ついに、彼らが到着した!
ジェット機が空を轟かせ、ニューヨークの地平線へと突き進んでいた。コクピット内、パイロットの声が通信機越しに割れた。「司令部、ニューヨークから致死レベルの放射線を感知しています。本当にあの『怪物』と戦う準備はできているのですか?」
司令部が答える。「人命を犠牲にすることはできない。私にだってあの正体はわからん。映画でしかあんな巨大な怪物は見たことがないが、今日、我々は本物の怪物と戦わねばならないんだ。退くことは許されない。それに、君たちが乗っているのは第5世代戦闘機だ。放射線下にあっても、それほどの影響は受けないはずだ」
「了解、サー」パイロットたちが一斉に応じた。
鋼の鳥の編隊は、遠くにシルエットを覗かせる街へと飛び去った。その背後には、まるで世界の終焉を告げるかのような、神々しくも絶望的なメロディが響き渡っていた。
ニューヨークの街中、そこはまさに黙示録的な光景だった。雨と雷鳴が通りを打ちたたき、その場をいっそう恐ろしいものに変えていた。何十万もの人々がすでに「ハイブリッド」へと変貌し、野火のように街中に広がっている。彼らの主、あるいは神とも呼ぶべき「マスム」が、不自然にぎこちない足取りで前進していた。
その群れの最後尾を、たった一人で「人類」が追っていた。打ちひしがれ、悲しみに暮れた「人類」は、ハイブリッドの群れとマスムの後に続き、目的もなく動き続けている。低いアングルから「人類」の背中を捉えていた視点は、やがて悲痛な表情を浮かべたその顔を映し出した。「人類」は視線を落とし、ほんの一瞬、前方の異形を見つめた。
「彼に従う以外に、何ができるというんだ?」と、「人類」は囁いた。
「人類」は誰も救うことができず、攻撃することもしなかった。残されたのは、罪のない人々が怪物へと変貌していくのを眺めるという虚しい作業だけだ。人々の悲鳴が「人類」の耳に焼き付き、ニューヨークの廃墟に響き渡っていた。
突如、ミサイルがマスムを直撃した。「人類」は爆発音に顔を上げた。マスムは何事もなかったかのように振る舞った。ミサイルはわずかなダメージを与えたものの、その傷跡はわずか5秒で完治した。傷が塞がる際、強烈なエネルギーと熱の放出を示す蒸気が立ち上った。
マスムは攻撃の主へと顔を向けた。多数のF-35とF-22ラプターが接近していた。戦闘機の姿を目にした瞬間、マスムを支配する数千の復讐心に満ちた魂に、戦争の記憶が溢れ出した。第二次世界大戦、そして罪なき人々に投下された原子爆弾の記憶。魂たちが古の怒りに燃え上がり、マスムは迫りくる戦闘機に向かって、耳を打つような咆哮を上げた。
軍はマスムを倒せるのか?それとも、さらに悪いことが起ころうとしているのか?




