第2話 ハンドクリーム
コトリ、とティーカップが置かれる。
テレーズだ。
そのとき、テレーズの手を見て、気づいた。
手がカサカサしているなあ。
「ハンドクリームはつけないのか?」
と言ってから気づいた。
ここは異世界。
ハンドクリームは売っている訳がない。
「なんですか? ハンドクリーム?」
テレーズは、思い出すように宙を見る。
「聞き覚えたないですね」
「俺が作ったものだ」
「セドリック様が? ああ、王都では魔道具やポーションなんかも作っているとお聞きしました」
それで、ハンドクリームとは?
とテレーズが聞いてくる。
別に隠すものではないので、素直に話す。
前世のことを隠して、貴族学院で作り出した薬品であることを伝える。
「新しい薬品を作ったんですか?」
テレーズは驚いている。
数年前に、既存のポーションよりも効果の高いポーションができたと大騒ぎになったことがある。
その新ポーションのおかげで冒険者の死者が減っただとか、騎士団での訓練中の事故が減っただとか。
変に騒がれたら困るなあ、と思い補足する。
「薬品っていうほどのものではない。健康を促進するためのものというか……生活を便利にするというか……冬場のストレスをなくすというか……」
ハンドクリームを作り出したのも、冬に手が荒れたからだ。
この世界の魔法が自由度が高い。
魔法を駆使すれば、ハンドクリームはすぐにできる。
「そんないいものがあるんですか?」
テレーズは疑っているようだ。
説明するより実際に使ったほうが理解も早いだろう、と俺は空間魔法のアイテムボックスからハンドクリームを取り出す。
「こうやって使うんだ」
容器の蓋を開けて、指でハンドクリームをすくって、手に塗る。
テレーズも見様見真似でハンドクリームを手に塗る。
「これは……!」
彼女は何度も手を撫でる。
「スベッ……スベッ!」
ピシャンと雷でも落ちたかのように、テレーズは驚く。
肌荒れが……治っているッ!
スベスベな手……。
などなど、手を撫でながら呟く。
肌荒れが治っているうのは、ハンドクリームに少量の治癒効果を付与しているからだ。
ある意味、日本のものより効果が高い。
「すごいものです! これはまさに革命です! 作り出したセドリック様は天才! 大天才!」
興奮したテレーズが、俺を褒めてくれる。
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