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それから一ヶ月と少しが経ち、発生するはずだった事件を一二万六千件其処ら潰した頃。科学賛美党の傘下企業の、クラフトライト社が、光の屈折率を制御するスーツ。通称、幻日礼装を発表しました。
「……幻日礼装、ですか……光の屈折率を弄る機能を備えた透明なスーツの色を適宜変える技術……って事らしいですね。スプリンガーさんはどう思います?」
「……屈折率を弄り、着ている衣装の色を変える技術搭載の服、か……他の衣装の屈折率を弄る事が出来るかは知らんが、一着有ればかなりの衣装の代わりに出来そう」
「それはそうですが、これ一着で全部補うのはキツイと思います。光の屈折率を弄る方法が機械的なら旅先でいきなり故障して実質全裸に成るとかも有り得ますよね、これ」
「そう考えると何かを別に内側に一緒に着ないとだが、衣装でのでこぼこをみせたくない見た目重視なら内側に着る奴はボディスーツ的なピッチリとした衣装くらいしか選択肢無くないか?」
「……ま、まあ、幻日礼装で見せられる衣装量が膨大でブランド物とかにも対応していたらワンチャン有りますかね……」
「身内の商売敵だし、余り上げ発言はしたくないが」
「……実際、光の屈折率を弄る結果見せる衣装データをネットで販売して、大量に売り付けられる様に上手く仕組みを根付かせられればえげつない儲けが出そうですけどね」
「サイズ計測の為の機器とスーツを買わせて、それで計測したデータを元にお勧めの衣装一覧をネットで見せてショッピングする技術なら年単位で昔から既に有るらしいけど、計測機器への初期投資がそれなりに必要らしいから使って無いぞ、俺は。いやまぁある程度以上の回数を使えば設備投資をした現地に行く手間賃を使わなくて済む形で元は取れるのだろうが……」
「それより問題はとにもかくにも幻日礼装で見せられる衣装の種類量と値段ですよ。手元に実物が無い形で買うのですから、本来の衣装の相場より安く無いとアレですけど、ブランド物とかはクラフトライト社と衣服ブランドとの契約とか手間賃とかでむしろ普通より高く成ってそうですし」
「……ま、それは一応決め付けの話だからな。材料費要らないのだし安く出来そうな物だが、……ちょっと待てよ、調べるから……ええと、相場は本来の値段から差し引き七割くらいの値段に成っている様だ」
「……へぇ……七割、ですか。材料費が要らないから安い理論にしても格安と言う程では無いですね」
「一応ブランド物の見た目の物を叩き売りする訳にも行かんだろうし、頑張った方じゃ無いか?衣装デザイナーのネームバリューやデザイン故にではなく素材費用が高いから高い類いの衣装でそれはぼったくりの気もするけど」
「あはは、まあ、そうなりますね。ボディスーツ系のみだとか有りますか?」
「いや、幻日礼装はある程度は自由にカスタム出来るみたいだ。……だが、正直、光の屈折率を弄ると成ると、性能を上乗せすればビームやレーザー光線に対する防具起用もワンチャン有るかもしれん。特許周りで美味しい所を取られたよ、これは」
「……おぅ……」
「しかし幻日、か。自然現象に実際に存在する現象だけど、ネーミング的にも良い奴引っ張って来たな……」
「幻日って現象として実際に有るのですか……」
「幻日って要は空気中の氷の粒がプリズムの役割をして起きる現象だし、透明なスーツの中身はプリズムの役割を果たす奴なのかね……只、これだと極彩色の見た目しか造れない気がするけど」
「……逆に言えば極彩色のスーツなら幻日の現象をスーツ上に落とし込み、再現するだけで行ける訳ですか」
「そうだね。だから技術としてはそれだけでも十分やばくは有る。衣装のレパートリー的にそれ以上の事が出来ていそうだけど」
「スイッチ切り替えでスーツが望んだ色の光以外は吸収する様に調整出来る、とか?」
「……そうだとしたらやべえな……」
「あの、クラフトライト社はともかくとして、極光役者のメーカーの方に話を通した方が良くないですか?」
「ああ、その会社はシェイプクリエーターズ社って言うのだが、……と、噂をしたら当人から連絡が来たし、少し待て」
それでスプリンガーさんが電話対応をした後、
「手前、今から直ぐに移動しよう。対応の為に会議がしたいらしくて、それに参加しろと言われたから」
「……私も、ですか?」
「そうだ。手前も参加しろ、だってさ。一応手前は派閥の代表だし、手前の信者にどうこう言うのは手前を介した方は話が早いからな」
「解りました。それなら直ぐに行くとしましょう」
それで会議の為に現地に移動する事に成りました。
幻日礼装に付いては次回以降もちゃんと説明するけど、立ち位置としては魔法や異能を使いたくない人の救済措置の極光役者を御せない人の救済措置商品だから、メインで使う奴はモブが殆どです。
モブのアッパー商品なので、設定としては出すけどほぼ使わん。
他にも幾つか出すけど、メインの顧客が作中でのメインメンバーちゃうしな。




