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動画配信サイトで人工惑星に付いて追加で情報が開示されるそうなので、集団で見る事にしたのですが、その画面には聞く所に依ると売れ筋のグラビアアイドルの上位十名を足して十で割ったかのような美女が群青色のドレス姿で画面に出て、ナレーションが流れます。
[私達は人工惑星を形成し、付喪神が居ない形で運営しようとしました。……しかし、理由は不明ですが、弱い付喪神が人工惑星に産まれてしまいました。なので、私達は彼女、つまり、シェリー=アグライアを付喪神とリンクさせ、制御に成功しました]
此処でペンタクルさんは映像をストップし、言います。
「……酒の名前、ねぇ?酒の輝く女って意味だとか無い?これ。後、酒を武器にする奴が前に居たから身構えちゃうわね」
『アグライア。そいつは神話の女神で、ヴィーナスの化粧をやって居る奴らしいが、ぶっちゃけると、此方が使いたかった名前では有るな』
「それはともかくとして、相手方の取った方法は付喪神を造り、一人がそれと融合する、でしたか」
『前に言及したグラビアアイドルが星を生成云々のネタはニアピンだったな。……只、此方の方が性質は悪いが。要は星の擬人化存在に成りやがったぞ、彼女』
「続きを再生するわね」
動画を再度続きから再生します。
[それにより、彼女は星の全ての管理権を得ました。前提条件の付喪神の格的な事も有って、地脈龍よりは弱めですが、優れた環境を提供する事をお約束させて戴きます。……最初の謳い文句と話が違うではないですか、ですか? ……私達としても、こんなにあっさり付喪神が産まれたのは計算外でして、軌道修正の結果でございます。……本来こんなに簡単に付喪神は産まれないはずなのですが、少し派手に動きすぎましたかね……]
再び、再生を停止するとペンタクルさんは言います。
「絶対嘘ね。……しかし、画面に出ている美女は流石にコラかしら?こんな美女が芸能人で居たら話題に成らない訳無いのに知らないのだけど」
「極光役者を使って居ると言う話ではないのですか?」
「あの見た目は覚えている限り違うわよ。実在人物ベースの見た目をミックス、なんて、ディープフェイクの温床に成りかねないから注文を受注する訳も無いし。MOD技術の流用の見た目かも知れないから、それで造ったかも知れないけど」
『MOD技術に関してはVR内部の事だけだし、なんか追加で造ったのか、……それともああ言う見た目に成れる能力が有るのか』
「多分、映像内部の特殊効果で見せているだけor極光役者の違法改造or能力でやった。この三つのどれかのはずだけど、水霧さん、何か予想出来そう?」
「あー、それについてだと、なんか、彼女の動きが少しだけ不自然だな」
「不自然と、言うと?」
「何というか、固めの型紙が混ざっている全身タイツを着ている様な感じ?体の動きと表皮の動きに少し違和感が有る。まあ、気のせいかも知れないが」
『つまり、特殊メイクか何かって事か?……あの美貌が特殊メイクで量産出来るならそれだけで荒稼ぎ出来そうだが』
「能力って事なのだろうな……皮を被る系かね?」
『……美女の皮を被り、化ける系、か。化けの皮の語源にそれっぽいのが居るぞ。画皮って言う中国の妖怪だが、ね』
「化けた相手方の能力を得られるとか有るのかしら?」
『……詳しくは知らないから何とも言えないし、何なら元ネタがそれってだけなのなら元ネタ通りと考えるのはむしろ罠だから何とも。只、それなら付喪神との融合も説明は付くか……』
「動画のこれから後の部分は付喪神と彼女が融合した事に依るセールスポイントを並べ立てて居るだけみたいですね。……前提条件上、その上位互換を地脈龍が出来る可能性が高いと考えるとアレですが」
『星で起きる自然現象を意図的に起こせる為、いわゆる自然の要害を星規模レベルで造り放題、か。……フィクション的には災害が起きようが何だろうが問題無い奴も居る気がするな』
「だが、何の力も無い通常の人間相手には十分だろ。此処で言う通常の人間の尺度が魔法や異能とかで世界観として嵩上げされている奴を通常と言う所の奴は知らんが」
『星に入る上で検問所設けて審査通った奴だけ転移ゲート通ってよし、とかしていた場合、不合格者がゴリ押しで星に入って来られたと言う状況が起きたなら割と突破出来そうだが』
「うーん、地脈龍もそうだからアレだけど、星の重力も操れる訳だよね? ……星の重力に囚われている分際で俺の方が強いって言われてもアレじゃ無い?」
『それに付いては星その物が敵と言う状況に成った条件の奴以外は余り参考には成らない気がする訳だが』
「城や迷宮が敵ボスと繋がって居て、倒すと崩壊、は、ある程度の数のゲームや作品で見ますね。只、ゲームでボス撃破後に脱出シナリオとか挟まれて脱出失敗したらボス倒し直しとか成ったらクソゲーだと思いますけど」
『その話で言う崩壊が星全部に行き渡ると思うのだが、それは……』
「地脈龍がクソゲーなのは其処ね。地脈龍が宿る星が無い条件で生きられる奴でも無いと殺す場合は基本的に相討ち前提だし」
『それに付いては自分の死=世界の死の奴を封印して無力化する作品は有る。星の付喪神足る地脈龍にそれをして無効化した場合、地脈龍の生成エネルギー扱いの資源も追加が無くなって枯渇するだろうけど』
「うわぁ……」
「その点では今回の話である程度克服されているけど、地脈龍を倒してわざわざ移住した所で、その他大勢に取っては嫌がる理由の部分は改善されないから、……彼女のヴィジュアルに釣られた人以外は移住する価値は無い様に思える」
『まあつまり、誰が主導かが変わるだけでオプションが色々付くとしても前提条件自体は変わらない。……今回の話に乗る奴は相手方の身内を除けばエロに釣られた奴の比率は高いだろう』
「実際、需要が有った一番の根拠を投げ捨てて居るからな。地脈龍自身が男性か女性か無性か両性か知らんからアレだが、少なくとも移住したら対外的には女性の……具体的には自主規制させて貰うけどもね」
それから追加で色々と話し合いましたが、要するに需要が有った一番の根拠を投げ捨てて居る代わりに、様々なオプションとエロ需要を大量に盛り込んだ場所。それが今回の人工惑星に成る、と言う話だと思います。そしてペンタクルさんは呆れながら締めくくります。
「膨大な人数の移住とかは起きそうに無いけど、ある程度の人数は移住しそうね。……付喪神と融合した彼女がどれだけやれるか、が、不透明だから、彼女を侮った犯罪目的の移住者もそれなりに出そうだし、お手並み拝見と行きましょうか」
私達はアトラクションの運営補助に戻り、成功を収め、人工惑星周りの話を高みの見物する事にしました。
シェリーさん側の流れとしては、
地脈龍を無力化しよう。
↓
交渉失敗
↓
強行するために地脈龍(付喪神)を御する能力を用意しよう
↓
用意出来たが出力不足の為失敗
↓
新規で星を造りそれに移住しよう
↓
それに付喪神の意思が宿ってしまった
↓
それに宿る付喪神を御そう
↓
成功したので商売に使おう←今ここ




