漠化の理由判っていますか。」
男爵はマリエールの問いに答える。
「数年前から東の砂漠地帯から熱くて乾いた風が流れ込むようになった。それ以来東部の川が干上がり草木が枯れるようになった。」
マリエールは2つ難題に直面した。抗生物質の作成と砂漠化の防止だ。日々魔獣と戦うマリエールにはそんな対応する時間がない。
6歳のマリエールにどうして魔獣と戦う力があるかと言うと転生特典だ。数々の攻撃魔法と防御魔法とアイテムボックス、フライと複製魔法と転移の才が転生特典として与えられているからだ。お陰で村人は農作業をせずとも食にありつける。それでも何もせずにただ食料がくるのを待つという生活に耐えられないという人はいる。領主もその気持ちが判る。だから城塞の門を閉ざしはしない。
マリエールもあんまり深刻には考えなかった。取り敢えず村人は飢えて死ぬことはない。魔獣の肉は無限に生み出せる。抗生物質がなくても軽症なら治療が可能だ。
マリエールは軽く考え過ぎた。砂漠化の波が村まで押し寄せるとはその時マリエールは考えもしなかった。砂漠の熱い乾いた風が押し寄せたのはそんな日のことだった。ロイドはマリエールに、
「最近、風がやけに熱くて、乾いているように思わないか。もう直ぐ雨季のはずなのに、雨一つ降らないなんて可怪しくないか。」
確かにここ最近の気候は、マリエールにも異常に思える。
「確かに異常だわ。東の砂漠からの風がここまで来ているのかも知れないわね。
マリエールは村の西の池の水位が下がり始めたことを確認した。村の井戸が渇水し始めたことを知った。マリエールは男爵に提案した。
「隣の領の湖から水を汲んで、池や井戸を満たしましょうか。」
男爵は直ちにマリエールの提案を承認した。
原因は東の砂漠から吹く熱い乾いた風らしい。川を枯らし草木を枯らし、魔獣を西に追いやった。村の周りに魔獣が群がった。




