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変幻外套はともかく、変幻鎧に付いては、着用しない一般人からすればインテリアが場所を取らずに運搬出来る、くらいの利点しか無いと言う評価に落ち着きました。
着用する人から見ても素材縛りが存在するため、持ち運びが通常の鎧よりし易い以外は最高の鎧とは成らず、着心地にも限界が有り、それを良くしたければ追加で内側に着込む事が必要で、同時に幻日礼装を内側に着込めば良く無い? 的な寸評に成りました。
つまり何が言いたいかと言うと、対抗の為の商品を出したつもりが実用するなら両方を併せて使った方が良いよねと言う寸評の商品に成ってしまった、と。持ち運びのし易さから展示品用のレプリカ運用は可能そうなので、美術館とかからは鎧以外の変幻シリーズの類似商品を出す予定は無いかと問い合わせがある程度の件数来ました。後、コスプレ衣装用にも問い合わせは有りましたね。……需要が有る所には有る様ですが、事前に思って居たのと違う、過ぎます……。何せこの方式だと質量が変わらないので……。
「……需要が有る場所が無い訳では無いわね。それにコスプレ衣装に使うなら、見た目だけの衣装の方が重さを抑えられる気もするから、収納スペースを取らないくらいしか利点は無いはずよね?」
『戦闘利用目的だと形状記憶合金以外は使えないって言う材質縛りがキツイよな……』
〔インテリアとか、美術館の掲示物のレプリカ運用とかには十分有りだから、需要自体は有るにせよ、最初の想定程じゃ無い、な〕
『圧縮処理しただけ質量が小さく変われば良かったのだが、まあ、そう上手くはいかないか……』
「……うーん、形状記憶合金が武器に依る破壊からも自己修復可能とかに出来れば可能性は感じるのだけど、この方式を戦闘中にやる場合、鎧を着込んだまま形状記憶合金が元に戻るレベルの加熱をしないといけないものね……」
『そのレベルの熱を耐えられる奴のみ運用可能装備、か。ゲーム的には装備条件付き装備でなら有りでは有るレベルだが……現実としては装備条件を満たしていない奴が勝手に無理矢理身に着けて自滅しそうなのが何とも……』
〔自己修復機能付き装備とはロマンが有るが、戦闘中に装備しながら科学でやるには運用の必要最低限の条件がキツイ、か……ままならんな……〕
「それに此処で言う自己修復対象は打撲とかでの変形のみだしね。自己修復機能付き装備と銘打つには機能が限定的に成るわ……」
「……本来なら科学だけで自己修復機能が限定的にとは言え再現出来る事自体が可笑しいのですがね……」
「ネイトさん、でもまあ、魔法や異能が有りと言う人達からすれば魔法や異能で全部修復する力よりは劣化品だもの」
「どんな条件でも使うには必要な装備条件が有るとは言え、魔法や異能に頼らないでも運用出来る物としては価値が有るのでは?」
「ま、魔法や異能在りきに成る世界観じゃゴミよね。規制なり何なりが有る条件だから価値が有るだけで」
「……いや、体液扱いと言えないエネルギーが前提の世界だと確かにそうですけど、少なくともこの世界だと体からの精製物扱いの物だから極力使わないで済まそうって流れの状況ですし、世界情勢的には需要は有るかと。……まあ、何でも自由に出来る魔法とかが有りなら、ゴミ呼ばわりも解りますが……」
〔しかし、ローダー家の創造主とやらはともかく、エアデーとやらは味方に引き込めんので有ろうか?〕
『無理だな、そうする理由が無い』
〔力を与えるとか出来るのだから与えれば良くないか?〕
『……実質の全能相応の能力を持っているから無理だな、その路線は』
〔……なら、どんな能力を持つか解って居るのか?〕
『ローダー家の力は、幻の力と書いて幻力。効果は自分のエネルギーが当たる場所を自分が望む現実に塗り替える、だったかな?方式は予想だが、水掛け論で勝てないと話に成らないタイプの能力に成るのは間違いない。メタ創作では水掛け論的に負ける、で、終わる話だが』
〔……なんだ、只の幻惑能力かよ〕
『ベースが仮に幻惑能力で有ろうとも、事実上の現実改編能力だ。……対象方法と思われる物が一応予想は付くとは言え、ね』
〔……〕
「それ元ネタ側に現実改編能力は無い、わよね」
〔は? 嘘って事か?〕
『いや、嘘と言うか、ネーミングの元ネタってだけだろそもそも……』
「勝ち越されて居るだけで全敗はしていないのですよね?勝ち目有るのですか?」
『代わりにこっちは技術として真空崩壊が出来るから』
「……えぇ……真空崩壊って起きたら全部壊し尽くす奴だった気がするのですが……そんな物振り回して大丈夫なのですかね……」
『ザックリ説明すると、空間にエネルギーを加える事で、真空崩壊が起きる原理の条件を無理矢理に満たす』
「はい?」
『イメージ的にはドミノ倒しの一つ目を倒すとか、回っている独楽にアンバランスな重りを付けるとか、かな』
「……ああ……一つ目の例えだと、加えたエネルギーを自分で取り除く=ドミノ倒しを途中で中断させる、ですか。……規模周りは何とか成りそうですね」
『そうだな。まあ、この話はこれくらいにして、これからどうしようか』
「対抗商品を出したつもりだったのに、どちらか片方ではなく両方一緒に使った方が良いよね。と、成った、だものね」
〔悲観せずとも既に一応相手側が満たせない需要を満たす商品を出す、と言う点では意趣返しは出来ている様に思うが〕
「まあ、それもそう。光の反射の為の仕掛けや、衝撃吸収ジェルとかが商品の前提条件上の肝だから、それを衣装にぶち込む上で邪魔に成りそうな類いの衣装は無い訳だものね」
「現実改編とか普通に星滅ぼせそうですけど」
「参考迄にTNT換算で80Ttは越える威力は無いと論外よ」
「……はい? 何ですか、その数値は?」
「調べたら偶然知ったけど、要は恐竜が滅びる原因に成った隕石の威力がそれくらいだと言われている説が有るらしいわ。それで星が滅びて居ないのだから、アレよね。創作的には星を滅ぼす一撃とか簡単に書けるけど」
「……えぇ……」
〔……あー、これはウィキのコピペ文章だが、その件の隕石の名前のチクシュルーブ衝突体で、大きさは直径10-15km、衝突速度は約20km/s、衝突時のエネルギーは広島型原子爆弾の約10億倍(ツァーリ・ボンバの30万倍)、衝突地点付近で発生した地震の規模はマグニチュード11以上、生じた津波は高さ約300メートル……らしい。地脈龍と戦うならこれくらいは自力でやるレベルは軽く超越しないと話に成らん事は確かだろうな。そうじゃないとどう考えても地脈龍を削り切れん〕
「……創作だとそれ以上の大きさのサイズの隕石をどうこうしている奴も居る気がするのですが……」
『そりゃそうだろう。そもそも星を消すとかやっている連中も居るし。まあ、此処で無理だの何だの言ってもそう言う奴等の上げ設定にしか成らんからアレでは有るのだが、これを只の物理でやっているなら結果として片手間で災害を起こせる訳で……まあ、管理者側から出禁扱いされても残当なのだよな……』
「一発で削りきる必要は無いのでは?」
『別にこれは動かない案山子を撃ち抜いてドヤ顔してやるぜ、って話じゃ無い訳だが。当然反撃もされるぞ。星が丸ごと敵に成ったレベルの規模でな』
「……」
「話を戻させて貰うわね。相手より良い物を出す事は出来なかったけど、意趣返しには成功したのが現状……件の下請け会社の開発者にボーナスをあげるか、もっと好待遇を与えたいのだけど、良いかしら? 」
『異議無し』
〔前に同じ〕
「私も。只、追加で言えば会議に呼び出してみて要望を聞いてみたらどうでしょう?開発に使える能力を与えればもっと良い物を開発してくれるかも知れませんし」
「そうね、そうしましょうか」




