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人工惑星の評判としては、地脈龍から逃れたい人にしてみれば好評では有りましたが、大規模な宇宙ステーションを自前で造れる様なレベルの大富豪はむしろ自前でそう言う物を造る為に動いた様で、トップ層の大富豪の大々的な抱え込みには失敗した様です。
人工惑星は賃貸形式で沢山の方が住める様にはされましたが、前提条件的に初期から移住するのは人柱に成るだろう形な為、其処まで大々的な移民は発生していません。
理由としては付喪神から逃れられる期間が何ら保証されて居ない為、移住の為の大金を払う事が割に合わない可能性が割と高い為です。つまり、移住したいにしても、様子見勢が結構多いと言う事ですね。
まあ、付喪神が産まれる為に必要な物的な意味で大勢が住むと身も蓋もない事に成るだろうとは言え、ある程度以上の富豪にはそっぽを向かれ、前提条件上移民も言うほどの事は無いレベルの人数でしかない。……掛けた金額のレベルまで集金出来るとは思えない無惨さですね。あ、いや、全部能力産なら元手なんて無い様な物だから、儲けは出ますかね? と、思って居たのですが、宇宙に大きめな人工惑星を配置する場所の利権なり何なりとで馬鹿に出来ないレベルの金額が掛かって居る様です。
……ま、例えば人造衛星の月とかを造り近場の宇宙に配置するとして、近場だと潮の満ち引きに影響が出ますし、近場に気軽に人工惑星は配置出来ません。日照権とかもやばそうですし、重力で引かれ会って衝突なんて事に成ったらそれこそお終。
故にある程度以上離れた場所に配置するしか無いのですが、能力か何かでワープゲートとか軌道エレベーターとかを用意出来ないと物資運搬の予算は幾ら有っても足りない様な気がします。……なのにある程度以上の大富豪からは前提条件上そっぽを向かれたとか痛恨のミス過ぎますね。
纏めますと、人工惑星への移住は短期的に見れば星の付喪神から逃れる手段としては正しいですが、付喪神が人工惑星にも産まれない保証は無く、人工惑星に付喪神が産まれたら適宜新しく人工惑星を追加で造るなら、必要な予算は様々な理由から、正しく青天井レベルに必要なのにある程度以上の大富豪は出資をしていない。
……経済的な意味で盛大に破綻するのが目に見えて居て、目に見えた地雷や泥船認定も止むなし。
まあ、この話を見て惑星創造能力が有るからそんな予算無くてもやっていけるよ。とかほざく人はこの話を根本的に理解出来て居ないと思う訳ですけどね……。
惑星創造エアプな意見では有るので、私が予想出来て居ない万能的な能力が有るから大丈夫、とか言う奴は出るとは思いますけど、能力無しでやるなら必要な予算は青天井なのは変わりませんし。
……と言うか、私が幾ら問題点を述べてもそれらを全部解決出来る能力が有るから出来るよ、と言われたらアレでは有ります。そしたら、星の王とか余裕で成れそうですよね。
それに、実際にやれた奴が居る前提での話なのですから不可能とは言いません。この話は惑星創造能力で惑星を造れる、造れないではなく、造った場合に起きる問題点に付いて言及している訳ですし。
只、私自身も想定不足な事はある程度あるので自戒も籠めて言いますが、後出しな特殊条件等の想定不足ならともかくとして、普通に解るレベルの条件を精査すると解るレベルの事はデカイ事をやる際には他に指摘されないでも対処出来ないとキツイですよね。……本当気を付けないと……。
数日が経ち、説明会が行われた結果。
「……万能的な能力で遠方の星の水とか空気とかガスとかを持ってきて、それを対価に星を造った為、使われているエネルギーに誰かの体液的な意味は有りません、か」
会議室で会議しているとルクトさんが呆れながら発言します。
『万能的な能力で超絶遠方の知られていない惑星から素材を調達してそれで星を造る、か……それが出来たら苦労しねぇよ、過ぎるな』
〔前提条件上、天文学的にも未発見な惑星産の物が相応しいと考えると、天体望遠鏡で見える範囲の星の素材は論外であろうし、そう言うレベルの遠方から引っ張ってきたと考えるとそうとしか言えない検案なのが何とも〕
「何より、実際にそう言うレベルの星まで短期間で現地調達に簡単に行けるのなら、最早人工惑星形成を狙うより、住む事に丁度良い環境の星を探した方がコスト的には現実的よね。故になんか嘘臭いわね」
「例えば素材の取り寄せ能力とかが有れば何とか成るかもしれないですけど」
「……面倒ね。実際アニメにそう言う道具は有るけど、何も手順踏まずに強奪する形だし、異星人の資材を奪ったとか成ったら要らないヘイト買いそうね……」
『まあ、それは時と場合だし、天体望遠鏡で見える範囲は論外と言うのも対象から恒星を除外したら、ワンチャン有るかもしれん』
「ガスも持ってきたとか言って居たわよね?」
『……うーん別の銀河の小惑星をある程度の数丸ごと持ってきて材料にする、とかするなら、そう言う物を観測出来る能力や魔法持ちか国がバックに居る天文台くらいしか詳しくは知らない気がする』
「それにしたって天文学者も知らない様な星の方が素材として使う上では都合が良い、わよね。だから、命名される前の星を大量に見付けないと駄目、よね」
「詳しくは知らないのでアレですが、見付けた星に大切な人の名前的な物を付けて大切な人へのプレゼントにするのには使えるとかやったアニメも有りますね」
「ロマンチックね……」
『……何というか、人工惑星を造る奴が出て来た以上、それをやる奴が出そうだな』
「あー、野球スタジアムとかだとスタジアム自体の命名権を期間限定で与えて、企業とかが企業とかにまつわる名前をスタジアムに付けて、スタジアムに言及される度に宣伝に成る様にする、とか有るわね」
『それを言うなら競馬とかもレース毎に名前を決められる、とかやっていて有名人とかがたまに買っているな』
「……人工惑星の名をそう言う形式にすると思う?」
「人工惑星の命名権を競売に出したら億とか兆とかレベルに要求しても買う奴は居そうですね」
『……うーん、そんなに都合良く行くか?宇宙ステーションを造れるレベルの大富豪からはそっぽを向かれているのに』
「有り得るとしたら何処かの国が買って人工惑星が我が国の物だと示す為に使うとかかしら?」
『それだったらそもそも競売に出されないな』
「……どうなのですかね……」
『スタジアムの命名権の年間契約で数億払え、……は、実際に成立した実例は有るし、規模的には年間契約で数十億払えレベルならワンチャン有る気はする』
「流石に規模的な意味でスタジアムの十倍程度だと叩き売りだと思うのですがね」
『仮に契約期間を十年保てば数百億円は懐に”不労所得として”入る訳だがそんなに安いかね?』
「運営費用とか数百億で済むのですかね?」
『あちらを能力で粗方片付けるからセーフとか思ってそうだぞ。根幹と成る能力持ちが少数だと過労に成るレベルに必要な作業が少数に集中する形に成る気もするがね』
「……ルクト、それは俺に対する嫌味か?」
『……ああ、水霧、お前とお前の嫁達が昔そう言う立場をやらされていたのだったな』
「……他所に問題は起こされたが、日常的な実務作業自体の破綻はしなかったぞ」
「……何の話ですか?」
「……昔、色々と有ってね」
『まあ、つまり、普通に考えると過労物だが、持つ能力次第ではどうにか出来る。相手方の能力は隠されて居るから何とも言えんがね』
「相手方の説明が正しい前提で考えるなら、相応な質と量の素材が有れば何でも造れる的な能力辺りは有るかしらね?」
『素材調達は実際に宇宙を短期間で移動する手段を確立したのか、創作でたまに有る売買系能力で購入したのか、有名アニメに有る様に無理矢理遠方とゲートを繋ぎ取り寄せたのか。詳しい説明は伏せられたから解らんな』
「一応、能力とか魔法とかで素材を生成して用意したけど、嘘を付いている可能性も有るぞ」
『色々と方法論自体は考えられるが、どれをやっているのだろうな……』
「まあ、付喪神の宿っている素材をベースにせず、能力産でも無いなら、手法はどうでも良かろう。……それが嘘で能力の生成物だったらアレだからある程度は詰めないといけないけどさ」
『付喪神が宿っている素材、か……水霧、確かお前、付喪神を簡単に造れたよな?件の人工惑星を付喪神にする事は真面目に止めろよ?』
「……流石にやらないさ。……他人がそれをやらない保証は無いがね」
「え? そんな事が可能なのですか?」
「ああ、出来る。只、対象が星とも成れば流石にやった事を隠蔽する事は難しいと思うからな。した後がヤバイと思うよ」
「盛大なフラグ過ぎませんか?」
「何でも有りルールなら、むしろ運営側が造ってそうだがな。星に宿る付喪神に対して運営側が主導権を握っている形に出来る訳だし」
「……それ、移住する意味無くないですか?」
「少なくとも、運営側には利点は有るさ。付喪神の影響下からは逃れられる。まあ、運営側は、ね」
「それじゃあ詐欺じゃないですか」
「だからそもそも造り方周りが嘘じゃ? と言う話が出て来て居る」
『宿る付喪神を完全に掌握して運用しよう……と言う奴は一つのモデルケースとしては有りと言える物だ。……全部自分達だけで造れる人達にしてみれば、ね』
「……陰謀論を並べようと思ったら幾らでも並べられそうでアレなのですが」
「だとしても喋りたくない事は解るからアレだな」
「……」
地脈龍と言う付喪神の影響下から逃れよう……と言う事を主目的に据える事は良いとしても、代わりに別の付喪神の影響下に入るだけなら意味が無い。……と言うのが民衆の考えだとしたら、
人工惑星を造ってもそれに付喪神が何時宿るか解らないので、そもそもそれの付喪神を自分で造って地脈龍みたいに手を付けられないレベルに成る前に御してしまおう、が、運営側の考えだと考えられる、か。
……両方考えて居る意図は解ります。……人造の付喪神の扱いがどうなるかは割と詳細に説明して貰わないと困るレベルの話ですが。
『あくまでも今回の話は予想でしかないが、予算的には意図的に星の付喪神を新規で造ってそれを御せれば、新しい人工惑星を適宜追加で造る必要は無くなる故に必要な予算を無茶苦茶抑えられるから、俺が運営側ならば、そうする。それに地脈龍への対抗馬を造る事にも活かせるし』
「……なら、このまま看過したら不味いのでは?」
「間違いの無い様に言えば、これはあくまでも推測でしか無い。意図的な付喪神生成をしたら色々と都合が良い条件と言うだけだな」
『付喪神生成の流れは妨害するにしても、後は様子見って所かな』
そのまま数日が経ちました。




