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スプリンガーさんの造った世界へと繋がるゲートらしき物が有る所まで来たのですが、トランさんが、


『……あー、うん、なるほど、スプリンガー、お前、此方を罠に嵌める気だったな?』

「……つまり、有効な仕組みを組めている、と。良い意見ありがとうございます」

『……此方がどれだけ能力を持っていると思って居る?……只まぁ能力での対策無しに無防備に入って良い場所ではないな』

「よっしゃ、事実上感情起因エネルギーの生命体は対策無しでは入れないお墨付きだ」

『……ちょっとやってやるか』


するとスプリンガーさんの周りに五十程のモニターが出て来たかと思うと……音ゲーの盤面らしき物が映り、気付けばスプリンガーさんがなすすべ無くボコボコにされていました。


「な、なんだ、これ」

『音ゲーやリズムゲーがバトルに組み込まれたゲームって有るだろ?アレをやってみた』

「……そう言う説明無しだと意味が解らないのだがね?」

『それ狙いの能力だし。対応しないと攻撃が通るが対応の為に必要な事の説明はしないって奴』

「……攻撃までにワンテンポ空きが有るし、高速戦闘には使えないだろ」

『意味不明な奴を出して対処をミスらせるタイプの物だから』

「いや、トランさん、五十個同時に展開された音ゲーを同時にノーミスクリアしろとか、余程温い内容じゃないとそれこそ指が十本じゃ足りなさ過ぎるが」

『そうだね。でもやれる奴はある程度居るから』

「……もうちょっと、こう、手心と言うか……」

『スプリンガーだって対策無しに入ったらヤバイ所に入らそうとしたのだからお互い様、お互い様』

「……クソが」

『さて、スプリンガーの世界に入るとしよう』

「大丈夫なのですかね」

『大丈夫じゃないなら世界を壊すから、そのつもりで』

「……へいへい、解りましたよ。じゃあ案内を開始するとしますよ。ようこそ、アンファングに」

「……ドイツ語で始まり、ですか。良いのじゃ無いでしょうか」

『世界の内容としては物質に意志が宿る事を執拗なまでに潰す世界、か。物質コーティングではなく、そう言った存在を潰す為に万物に過干渉する世界と見たが、……そもそもルド様の世界が嫌な奴からすれば結局は干渉してくる奴が変わるだけの無意味なゴミだな』

「……じゃあどうしろと」

『それを教えるのは此方に不利益にしか成らんが?』

「……そう言う存在へのアンチフィールドを全体に張ってその中で暮らして貰うとか、どうでしょう」

『それが許容出来る奴にはそれで十分だと思う。……まあ、それで良い奴は何故ルド様の世界が嫌なのか意味が分からんが』

「……」

「あの、なら、折角世界を造るのですから、世界中の物質にそう言う存在が宿らない性質を与えれば良いのでは?」

『良いと思うよ。只、その方式だと世界への物資の持ち込みは論外だから他所からの輸入に基本的に頼れなくなるが』

「……背に腹はかえられない、か」

「ちょっと疑問なのですが、トランさん、付喪神の生成条件は一定年月か、対象への一定以上愛着又は一定以上の量の感情って事で良いのですよね?」

『細部は違うにしても大雑把な把握としては』

「それで、最後に挙げた奴が人工惑星に移住した所で無駄な理由、ですよね」

『ああ、億単位の人が移住する星とも成れば、付喪神が発生するレベルの物は余裕で超越する。それが?』

「感情がエネルギーに成る事自体を否定すれば、付喪神の発生は潰せるのでは?」

「……あー、だが、それは」

『ああ、出来なくは無いが、それは意志の力の否定だ。意志依存の力は全部使えなくなるだろう。代わりに他の方法だと使えない奴は使えるが』

「……なら、色々な方式を用意して選ばせれば良くないですか?」

『……それ、つまりは色々な法則の世界を沢山用意すれば良いって話だろうが、それが少なくとも一般人に出来るならこんな話にはそもそも成ってない要求って解って言っている?』

「ですが、完全に彼方を立てれば此方が立たずの案ばかりですし……此処で一案しか出さなかったらやらなかった案を後続にやられて後続にシェア持って行かれますよ?」

「……ぐっ、やるしか、無い、か」

『ははっ、じゃあ、頑張って貰うとしようか』


スプリンガーさんは一気に世界の調整に取り掛かりました。


『ネイトさん、俺らは一度出直そうか。此処に居ても邪魔だろうし』

「ですね、じゃあ、スプリンガーさん、今は此処で失礼します」

「いや、出直す必要は無いよ、もう出来たから」

「いや、速すぎないですか?」

「考案自体は色々と既にしてあったから、試作の奴を適用し直しただけだし。と言う事で追加して意見をくれ」


一通り仕様を確認し、トランさんは、


『まあ、良いのじゃ無い? ご都合主義的に問題全部解決した奴が後出しで出されない限りはだけど』

「ぐふっ、一応手法が何でも有りなら今以上に良い案は出せますけど、……けど、顧客の需要を満たす為に必要な縛り的な意味で限界が、ですね?」

『なら一応そう言う仕様も造っとけ。後続に対する牽制用に』

「解りましたよ。……はぁ、なんか大型の世界を十ヶ所造るくらいのリソースを使って一つの世界を造っている感じ。転けたら洒落に成らないレベルだろ、最早……出来ました」


完成した世界を見て、行けそうだと成った為、スプリンガーさんはルド様の所に行き、手続きをしに行きました。それで私達は修業に戻る事にしました。



音ゲー同時五十個だったら出来るとイキる奴が居る気がするので補足説明。


これは音ゲーでよくある特定の場所にノーツが来たらタップ……の特定の場所の説明が皆無って話だから。

ルール説明無しで初見殺しの理不尽を大量に押し付けている形なのです。

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