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 レイシーさんが居ると言う場所はあるビルの地下二十階の厳重な警備がされている部屋、でした。レイシーさんの見た目は朱色の髪にオレンジ色の瞳でヘッドバンドをしており、ハートのネックレスを付けて、白のシャツに紺青色のスーツとスカートを着ています。後かなり巨乳、と言うか爆乳の部類ですね。バストサイズはEかFくらい有るのじゃ無いでしょうか。けど、腹回りはスリムと……後、足もムチムチしてそうです。それとこれが一番目立って居るのですが、髪の毛の朱色と同じ色の羽根が彼女の背後には浮かんで居ます。……なんと言うか、盛りに盛って居ますね。


「……ああ、来客? スプリンガーさんは良いとして、後、お二方はどちら様で?」

「あ、すみません。私はネイト=エポニムです」

〔我はマグナ=ヴァルカンなり〕

「ああ、貴女が例の……ネイトさんはともかく、其処のマグナさんは何処の誰ですか?」

〔……〕

「私が造った魔法生物です」

「そ、……しかし、貴女は……やけに皆に手塩を掛けられて居るようで羨ましい限りなのだけど、ねぇ?」

「……私には身が余る事過ぎて裏が有るかもと怖すぎるのは確かですね」

「……スプリンガーさん、話がちょっと可笑しいのだけど?」

「ネイトは時間巻き戻し時に記憶封印をしている」

「……その割には順応しているようだけど……」

「……自分で記憶封印の内容を軽く閲覧したので」

「……ああ、能力行使周り以外は見ても問題無いものね。……なら、本当に身に余るとしか考えて居なさそうね」

「違うのですか?」

「……身に余ると思うなら、他人にその役目を任せてみない?」

「……記憶封印した私に残った記憶でやるべきだって成っている内容を私にやるなと?」

「辞める気が無いなら別に良いわ。只、そうね……貴女用のドーピングアイテムを造るから、血液を採取させなさい」

「血液を寄こせと?」

「ネイト、問題無いぞ。今回はそもそもその為にネイトをレイシーさんに会わせた」

「血液を悪用されるとか有りませんか?」

「貴女用の強化アイテムを造る際の強化媒体にするのよ。具体的に言えば血と色々と混ぜた結果造ったそれで貴女に血清を造り、血清療法を能力で上乗せした物で耐性系統を万遍なく引き上げてあげましょう」

「……ふむ。対象の血液を媒体に対象の耐性をドーピングする能力、ですか。お願いします」

「じゃあ、血液を採取させてね」

そして耐性のドーピングをして貰いました。……ステータスドーピングアイテムを造る能力が何故耐性ドーピング付与能力に成ったのかが解りませんけどね。

〔……嫌味を言う割には普通に主殿の能力を強化したな〕

「私が能力を与えられる能力だからって同業者が何人かこの女に手を貸して居るのに敵対とか成ったら洒落に成らないもの」

「……貴女は水霧さんの嫁の内の一人と聞きましたが」

「……あの馬鹿亭主がなんだっていうのですか」

「いや、VIP待遇とか大事にされて居ますねって。其処のスプリンガーさんとか全然VIP待遇を受けている様に見えませんし」

「……このVIP待遇は私が弱いからだもの」

「え? 自分に強化を適用出来ないのですか?」

「何故ってさっきの血清の材料の内の一つは、私の血液よ。故に材料が他人にやるよりか少ない状態でしか自分には使えないし、私自身にやるのは他人にやるよりか効果が低いのよね」

「……ああ……」

……強化の方式上、自分に使う事が難しい、か。

〔他の方式は出来ないのか?〕

「……ドーピングアイテムの塊に同種のドーピングアイテムを付け足してストック量以外で絶大な意味が有ると思う?」

〔……調合で別種に変えれば何とか〕

「同じ能力持ちの血液提供をして貰わない限り只の輸血ね、それは。だからあの馬鹿亭主……いや、何でもないわ」

〔……水霧さんとやらが能力を使えるのにやっていないとか有るのだろうか?〕

「……あの馬鹿亭主なら如何様にもやりよう有るのにわざとしてないのよ」

其処で今まで黙って居たスプリンガーさんが会話に割り込んで来ました。

「……レイシーさん、あのさ、あの野郎の擁護なんてしたくないけど、それで超強化して能力獲得なり何なりが更に出来る様にされたら敵が絶対狙うぞ?」

「だとしても自衛の力くらい渡せっていって居るのよ、あの馬鹿亭主」

「……だから代わりにVIP待遇をしているのではないか?」

「……其処のネイトさんみたいに超絶強化を存分にされるならやりよう有るでしょうよ」

 ……レイシーさんはもしかして意図的に能力強化出し惜しみをされているのに私は強化を存分にされている事に苛ついて居るって事ですかね。……うわ、気まずいですね……。

「……あー、ネイトの場合、強化されまくったのは、強化してやらんと普通にネイトが死ぬ状況が起因だぞ。強化した結果増すヘイトが気にならないレベルに既にヘイトを稼いでしまったから、だ」

「……聞き捨てならないのですが」

「……記憶閲覧が足りなかったか……犯人が別だったとは言え、時間巻き戻しの件に手前が干渉して、結果手前は散々他所からヘイトを買ってね。放置していたら暗殺されかねんぞ……が、成果も出したしやられるのは惜しいな、と言う事が、手前が散々盛られた理由。力が欲しいってだけの奴に皆が無条件で散々盛った訳じゃ無い」

「……あはは、あくまで都合の良い話ではない、と」

「……じゃあ何? あの馬鹿亭主は私には力を与えるに足る成果が無いって言いたい訳?」

「……そもそも命の取り合いとかしなくて良い立場の奴をわざわざその立場にさせようと思うか?」

「……あの馬鹿亭主は既にやって居るのに私にはやるなと?」

「……はぁ……何となく予想は付くがこれ以上はあの野郎に直接問い詰めてくれや」

「……」

「……は、話を変えましょうか。その背中の朱色の一対の羽根、何で有るのですか?」

「……これ? 極光役者の操作拡張ツールです。無くても武器として運用出来るレベルに制御出来る方もそれなりに居ますけどね」

「……極光役者の武器転用、ですか?」

「ええ、諸事情から魔法や異能の代替物認定されて居る物ね」

「……諸事情、ですか?」

「知らないなら知らないままの方が良いわよ。どうせその価値無し認定にする事が無難なのだし」

「……」

「ま、それはさて置き、だ。レイシーさん、水霧の野郎を呼んで来ようか?」

「ああ、お願いします。色々と文句を言ってやりたいので」

〔……我達はどうすれば?〕

「居て貰った方が良いかな。ちょっと見せたい物も有るし」

 そしてスプリンガーさんが水霧さんとやらを呼び出しに行き、少し待つと。水霧さんとやらは出て来ただけで少し威圧感が有りました。見た目的には全然そう言う事は無いイケメンなのですが、蛇に睨まれた蛙みたいな感じが根源的にします。

「お三方、待たせたな」

「……スプリンガー、レイシーとは俺はめちゃくちゃ顔合わせにくいのだが何で俺を呼び出したし」

「たまには急かさないとやらないだろお前」

「……はい、はい、わるーございました。さて、レイシー、用事は何だ?」

「……私にも力を付与してくれない?」

「……あー、其処のネイトさんの関連でお鉢が回って来たか。じゃあ、この人形、倒してみてよ」

すると水霧さんは只の木で出来た様な見た目の人形を出しました。

「それを倒せば良いのね? 簡単に殴って終わり、……は? あっ、がっ」

するとレイシーさんの腕が爆散しました。……なんで?

「……警戒心が無さ過ぎ。例えば反射能力持ちとか素殴りやったらアウトな敵にもそれをやる気かよ?」

「流石に露骨にそう言う能力持ちだと解っていたらしないわよ。……後、その木の人形はどう見てもクソザコにしか見えないじゃない」

「バフとかで任意でステータスが変動するタイプの奴なんて沢山居るだろ」

「でもそれ込みでも雑魚でしょうよ、その木の人形は」

「受けるはずだったダメージを反動ダメージとして相手に返す能力。数字は幾ら盛ろうがその盛られた値を参考に能力を行使するから意味ないので」

〔それはインチキというのでは?〕

「仮にレベル無限とかを持ってこられようが、相手が強ければ強い程効果が絶大にインフレしていく系能力は通用するって話だよ」

「ダメージを他所に受け流すも返すも普通に既存に居るわよ」

「いや、扱いとしては只の自傷ダメージ誘発能力だな。与えるはずだったダメージが反動ダメージとして自分に戻る。反射能力と違うのは攻撃自体の反動ダメージを造る際に消費されているから反動ダメージを与える奴の制御権が相手には無い所、か」

「酷すぎるわよ。そんなにやらせたくない訳?」

「いや、わざわざ出した人形に無警戒に殴り掛かる奴はちょっと……」

「……」

「それより腕治すから出してみろ」

「……これで好感度上がるとかは無いからね」

「そりゃそうだ。それだとマッチポンプも良いところだからな。だが、治すだけって言うのもアレだし、爆散させたついでだ。俺の腕を生成して移植しよう。そしたら自己強化媒体に俺の血を使っても強化の見込みが有るだろ」

「……この馬鹿亭主、わざと爆散させましたね?」

「そうだよ。そうならなかったら成らなかったで、別の奴を考えたがね」

……? 腕を生成して移植? 何を言っているのですかね、この人は。……と思って居たら水霧さんはナイフで自分の腕をある程度切り取り、もう片方の腕で大量の薬品をそれに掛け、レイシーさんに薬剤を飲ませたかと思うと爆散したレイシーさんの腕が元通りに生え治りました。

「……は?」

〔……〕

「ああ、其処のリッチはともかくとして、ネイトには記憶封印してから見せるのは初だったか。俺の能力のベースはこういう事が出来る能力だよ。他にももっと色々と出来るけどね。治すだけなら俺の肉片要らんし」

「……えぇ……」

「……まあ、こうイキがるとかした所で星に喧嘩売って生き延びるには些か技術力が足ら無いけど」

「……星に喧嘩を売る、ですか?」

其処でいきなり都合良く軽めな地震が発生しました。

「……てめぇに喧嘩を売る気はねーよ、地脈龍。てめぇを消し去る=星の消滅だから、宇宙空間で半永続的に活動出来たり星間飛行して異星をテラフォーミングしたりする技術力も無いのに喧嘩売ったって死有るのみだし」

更に地震が大きくなり、突然止まりました。

「……あー、やだやだ。流石に星を全爆発離散させて再起不能に完膚無きにまでやらないと倒せない星その物と敵対とか、身内が数十億人居ようが星が無くても永続的に生活出来る様にしない限り、殺し合いに成ったら幾ら個々のステータスがカンストしてようが余裕で全滅するって」

「……いくらなんでもそれは盛りすぎじゃ無いかしら」

「いや、撃破条件が星の完全消滅なら、星が無くても生きられる道を用意し無い限り撃破したら誇張抜きでそう成るだろ、実際。星が無くなっても問題無い世界観でない所の奴は地脈龍相応の奴を殺したら全滅だ」

「……封印とかやりようは有るのでは?」

「試してないから解らないが、試す必要も無いね。敵対とかする必要も無いし」

「……件の話的にそう言う事狙う奴居ると思うがね」

「それはまあ、ルド様辺りがなんとかするだろうさ。……だが、まあ、時間巻き戻しをされる前提で抗議の為にやらかす奴が出ない保証は無いけど」

〔我にはそれは盛大なフラグにしか聞こえないのだが?〕

「まあ、そうだな……地脈龍、聞いて居るなら対策しとけよ、マジで」

そしてビルから出た時にビル前の地面が見える広場からいきなり目測百トンくらいの重さが有りそうな巨石が飛び出て来たのを水霧さんが片手で防ぎました。

「……地脈龍、なんのつもり……ってこれ全部なミスリルの塊かよ……」

〔ミスリルと言うと有名な創作のオリジナル金属、か〕

「そ、それが元ネタ。……只、性能は違って、魔法や異能エネルギーを受けた場合にエンチャント扱いに成って、デバフ効果で有ろうとも受けた魔法や異能の性能が高ければ高い程性能が向上する金属。尚そう言うエンチャント無しでの堅さもダイヤモンドの堅さの七割くらいの堅さが有る、盛りすぎの金属だ」

「それを大量に寄越して来たと言う事は、つまり」

「やばい合金なんぞいくらでも有りますって事かもね。……誇示するなら新規の鉱石をぶつけて来ても良いですよ。地脈龍さん。合金なんぞいくらでも有りますってならそう言う奴出した方が良いだろ?」

その言葉と共に水霧さんが地割れに飲み込まれました。……いくらなんでも調子乗りすぎでしたからね、……南無……そして水霧さんが地割れから這い出て五分後来ると地割れが元通りに成りました。

「ハァ、ハァ、ハァ……何というか、すまん。調子乗りました」

……地脈龍が居るのはガチな様ですね、これは。

〔……しかし、地割れついでにミスリル塊も地の底に消えたのう……〕

「……ですね……」

「……ま、まあ、対策が万全な事が解って良かったじゃないか」

「この野郎、貴様が煽らなきゃ多分ミスリル塊を気前良くくれていた場面だったと思うが?」

「ははは、何の事やら。俺はこれからルド様の所に行くけど、他にも来る奴居る?」

「いや、良い。これぐらいで解散としようか」

「そうか。それじゃあな」

 そしてその場は解散と成りました。……レイシーさんと水霧さんはそんなに話して居なかったですが、良かったのでしょうかね……?


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