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翌日、水霧さんが居るビルの会議室へと通され、盗聴防止機能が付いた通信機器を渡されました。
「あの、水霧さん、どういう事ですか?」
「色々手を回していたらトランさんに興味を持たれておってさ」
「……あの因子神様に?」
「ああ、そうだ。雲隠れするならウチに来い、だとよ」
「……私にそう言うコネとか有りましたかね?」
「いや、無い。だが、予想は付く。ネイトさんが何か能力でも手に入れたか、又は手に入れそうに成っていて、その能力が欲しいって所だろう」
「……可笑しいですね、なんか私フラグ立てていましたっけ?」
「……どうせ因子能力関連だろうから、それ関連の何かだと思うよ。トランさんが待っているから通話を開始しな」
「あ、はい、では、もしもし」
『はい、ネイトさん、久しぶり、で良いのかな。記憶周りは大丈夫かな?』
「……は、はい、お久しぶりです」
『ネイトさん。前置きはともかくとして、本題に行くよ。これから雲隠れ先を提供するし、ネイトさんにちょっと作業やって能力を得て貰うけど、その能力エネルギーを此方にも分けて貰う……で、どうかな?』
「ありがとうございます。ですが、少々話が旨すぎて警戒するレベルなのですが」
『ははっ、まあ、そうだね。……。でも要求する作業内容は言うほどの事は無いから警戒する必要は無いよ』
「では、私が得られそうな能力とは何ですか?」
『……それは得てからのお楽しみ、』
「……」
『……じゃ、駄目か。ならザックリ説明すると、現状のネイトさんは数千万人から信仰もヘイトも受ける立場だ、それは良いよね』
「は、はい」
『小さめな国の国教以上の向けられる感情を選り好みしないなら莫大な信仰と言える物が君に集まって居ると言う事に成る。教主が神様的な扱いの国教だって有るだろうしね』
「……つまり、私が信仰ベース起因の神様に成れる可能性が有る、と?」
『そう言う事。まあ、今のネイトさんにはそれを自分に束ねる手段が無い訳だけど』
「……向けられる感情が何でも良いなら世界規模のアーティストとかも神様に余裕で成れそうですが」
『そもそも因子能力の取得条件が一定レベル以上の感情なのだし、他人から向けられる感情も有りにしただけだから、結果として成れるのが神様かはともかくとして、ちゃんと処理出来たらそれなりな物は手に入るはず。その成果物を少し分けて貰えればVIP待遇しても良いぞ』
「……私専用的な能力に成るかも知れませんよ?」
『その程度でどうにか成るなら今までの能力集めの段階で盛大に地雷踏み抜いているよ』
「……解りました」
『おや? 自分でやるとか言わなくて良いのかい?』
「その方が良いのですか?」
『いや、此方としては助かるから良いけどさ』
「……では、何処に行けば良いですか?」
そもそも独自で教材も無しに神格獲得チャレンジとか正気じゃ無いから、サポート体制有る事はありがたいのですよね。
『さて、水霧には先に話を通したから、このまま転移してきて貰うけど、他になんか伝えておきたい事は有る?』
「……スプリンガー辺りには連絡した方が良くないですか?」
『ああ、彼なら此方に来るってさ』
「じゃあ、お願いします」
そして私の雲隠れ兼修業の日々が始まりました。
数千万人は派兵に依る事件介入で関わった犯人と被害者の総数の事。
まあ、向けられる感情の種類の違いで神としての性質も変わるとかしている所も有るけど、そもそも因子神は多種多様な感情エネルギー大量に蓄えて問題ないし。
……主人公を次巻も続投なら正直話の切り上げ時だが、まだちょっとだけやるんじゃ。




