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 此処で肉体の変換に付いて少し深堀します。マグナ=ヴァルカンさんの能力は人間をアンデッドの体に変える訳で、その変換でアンデッドとしての能力を付与する事が出来ます。この変換は変換に使う素材が相応量セットで無い限り不可逆です。此処の話のポイントはリッチの成立に必要な最低限の能力なら彼は与える方法を知っている、と言う事です。

〔それで我にリッチの仕組みを説明してくれ、と、来たか〕

「駄目でしょうか」

〔……いや、てめぇアンデッドなのにエネルギー供給なんて要らんわ、と、言われても癪だし触り程度なら〕

「ありがとうございます」

〔……あー、但し、世間一般で言うリッチとはたぶん方式は違うから、他所の奴に当て嵌めるなよ?〕

「解りました。お願いします」

〔単純に言えば、だ、我の体内に有るライトグリーンの炎は能力施行前に我の肉体だった物、だ。我はそれをコストに活動しておる〕

「……はい?」

〔我は我の肉体の制御周りは残る様に調整した上で、それに関わらない余剰分全部をエネルギー的な炎に変換して、それを使い、能力を行使するコストにしておる。故に無補給で無限活動は無理である。最悪空気中の水分でも事足りるが〕

「……ゲームで例えると自分の耐久性をMP変換する能力を使って、そのMPで性能を全体的に本来より上げて居る、と」

〔そうなる〕

「じゃあ、エネルギーの炎の貯蓄性を向上するためにちょっと食べて貰いたい物が有ります」

〔……嫌な予感がするのだが、なんだ?〕

「いえいえ、単にエネルギーで造った食料、ですよ。但し、その前に生身の見た目を見せてくれませんか?」

〔……我の見た目で対応を変える気なのなら、欲しい見た目の希望を聞こう。一応肉付けを自由に出来る故、ある程度なら自由に変えられるのでな〕

「……ではこれを食べて下さい。エネルギー産の一食分の食料です」

私は一錠のサプリメントを渡してマグナさんに服用させます。

〔ほう、これは中々。……魔法で食料を出せる方だったか……〕

「……私には等価交換は極端には突破出来ないので、後で追加でなんか食べないとですけどね。……それで、どうです?」

〔問題無い様だ〕

「それは良かった。MP貯蓄量を増やせばやれる事も増えるでしょうし、色々と用意して貰う事にします」

〔じゃあ、仕事をしに行こうか〕

「そうですね。但し、その前に少しコンビニ寄らせてくださいね。沢山消費する事に成るでしょうからカロリーバー幾つか買い溜めしておきたいので」

〔解った。行くとしようか〕

 カロリーバーを八本程買い、一本ずつ私とマグナさんで食べて栄養補給をした後、仕事場に行く事にしました。



「お、来たか、お二人さん……ってそっちの奴の炎が大きく成っているな。何かしたか?」

「エネルギー供給をしてあげただけです」

「ああ、そう言えばそのリッチは手前のエネルギー産だしな。エネルギー供給をしてやれば強化もされるか」

「ま、そんな所です」

「……ん? なんか間違っていたか?」

「大筋は間違って無いですよ。エネルギー供給の理由がリッチの能力周りの都合上が起因の部分と言うだけです」

「そうか。なら、魔法生物を追加で大量に出してくれ。何時もの仕事を始めよう」

それに私は答え、本来今日起きるはずだった事のリストを確認した後に魔法生物を数千匹出して各地に散らばらせます。

「さて、後はのんびり茶でもして時間潰しをしていても許される立場だが」

「当然、現場に出ますよ」

「そんなに気を張る必要は無いと思うがね」

「……ある程度の事はやっておかないと権力で優遇されているだけの無能扱いに成る気がするので」

「言いたい事は解るが、魔法生物を各地に派遣して事件や事故に対応させる奴が無能なら召喚士とかモンスターの調教師とかはどうなるよって話だが」

「……まあ、確かにこれは私の気分の問題です。優遇されている事に自分で納得する為の」

「そうかい……介入する事件は手前の気分で直前に決めている訳だから待ち伏せされたとしても無理ゲーな状態には成らんとは思うが、手前を殺したい奴は結構居る事は忘れるなよ?」

「露骨なフラグありがとうございます」

「冗談で言っている訳じゃ無いからフラグじゃ無くて只の解りきった未来への警告なんだよなぁ……」

「……ま、何とか成りますよ」

「……メタ創作や議論的には解った所で対処なんぞ出来る訳が無いってレベルの奴以外は初見殺し(笑)だけどな」

「メタ創作的には世界観的に不可能な設定に成って居てもされますけどね」

「まあ、作者がそう書いたからそうなるのだよ、と言う身も蓋もない論調を有りにしたらこれ以上無いレベルに盛られた俺ツエー設定でイキって来られようが皆評価基準が可笑しいとかすらない正真正銘の無能の雑魚の片手間で即堕ち二コマって言うね」

「……それは理屈が可笑しいかと」

「いや、そもそも理屈をかなぐり捨てている奴にはそれで十分だよ」

「……うわぁ……」

〔その話は良いから、仕事を寄越せ〕

「……別に俺としては喋っていてもいいのだがね」

〔仕事を寄越せと〕

「はい、はい……そうだな……今日有るだろう事件で対処した方が良さそうなのは……うーん、地形起因の事故は工事が入っているからその道路自体が使えんし、バスの運転手が飲酒運転起因の事故とかは周りが止めるし、イタズラ起因の事故を防ぐ、って感じかな。具体的に言えば置き石に依る脱線事故防ぎだから、線路監視」

〔……もっと良い奴は無いのか?〕

「じゃあ、電車への投身自殺防ぎだから、駅の見回りかな。ちなみに撮り鉄対応もしてね」

〔……電車から離れんのか?〕

「事件や事故を防げなかった場合の影響は単発のそれとしては結構大きい部類の奴だが」

〔……解ったよ、やれば良いのだろう〕

「じゃあ□□線の◇◇駅を見張ってくれ。其処で電車への投身自○が有る予定だから防げ」

〔……ネイト、行くぞ〕

「じゃあ、行くとしましょうか」

 そして現場に行く事に成りました。


この話に置けるリッチの維持コストが要らない、は、わざわざ追加でコストを貰う必要は無い。

……で、有って、維持コストが皆無と言う意味では無い。

まあ、リッチ化する際の余剰な肉体を全部エネルギー化してるからね。


……あー、後でやるから先に言っておくと、エネルギーで造った奴が受肉したのはこのリッチが肉体変換の能力を持っていた為、


(エネルギーの)人間生成

肉体変換で肉体を獲得(物理化)

その肉体をリッチ化で変換してエネルギータンク獲得


……の、流れ。

なので貯めたエネルギーを使えば通常の人間の身体への再受肉が可能。

尚貯蓄エネルギー量(根拠が余剰な肉体の分が変換される)的な意味で外部から色々取り込まないとかなり弱体化する。



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