何かがおかしい。
「ううううっ、腹減った。カップ麺が一番だな」
「人類」は腹を押さえながらそう言った。彼は傘を手に取り、部屋を飛び出すと、カップ麺を買いに売店へと向かった。雨は激しく、強風のせいで傘をきつく握りしめなければならなかった。稲光と雷鳴が、車のクラクションの音と混じり合っている。
場面はニューヨークの海岸へと移る。海空は血のように赤く染まり、津波の前触れのような不気味なうねりを見せている。
再び「人類」の姿。彼は売店で店主とやり取りをし、カップ麺を購入した。ポリ袋に入れたカップ麺を手に、彼は自分のアパートへと歩き出す。
再びニューヨークの海岸。一人の男がその血の色をした海水に興味を抱き、足を浸した。彼は衝撃を受けた。この激しい雨の中でも、その水は沸騰したお湯のように熱かったのだ。
突然、彼は異変を感じ始めた。何かがおかしい。肌が硬質化し、体内で微かな振動が起こり、体から蒸気が立ち昇る。
海岸にはリュウグウノツカイの死骸が横たわり、海面には無数の魚の死骸が浮き始めた。
その時、地震のような地鳴りが響き渡る。
水面から巨大な背びれのようなものがゆっくりと浮上してくるのが一瞬見えるが、その正体をはっきりと捉える前に、再び「人類」へと場面が戻る。
「人類」がアパートに辿り着き、中に入ろうとしたその瞬間、彼は異様な臭いに気づいた。「人類」と周囲の人々は一斉に鼻を突く。彼は苛立ち、不快な口調で吐き捨てた。
「なんだよ、この鼻をつく臭いは……金属と放射能、それに血と腐乱死体が混ざったような臭いじゃないか」
突然、瀕死の鳥が彼の上に落ちてきた。それを合図に、周囲の人々の上にも何百羽もの瀕死の鳥たちが降り注ぐ。「人類」と人々が空を見上げると、そこには放射能と致死性のウイルスに同時に侵されたかのような無数の鳥たちが、空から降り注いでいた。
何が来るのか?




