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そして私とミラージュさんが会議室に移動すると、水霧さんがゴーグルみたいな物を見せて来ます。
「これって何ですか?」
「MR、つまり複合現実のコンソール、だ」
「……其処まで取り急ぎ会議をする事ですか?それだけなら既製品で無かったですかね?」
「そうね。問題なのはそれで何をやるか、だけど」
「あ、忘れていた、これも出さないと、な」
そして水霧さんは追加でシューティングゲームの銃型コントローラーらしき物を出してきました。
「……まさか、複合現実で出した電子的な奴を相手にシューティングゲームをやるって事かしら?」
「そう、それ。大規模なそれをやるエリアは流石に限定的だが、リアルシューティングゲームとかリアルゾンビホラーゲーとかが現実で出来るらしい。それで今度テーマパークに出張して、盛況なら本格的な地域を丸ごと造るってさ」
「複合現実が有る事が前提の街を造る? ……何それ……ちょっと、テーマパークに出張するのは何時かしら。行くわよ」
「……そう言うと思ってテーマパークの業界団体相手の招待チケットはある程度の数を確保したけど、地域を丸ごと巻き込んで皆がMRをやるテーマパーク(地域)、か。面白そう過ぎるな」
「……造るのに幾ら金を掛けたのですかね?」
「さあ? 只、MR自体は昔から存在する技術では有るし、特定の点在する土地でARのボスを倒す奴ならアニメにも有るわ」
「……だが、この話だとテーマパークを造ってその中のほぼ全域でMRを使ってリアルゾンビとかを倒すシューティングゲームをするエリアにする、だ。データを差し替えればバトロワとかも出来るだろうし、物理的な意味でFPSゲームの主人公に成れる場所に成るだろう」
「極光役者の見た目変更の利点が何処でも使える事くらいしか無くないですか?」
「MRで自分の見た目を変えるのはMR利用者相手にのみのはずだから、MRを使って居ない相手にはMRが関係ない見た目にしか成らないはずよね……」
「とりあえずチケットはこれ。俺は他の奴にも話して来る」
すると水霧さんはチケット四枚枚を私達に渡し、慌ただしく別の所に移動して行きました。チケットの内容に目を通してみますか。
「……日程は、二週間後、ですね」
「……アイディア自体なら考える奴は昔にも居たかもしれないけど、現実でやりやがったわね……」
「MRを使って行うリアルシューティングゲームのテーマパーク……此方がやりたかったですね」
「まあ、それは言ってもしょうが無いわ。……まあ、只、幾ら金が掛かって居るのかしら?レベルの話では有るから、造る前にテーマパークのエリアを間借りして様子見をするのでしょうね」
「……私達も何か用意しましょうか」
「……そうしたい所ですが、MRを此方も造るのは後追い感満載ですよ?」
「じゃあ何を私達は造るべきかしらね?」
「……エレメントソフィアの種類をもっと増やすとか?」
「さて、どうした物かしら……」
水霧さんが大体の説明を終えた後、ブリッジズさんが呼び出されました。
「水霧殿、何で有ろうか。まだワシの新規のエレメントソフィアは出来上がって無いのだが」
「クラフトライト社から注文が来ている。エレメントソフィアにスタッフの技術でモンスターのAIを造れ、だと」
「……ワシにやれと言われても、テンプレ中のテンプレで量産されている見た目の奴以外は機械学習の元と成るデータはパクリと言われない様に調整出来るレベルには無いのだが」
「そう答えたら人型モンスターとかテンプレ的なゾンビとかなら行けるだろうから出来ないか? だとさ」
「……ふむ、そのレベルで良いのなら」
「それとミラージュさん、もう流れで解ると思うけど、弊社の極光役者でモンスターに扮したエキストラを用意したいので使わせてくれって打診が来ている」
「……あー、そう来るのね。……うーん。私達にも利点が有る話では有るし、件のテーマパークの利権に食い込めそうだから、使わせる事は有りだとは思うのよ」
「じゃあ許可と言う事で良いか?」
「私達側が極光役者でモンスターに化けるスタッフを送り込んでスタッフとして内偵して貰いましょう」
「……エグイ事考えるな……」
「それならお互いにWIN―WINでしょう?」
「解った。なら、何人くらいを送り込む?」
「……うーん、テーマパークに借りたエリアの広さとローテーションから考えると二百人くらいは行かせた方が良いかもね」
「じゃあ、そう言う事にしよう。……しかし、モンスター役、か。楽しそうだな」
「それとの戦いが売りに成るのだから、そりゃあそうでしょうね。さて、皆さん、準備に取り掛かるわよ」
ミラージュさんの号令で皆が準備を開始しました。
MRとか言ってるが実際にはXRですね。




