35
☩
トランさんの所で鍛錬を暫く行い、シェリーさんとの会合当日私達は宇宙ステーションに来ました。
「……宇宙って気軽に来られるのですね」
「例えばスペースシャトルの打ち上げ失敗原因の一つの大気圏突入辺りを星側と融通を利かせながら出来るしな。……まあ、今回の会合を地脈龍が嫌がったならむしろ妨害も有り得たが」
「……なんて物に一緒に載らせて居るのですか」
「まあまあ、怒らない、怒らない。……仮にの、話でしかないからさ。それはともかく事前の最後の打ち合わせをしとくぞ」
それで打ち合わせを済ませた後、シェリーさんに会いに行くと。
[甲原さん、わざわざご足労ごめんなさいね]
「シェリーさんもよくもまあ、無防備に成る様な条件飲んだね」
[あら、私が人工惑星から離れたから無力だ、と、お思いで?]
「……少なくとも人工惑星の付喪神のサポートは無いだろう?」
[もし仮にそれが正しいとしても、人工惑星のサポートが無ければ私自身の実力がゴミです、なんて発言をした覚えは無いのですがね]
その言葉と共に宇宙ステーションの自衛システムが起動し、此方に大量の銃口を向けて来ました。
「……はは、節操無いね。宇宙ステーションの付喪神的な物と融合でもしたのか?」
[まあ、そんな所です]
「……ははは、それこそ空間上に何も無い所でも無いと普通に戦えそうだな」
[何も無い虚空に飛ばせば勝てる、とか思いましたか?]
「……そうされてもどうにかする算段は有る、か」
[ええ、そうですね。本題に入りますが、付喪神は必ず善とは限りません。まあ、付喪神の前提上、此処で言う悪は例えるなら、星への愛着が湧きすぎた結果の過激派環境活動家(非営利目的)ですね]
「うわぁ、それはアレな事に成りそうだ。……排気ガス完全削減を目指して物理的に機械排除を大規模でどうこうしてきたとか成ったらアレだしな」
[星への愛着が前提な以上、星の付喪神と言う存在は星その物自体には害は無いでしょう。星の住人達側への損害は二の次でしょうけど]
「……そんな状態で人工惑星は安全と言えるのか?」
[初期段階から手綱は握って居るのでどうにかしていますよ]
「……過激派環境活動家(非営利目的)が、星の付喪神の人格の一例みたいな物、か。面倒過ぎないか?」
[人工惑星を人と言い換えると、目的以外の犠牲はどうでも良いタイプの方ですしね]
「だが、実際は自衛をしているだけだろ?」
[まあ、そうですね。扱いとしては自衛です]
「……何だかなぁ……」
「他の事は資料に纏めて置いたので、どうぞ」
「ああ、はい、確かに」
[雑談させて貰いますが、あの、私の見た目、どうですか?]
改めてシェリーさんを見ると見た目は薄紫色の袴に赤や黒の色付けの帯を付け、紐で結ばれて居て、両足の太ももは大胆に露出しており、黒を基調とし金色の留め具を付けたガーターリングを左右の太ももに二つずつ付けて、金色の炎の様な装飾を付けた膝まで有る黒色のソックスブーツ。
それで居て胸元は大胆に空いており、圧倒的な巨乳を見せ付けて居て、髪型はショートボブに濃い群青色な髪色と目の色。口元はナチュラルカラーの口紅を付けていて、……と、かなり気合いが入った見た目ですね。……衣服はともかく、身体側は能力でそう見せているだけでしょうから、これ以上はノーコメントとさせて頂きます。
「かわいいはかわいいけど、その格好で外を歩く前提なら結構攻めた格好しているよね。でも、その格好がこの場限りのエロで釣ろうって言うならもっと薄着でも良い気がするけど」
[……エロに耐性付きすぎでは?]
「あくまでも服の体裁は保っている物だからね」
[ほぼ裸に成れと?]
「其処までは言って無いよ。なんて言うか、常使いするには薄着過ぎるのに、ド直球のエロで誘惑するには割と厚着かなって。只、胸元を隠したら常使いも問題無さそうな服だよね。下半身はミニスカートにニーソックス履いた感じに出来るし」
[……思ったよりガチ論評が来ましたね……]
……何を言って居るのですかね、シェリーさんの服装はかなり気合いが入って居る服装だと思うのですけど……。
「そもそもそう言う事をやりに来た訳じゃ無いのだし、そう言う誘惑に乗る期待をされても困る」
[……えぇ……私の見た目にはかなり自信が有るのですがね]
「良い見た目な事は否定しない。けどあいにくシミュレーターでの嫁の能力も含めると、見た目を変える類いの能力なら散々使ったり使われたりして来たから、ヴィジュアルの暴力にはある程度は既に耐性が付いているよ」
[……強がっていませんか?]
「もしそうだとしても、仕事をしに来たのであって浮気をしに来た訳じゃ無いから、対応としては当たり前だろ」
[……良いです。もうキスはさせて貰いましたから]
「……おい、つまり空気と融合したのかよ」
[もっと早く気付くべきでは?]
「……これ以上長居は無用だな。資料は感謝するが、帰らせて貰う」
[あはは、私がそれに価値を感じるなら、もう私の身体は穢れ切って居ますよ]
「……はぁ……つまり、冗談って事か」
[まあ、その観点からすれば人工惑星に来て貰った方が都合が悪かったですね]
「……帰ったら身体全体破棄して新しい身体に変えるわ」
[……そんなに嫌ですか?]
「嫌だからそもそも人工惑星に行かなかった訳で」
[……貴方の事を私は好きですよ?と言うか貴方よくそう言う事をやって居るじゃ無いですか]
「……あー、うー、……それは自分の中でちゃんと線引きをしてやって居る事で、今回とは事情が違う」
[じゃあ私とはその線引きした上で良いので、やりませんか?]
「……はぁ……線引きの定義を並べるのはちょっとアレだから説明したくないけど、やりたくない」
[……やればちゃんと貴方と協力関係を結ぶと言ったら?]
「…………ネイト、これを渡しておく。少し離れていてくれ」
すると天眼石を渡され厄介払いされました。……と思うとほんの数分後水霧さんは私の所に来ました。
「……逃げて来たのですか?」
「いや、ちゃんと”間接的に”相手はしたよ。言葉遊びみたいな物だけど、それで良いって言ったのは彼女だから」
「……一応、彼女の好意を元に引き込むって話ではないのですか?」
「……俺に浮気をしろ、と?」
「其処までは言いませんが、それなりの対応はしてあげるべきかと……」
「……」
「……今からでも良いので、また行ってあげたらどうですか?」
「あー、何と言うか、な。そもそもそう言う事をやりに来た訳じゃ無いから、ある程度以上の事は嫁と審議しないと、なのだよね」
「……ならどれくらいの事なら出来るのですか?」
「……そこ突っ込む?」
「審議が今から直ぐに出来ないとしても限界値ギリギリくらいはしてあげるべきかと……」
「……はぁ、説明したくないのだけど、しないと納得しないか」
すると水霧さんは小型の人型を造り制御を始めました。
「要はこれに彼女の相手をさせている」
「……はい? つまり?」
「既存の考え方で答えるなら機械(自分の身体ではない物)でどうこうやって居るだけだから、俺自身はそう言う事はやってねぇ」
「……前戯(自分の身体は使わない遠隔性行為)ですか?」
「まあ、そう言う事」
「むしろよくそれで貴方の嫁が許しますねレベルで踏み込んでいませんか?」
「これをノーカンに出来ないと不味い能力持ちの嫁も居るのでね」
「えぇ……多分アーバーンさんの事ですよね? どういう能力を持つのですか?」
「……あー、アーバーンの事で合っているけど、今回は関係ないから別に良いだろ」
「……また言いにくい能力なのですか?」
「能力的には只の定義の拡大解釈がされただけの水霊が魔改造された存在ってだけだよ」
「……それが今回の事を許す根拠に? ……ちょっとよく解らないですね」
「……これ以上の説明は断る。まだ公には開示していない奴も有るしな」
「……釈然としない気がしますが、もう良いです」
「なら、後二十分くらい時間潰したらシェリーさんの所に戻ろっか」
「……彼女が可哀想とは思わないのですか?」
「とは言え、結構譲歩して居る事では有るからね、今の話も。それに彼女的には俺とやったと思って居るだろうし」
「……水霧さんは嫁相手に能力で生成した自分のパーツを使って色々とやらないのですか?」
「……やるとしても、今回みたいな時に彼女等にやらない事もやって居る。それもやるなら其処から先は要審議、だ」
「……」
「……ってちょっうお、」
[聞いていますよ? これで浮気、ですね?]
「……後で身体は全部破棄して交換すると言ったはずだが?」
「……な、何が?」
「……こんなのノーカンだ、ノーカン」
[……貴方に取ってはそれで良いです。私はそうは思いませんが、貴方の嫁への言い訳も必要でしょうし、ね?]
「……はぁ、協力関係を結ぶって事で良いのだな?」
[ええ、良いですよ。ま、私の独断ですけど]
「……おいおい、冗談だろ?」
[いえ、大真面目ですが]
「……なら企業間の話でも有るのだし、契約書を書いてくれ」
[良いですよ。まあ、独断なので、色々と問題が起きるかも知れませんが]
すると水霧さんは契約書をの束を出して四分の一をシェリーさんに渡します。
「……はぁ、ともかく、これにサインしてくれ。契約内容も独断で決められる範疇にしておくから」
[後の奴にはサインし無くて良いのですか?]
「今の状況には意味ない奴だから良いよ別に。幾つかのパターンに合わせて事前に契約書の文言を練っておいて居てね。その内の一つが使えて何より」
[……そう言う事なら……]
シェリーさんが契約書にサインしてからその場は解散に成りました。地球に戻ってから、私に契約書を渡した後、水霧さんは用事を思い出したと言って直ぐさま離脱して行きました。……多分、身体全体破棄して入れ換えするのと、嫁相手に何かするのだと思います。……さて、私はルクトさんの所に行きますか……。




